ペルー共和国

ペルー共和国(Republic of Peru)

基礎データ

平成30年4月10日

  • ペルー共和国国旗

一般事情

1 面積

約129万平方キロメートル(日本の約3.4倍)

2 人口

約3,182万人(2017年10月推定値,ペルー統計情報庁)

3 首都

リマ

4 民族

先住民45%,混血37%,欧州系15%,その他3%

5 言語

スペイン語(他にケチュア語,アイマラ語等)

6 宗教

国民の大多数はカトリック教徒

7 略史

年月略史
1821年スペインから独立
1968年~1980年軍事政権
1980年~1985年ベラウンデ政権
1985年~1990年ガルシア第一期政権
1990年~1995年フジモリ第一期政権
1995年~2000年フジモリ第二期政権
2000年~2001年フジモリ第三期政権,同政権退陣,パニアグア暫定政権
2001年~2006年トレド政権
2006年~2011年ガルシア第二期政権
2011年~2016年ウマラ政権
2016年7月~クチンスキー政権
2018年3月~ビスカラ政権

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

大統領 マルティン・アルベルト・ビスカラ・コルネホ

3 議会

一院制(130名)

4 政府

  • 首相 セサル・ビヤヌエバ
  • 外相 ネストル・フランシスコ・ポポリシオ・バルダレス

5 内政

 1980年に民政に移管し,90年代のフジモリ政権によるテロ及び経済問題への取組により国政が安定化した。同政権時代に基礎が作られた経済政策を踏襲したトレド政権以降でペルーは躍進を遂げる。その一方で,貧富の格差の是正は進まず,2006年にウマラ候補は貧困層の代弁者として大統領選に立候補するが,ガルシア候補に惜敗。5年後の2011年4月の大統領選挙,国会議員選挙の際,大統領候補を出さなかった与党アプラ党は惨敗し,ウマラ候補率いる勝利するペルー連合が国会第一党になった。同年6月にウマラ候補とケイコ・フジモリ候補の間で大統領選挙の決選投票が行われ,地方の貧困層及び南部に支持基盤を有するウマラ候補が僅差で勝利し,7月大統領に就任した。

 社会的包摂を伴う経済成長を掲げるウマラ政権は,政権当初から選挙公約である各種社会プログラムを開始した。制度面では,抽選による徴兵制の導入,国家公務員法にあたる「市民サービス法」の公布,「大学法」改正等に着手した。他方,既得権益を手放したくない一部の抵抗勢力からの反発,若者によるデモ及び野党からの圧力,大統領夫妻に関する政治スキャンダル等もあり,厳しい政権運営を強いられた。

 2016年4月10日の大統領選挙では,ケイコ・フジモリ人民勢力党候補が約40%,クチンスキー「変革のためのペルー」候補が約21%の投票率を獲得し決選投票に進出した。6月5日の決選投票では,50.120%のクチンスキー候補が約4万1千票差(有効投票率0.240%差)で49.880%のケイコ候補を下し当選した。
 クチンスキー政権は2016年7月28日に発足。同政権は,インフラ整備(特に上下水道),教育の質の向上,医療サービスの改善,国内経済のインフォーマルセクターの縮小,治安改善等を重視する政策を掲げた。また,同政権は,2021年のペルー独立200周年に向けてOECD加盟入りを目指す取組やTPP11の署名を含めた二国間及び地域との経済連携を推進する取組も進めた。なお,クチンスキー大統領は,ペルー国内で収監されていたフジモリ元ペルー大統領について17年12月,人道的配慮等に基づき同元大統領に対する恩赦を決定した。
 2018年3月,ブラジルの建設会社が中南米諸国の政府関係者に公共事業発注のため贈賄を行ってきたとされる汚職疑惑事件(「ラバ・ジャト」事件)がペルー政界にも波及し,クチンスキー大統領自身にも疑惑が及んだこと等から,自らの関与は否定しつつも,ペルーの団結と調和のために最善であるとしてクチンスキー大統領は辞任。憲法の規定に従い,同年3月23日(現地時間),ビスカラ第一副大統領が新大統領に就任,4月2日(現地時間),ビヤヌエバ新首相を筆頭とする新内閣が発足した。

