ポルトガル共和国

ポルトガル共和国(Portuguese Republic)

基礎データ

平成28年10月5日

  • ポルトガル共和国国旗

一般事情

1 面積

91,985平方キロメートル(日本の約4分の1)

2 人口

  • 約1,037万人
  • (2014年,国立統計院)

3 首都

  • リスボン市(人口:約54.8万人)
  • (リスボン市を含む大リスボン圏には,総人口の約1/4が集中)

4 言語

ポルトガル語

5 宗教

カトリック教徒が圧倒的多数

6 国祭日

6月10日(ポルトガルの日,16世紀の大詩人カモンイスの命日)

7 略史

年月 略史
1143年 ポルトガル王国成立(カスティージャ王国による承認)
1580年 スペインとの同君連合(スペイン王フェリペ2世がポルトガル王となる)
1640年 スペインから独立(王政復古)
1755年 リスボン大震災
1910年 王政終焉,ポルトガル共和国成立
1925年 カルモナ将軍による軍事政権(共和制の崩壊)
1932年 独裁体制の開始
サラザール政権(~1968年),カエターノ政権(1968年~1974年)
1949年 NATO加盟
1955年 国連加盟
1974年4月25日 カーネーション革命(独裁体制の終焉,民主化)
1986年 EC(後EUに発展)に加盟
1996年 ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)に加盟(同年に設立。本部リスボン)
1998年 万国博覧会開催(リスボン)
1999年 ユーロ導入(2002年から流通)

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

  • マルセロ・ヌノ・ドゥアルテ・レベロ・デ・ソウザ大統領
  • Marcelo Nuno Duarte Rebelo de Sousa
  • (2016年3月就任,任期5年)

3 議会

1院制 230議席,任期4年

4 政府

社会党(PS)政権(2015年11月~)

  • (1)首相名 アントニオ・ルイス・サントス・ダ・コスタ(António Luís SANTOS DA COSTA)
  • (2)外相名 アウグスト・エルネスト・サントス・シルヴァ(Augusto Ernesto SANTOS SILVA)

5 内政

  • (1)2011年6月に実施された総選挙で誕生したパッソス・コエーリョ連立政権(社会民主党(PSD)と民衆党(CDS/PP)の連立)は,欧州委員会,欧州中央銀行,国際通貨基金(IMF)との間で交わされたトロイカ合意の履行を通じ,財政再建を推進した。2014年5月,政府は同支援終了を宣言する一方で,競争力の促進や雇用創出等に向けた各種改革を進めた。
  • (2)2015年10月,任期満了に伴う共和国議会選挙が実施され,緊縮政策と構造改革継続の方針を示した連立与党(PSD・CDS/PPの連立)が107議席を獲得して引き続き議会の第一勢力となり,カヴァコ・シルヴァ大統領は,コエーリョ首相の続投を決めた。しかし,連立与党が提出した政府プログラムが同11月11日に野党の反対多数で否決されて暫定政権となったことを受け,カヴァコ・シルヴァ大統領は各党や経済関係者の意見を幅広く聴取した後,社会党のコスタ書記長を首相に改めて指名,同月末,コスタ新政権(閣僚18名,副大臣41名)が発足した。左派各党(ポルトガル共産党(PCP),左翼連合(BE),緑の党(PEV))は閣外協力に留まったため,同政権は少数与党となっている。同政権は,低所得者層の生活向上を重視する左派各党に配慮する形で,前連立政権がトロイカ支援プロセスの中で推進してきた構造改革や年金削減,増税等の緊縮措置の一部撤廃等を進めており,今後も財政規律が維持されるのか,EUやNATO等に対する基本方針が異なる左派各党との協力関係がいつまで続くのか注目されている。
  • (3)2016年3月,政治的安定性の実現を最優先に訴えたソウザ大統領(元社会民主党党首・元TV政治コメンテーター)が就任した。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)欧州統合への積極的参加
    1992年,2000年に続き,2007年後半にEU議長国を務め,リスボン条約が署名された。
  • (2)大西洋同盟の重視(NATO,対米関係)
    NATO原加盟国。2010年11月にはNATO首脳会合を主催。リスボン統合司令部(JFC-Lisbon)は2012年末に閉鎖されたが,代わりにNATO海上打撃支援部隊(STRIKFORNATO)が移設。米国との協定に基づき,ラージェス空軍基地(大西洋上アソーレス自治州のテルセイラ島に所在)を米軍の使用に供与しているが,2015年1月,米国防省は欧州における軍事施設の合理化計画を発表。同2月,リスボン市内でポルトガル米国二国間常設委員会が開催され,ポルトガル政府は本合理化計画について改めて不快感を表明。6月に再度同委員会が開催され,段階的な基地縮小が開始された)。
  • (3)ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)
    CPLP(加盟国は全9か国:ポルトガル,ブラジル,アンゴラ,カーボヴェルデ,ギニアビサウ,モザンビーク,サントメ・プリンシペ,赤道ギニア,東ティモール)を通じ,旧植民地諸国との連携,経済関係の強化及び人的交流の促進を図るとともに,ポルトガル語の国際語化を図っている。
  • (4)在外公館の新規開設,AICEP(ポルトガル投資貿易振興庁)と連携した輸出促進,外国投資誘致等を目指した多角的な経済外交を推進。
  • (5)2011~2012年には国連安全保障理事会非常任理事国を務めた。
  • (6)2016年3月,マルセロ・レベロ・デ・ソウザ新大統領は外交団に対する就任演説で,ポルトガルが地理的・歴史的に世界各地の架け橋を担う役割を有しているとした上で,大統領,政府,議会の3者が常に協調し,EUの一国として世界秩序の構築及び発展に貢献するとともに,NATOの活動に積極的に参加していく旨強調した。

2 軍事力(ミリタリーバランス)

  • (1)予算 22億5500万ユーロ(GDP比1.1%:2015年)
  • (2)兵役 2004年11月から完全志願兵制に移行した。
  • (3)総兵力 32,992人(内訳:陸軍54%,海軍26%,空軍20%,女性比率20%)(2015年)

3 ポルトガルによる対外援助実施状況

(1)二国間援助
1億8,574万ユーロ(前年比-18.6%)
(2)多数国間援助
1億3,852万ユーロ(前年比-0.9%)
計 3億2,426万ユーロ(対GNI比0.19%)
(出典:カモンイス協力言語院,2014年)

経済

1 主要産業

製造業(機械類,衣類,コルク製造)及び観光業等

2 GDP

約1,705億ユーロ(2015年)(IMF)

3 一人当たりGDP

16,384ユーロ(2015年)(IMF)

4 経済成長率

  2012年 2013年 2014年 2015年
経済成長率(%,ポルトガル国立統計院) -4.0% -1.1% 0.9% 1.5%

5 物価上昇率

  2012年 2013年 2014年 2015年
物価上昇率(%,ポルトガル国立統計院) 2.8% 0.3% 0.3% 0.5%

6 失業率

  2012年 2013年 2014年 2015年
失業率(%,ポルトガル国立統計院) 15.5% 16.2% 13.9% 12.4%

7 総貿易額(ポルトガル国立統計院,2015年)

  • (1)輸出:498億ユーロ
  • (2)輸入:601億ユーロ

8 主要貿易品目(2015年,ポルトガル投資貿易振興庁(AICEP))

  • (1)輸出:機械及び機器,車両及び他輸送用機材,石油製品,非鉄金属,プラスチック及びゴム,農産物,衣類等
  • (2)輸入:機械及び機器,石油製品,車両及び他輸送用機材,化学製品,農産物,非鉄金属,プラスチック及びゴム等

9 主要貿易相手国(2015年,ポルトガル投資貿易振興庁(AICEP))

  • (1)輸出:西,仏,独,英,米,アンゴラ(対EU 72.7%)
  • (2)輸入:西,独,仏,伊,蘭,英(対EU 76.4%)

10 通貨

ユーロ

11 経済概要

  • (1)ポルトガル経済は従来からEU依存型で,貿易・投資ともにEUとの結びつきが強い(輸出入の約7割,対ポルトガル直接投資の約8割をEU域内国が占めている)。市場拡大のため,ブラジル,アンゴラ等のポルトガル語圏諸国(CPLP),北米・中南米,アジア等との経済交流拡大を図っている。
  • (2)2007年頃からのEU域内における景気後退の中,2009年秋からのギリシャ財政危機を契機に,ポルトガルは大幅な財政赤字国として注視されるようになった。2010年には長期国債の利回りが持続不可能な水準(7%超)まで上昇。財政破綻を回避すべく,2011年5月,政府は欧州委員会,欧州中央銀行,国際通貨基金(IMF)と財政健全化プログラム(トロイカ合意)に合意し,3年間で総額780億ユーロの融資を受けることになった。
  • (3)2011年6月の総選挙を経て誕生したパッソス・コエーリョ首相率いる連立右派(社会民主党・民衆党)は,議会で安定多数を確保し,上記トロイカ合意に沿った厳しい財政再建策(労働市場改革を含む)を推進した。緊縮に伴う痛みから,2012年後半には,ストライキを含めた抗議運動が起きたが,2014年5月には計12回に及んだトロイカの定期審査の全日程を終了。経済成長率や失業率等のマクロ経済指標に明るい兆しが見え始め,その後ポルトガルは金融市場で資金調達を行いながら財政再建を進めている。(注:トロイカ支援は2014年5月に終了したものの,融資返済の大部分が終了するまで,トロイカ関係者が半年毎にポルトガルを訪問し,財政再建の進捗状況等について政府側と協議している。)
  • (4)2015年10月の総選挙を経て発足したアントニオ・コスタ首相率いる社会党政権(少数与党)は,低所得層の生活支援を重視する急進左派のポルトガル共産党,左翼連合,緑の党等からの閣外協力を踏まえ,前連立政権が推進した緊縮策や構造改革を一部撤回する政策を掲げている。2016年3月16日に左派各党の賛成多数で国会成立した2016年度政府予算案では,政府は欧州委員会との事前協議を踏まえ,同年度の経済成長率を1.8%,対GDP比財政赤字を2.2%に目標設定した上で,個人所得税の追加特別税の引き下げや,付加価値税の軽減税率適応品目の拡充,公務員給与削減措置の段階的撤廃などの反緊縮策を盛り込む一方,自動車取得及び自動車燃料,タバコ,印紙,アルコール飲料等の各種間接税を引き上げることで財源を補う計画を示した。しかし,依然として同予算がEUの財務基準(対GDP比財政赤字3%以下)から逸脱する可能性や,競争力向上に向けた構造改革の遅れに対する懸念が欧州委員会や大手格付会社等から示されており,社会党政権が今後どのような対応を講じていくかが注目される。

二国間関係

1 政治関係

(1)天皇皇后両陛下・皇太子殿下御訪問

 天皇皇后両陛下は1998年5月の英国,デンマーク御訪問の途次にポルトガルにお立ち寄りになり,リスボン万国博覧会を御視察になった(「日本館」での昭和天皇の貝のコレクション展示等)。また,2004年5月,皇太子殿下がポルトガルを公式訪問され,首都リスボン,コインブラ,ポルトを御訪問された。

(2)その他要人往来(肩書きはいずれも当時)

 2002年1月,田中外務大臣は我が国外相として初めてポルトガルを訪問し,ガマ外相との会談,サンパイオ大統領及びグテーレス首相への表敬を行った。また,2004年4月,ゴウヴェイア外務大臣が我が国を訪問し,川口外務大臣との会談を行い,2005年5月には,サンパイオ大統領夫妻が,愛・地球博ポルトガル・ナショナルデー(5月24日)に出席するために訪日し,小泉総理との会談を行った。2007年2月には,アマード外務大臣が訪日し,麻生大臣と会談を行い,政策協議に関する覚書に署名した。2013年3月にポルタス外務大臣が外務省賓客として訪日し,岸田外務大臣を初め,政府関係者らと会談を行った。2014年5月に安倍総理が現職総理として初めてポルトガルを訪問し,カヴァコ・シルヴァ大統領表敬,パッソス・コエーリョ首相との会談等を行った。2015年3月26~28日,パッソス・コエーリョ首相がポルトガル首相として25年振りに訪日(公式実務訪問賓客)した。2016年7月には、マルケス企画・インフラ大臣及びコスタ・オリヴェイラ外務省国際化担当副大臣が訪日した。

(3)議員交流

 日本ポルトガル友好議員連盟(会長:谷垣禎一衆議院議員)は1985年発足。ポルトガル日本友好議員連盟(会長:ミゲル・サントス社会民主党(PSD)議員)は2012年発足。これまでも両国の友好議連を中心とした議員交流が行われている。最近の議員交流は以下のとおりである。

【日本からポルトガルへ】
  • 2015年5月 谷垣禎一・日本ポルトガル友好議員連盟会長
  • 2016年7月 衆議院欧州各国議会制度等調査議員団(河村建夫団長)
  • 2016年8月 衆議院欧州等政治経済事情調査議員団(佐藤勉団長)
【ポルトガルから日本へ】
  • 2012年9月 フラスキーリョ・ポルトガル日本友好議員連盟会長
  • 2013年3月 フラスキーリョ・ポルトガル日本友好議員連盟会長
  • 2013年12月 マルケス・ポルトガル日本友好議員連盟副会長
  • 2015年3月 ガランバ・ポルトガル日本友好議員連盟副会長
  • 2016年4月 ガランバ社会党(PS)議員及びマセード社会民主党(PSD)議員(OECDグローバル議員ネットワーク会合出席)

(4)2010年修好150周年

 1860年8月3日の日・ポルトガル修好通商条約調印により,両国の外交関係が開設された。2010年には修好150周年を記念して,在ポルトガル日本国大使館を中心に,文化事業や記念切手の発行,海上自衛隊及びポルトガル海軍の練習艦の相互訪問等,多岐に亘る記念行事が行われ,両国間の友好の歴史が再認識された。同年11月には伴野外務副大臣がポルトガルを訪問し,ポルトで開催された日本文化紹介イベント「ジャパン・ウィーク」に出席した。

2 経済関係

  1. 貿易:貿易収支はポルトガル側の入超(対日輸出398億円,対日輸入462億円(2015年))。
    (1)主要対日輸出品目:衣類・同付属品,自動車・同部品,電気機器,果実・野菜,履き物,化学製品等
    (2)主要対日輸入品目:自動車・同部品,一般機械,船舶類,電気機器,ゴム・同製品等
    (出典:財務省貿易統計 2015年)
  2. 直接投資:日本からの対ポルトガル直接投資(フロー)は約25億円(2014年)(出典:日本銀行国際収支統計)。日本からポルトガルへの進出企業数は68社(2016年8月現在)。ポルトガルから日本への進出企業数は5社(2016年8月現在)。
  3. ポルトガルを訪問した日本人は2014年で83,374人(前年比5.8%増),我が国を訪問したポルトガル人は2015年で18,666人(前年比29.3%増)(出典:日本政府観光局(JNTO))。

3 文化関係

  • (1)海洋をテーマとする「リスボン万国博覧会」が1998年5月から9月まで開催された際には,我が国も日本館を出展し,好評を博した。昭和天皇の貝のコレクションが出典された。
  • (2)2010年の修好150周年では,能公演,裏千家家元による茶道紹介,和太鼓公演,ポップ・カルチャー紹介事業,日本映画祭,ジャパン・ウィーク等多数の日本文化紹介行事が行われた。
  • (3)2013年は,1543年にポルトガル人が種子島に到着した「鉄砲伝来」から470周年に当たり,様々な日本文化紹介事業が行われた。
  • (4)姉妹都市交流(8組。うち1組は国際友好都市)
    • レイリア市-徳島市,ポルト市-長崎市,アヴェイロ市-大分市,カスカイス市-熱海市,ヴィラ・ド・ビスポ市-西之表市,シントラ市-大村市,ナザレ市-逗子市(国際友好都市),アブランテス市-人吉市

4 在留邦人数

594人(2015年10月,外務省)

5 在日ポルトガル人数

880人(2015年6月末,法務省)

6 要人往来(2000年以降)

(1)往
年月 要人名
2001年9月 井上参議院議長(公式)
2002年1月 田中外務大臣
2003年8月 綿貫衆議院議長
2004年5月 皇太子殿下
2006年1月 中馬内閣府大臣
2006年3月 山口特派大使(大統領就任式)
2007年4月 北川防衛大臣政務官
2007年8月 松山経済産業大臣政務官
2009年6月 小泉元内閣総理大臣
2010年11月 伴野外務副大臣
2014年5月 安倍内閣総理大臣
2014年7月 稲田内閣府特命担当大臣
2015年6月 松本内閣府大臣政務官
(2)来
年月 要人名
2000年6月 フェロ・ロドリゲス労働社会保障相(小渕総理葬儀参列)
2002年1月 アマード外務副大臣(アフガン復興支援国際会議)
2003年9月 サントス外務副大臣(TICAD III)
2004年4月 ゴウヴェイア外相(外賓)
2005年5月 サンパイオ大統領夫妻(博覧会賓客)
2006年2月 ピーニョ経済革新相
2007年2月 アマード外相(外賓)
2008年3月 ガマ国会議長(参議院招待)
2011年2月 サントス財務相
2012年10月 ガスパール財務相,コスタ中銀総裁(IMF・世銀年次総会)
2013年3月 ポルタス外相(外賓)
2014年6月 クリスタス農業・海洋相
2015年2月 ヴィエイラ・エ・ブリット食糧・農業食品研究担当副大臣
2015年3月 ロドリゲス内務相(第3回国連防災世界会議)
パッソス・コエーリョ首相(公式実務訪問賓客)
マシェッテ外相,ピーレス・デ・リマ経済相,モレイラ・ダ・シルヴァ環境・国土・エネルギー相(首相に同行)
2016年7月 マルケス企画・インフラ相,コスタ・オリヴェイラ外務省国際化担当副大臣

7 二国間条約・取極

  • 査免協定(1974年),漁業協定(1978年),租税条約(2013年7月発効),ワーキング・ホリデーに関する協力覚書(2015年7月発効)

8 外交使節

  • (1)ポルトガル駐箚日本国特命全権大使 東博史
  • (2)本邦駐箚ポルトガル特命全権大使 フランシスコ・マヌエル・ダ・フォンセカ・シャヴィエル・エステヴェス
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