外交・国防

1 外交基本方針

 自国産品(特に付加価値を伴う非伝統的産品)輸出の拡大と右による雇用の創出・貧困削減を主たる目的として,自由・開放的な対外経済政策を標榜。アジア太平洋経済協力(APEC),環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の参加国であり,メキシコ,チリ,コロンビアと共に,中南米地域において開かれた経済連合を目指すイニシアティブである太平洋同盟のメンバー国である。また,これまでに日本を含む20の国・地域との間に通商協定(自由貿易協定,経済連携協定等)のネットワークを構築し,貿易総額の約90%に相当する市場をカバーする等,積極的な施策を展開している。なお,日ペルー経済連携協定(EPA)は我が国が中南米ではメキシコ,チリに次いで3番目,全世界では13番目に締結した協定であり,2009年から2010年に7回の交渉会合を開催後,2011年5月に署名,2012年3月に発効した。

 ウマラ前政権は,日本を含むアジア太平洋諸国との関係の拡大に高い関心を示し,太平洋同盟及びAPEC主要会合他の機会を活用し,また投資セミナー等のイベントを企画して,ウマラ大統領を始め,経済財政相,通商観光相を中心に,投資の誘致や貿易の拡大を目指して精力的なトップセールスを行った。2014年1月27日のチリとの領海境界線画定にかかるICJ判決では,ペルーは新たに約5万平方キロメートルの海域を獲得するとともに,同裁判が終了したことでチリとの長年の懸案事項に一区切りがついた。

 クチンスキー大統領は,公約で特に太平洋同盟の強化を重視する他,中国,EUとの関係強化,APEC,TPPの重要性,OECD加盟を目指すことを強調。また,CELAC,アンデス共同体を通じたペルーの国際場裏におけるプレゼンスを高めることについても言及しており,経済外交を主軸とする外交を展開している。

2 軍事力

(1)予算 21億ドル(2017年予算)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 8.1万人(陸軍4.75万人,海軍2.4万人,空軍0.95万人)
(ミリタリー・バランス2018)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

製造業,石油・鉱業,商業,農業,建設業(2017年,ペルー統計情報庁)

2 GDP

1,951億ドル(2016年名目,IMF)

3 一人当たりGNI

6,198ドル(2016年,IMF)

4 GDP成長率

2.7%(推測値)(2017年,IMF)

5 物価上昇率

3.2%(推測値)(2017年,IMF)

6 失業率

6.9%(2017年,ペルー統計情報庁)

7 総貿易額

  • (1)輸出 449.8億ドル
  • (2)輸入 372.9億ドル

(2017年,ペルー統計情報庁)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 銅,金,石油派生品,亜鉛,鉛,天然ガス,魚粉
  • (2)輸入 原油,軽油,自動車,携帯電話

(2017年,ペルー統計情報庁)

9 地域別貿易動向

  • (1)主要輸出相手国 中国,米国,スペイン,韓国,日本
  • (2)主要輸入相手国 中国,米国,ブラジル,エクアドル,メキシコ

(2017年,ペルー税務監督庁)

10 通貨

ソル

11 為替レート

1ドル=3.21ソル(2018年2月)

12 経済概要

 1990年代に導入された自由主義的マクロ経済路線は広く定着し,対外債務の減少,国庫収入や外貨準備高の増加等,経済基盤は近年の顕著な成長を反映して強化され内需も旺盛。ペルー経済の成長率(06年から15年までの10年間の平均年率は5.9%)は中南米地域でも有数。ウマラ前政権は,「社会的包摂」政策と健全・堅実なマクロ経済政策の両立の維持を基本線に据えている。しかし,2013年は,中国の輸入減少を主因として,主要輸出産品たる鉱物資源の国際価格が下落し,輸出が減少したことから成長率が鈍化(5.8%)。2014年も,非伝統産品の輸出は好調なるも,鉱物資源や魚粉等の伝統産品の輸出減,民間投資減等もあり,2.4%の成長にとどまった。かかる成長率の鈍化を受け,政府は,減税等の経済再活性化策を発表し,2015年については,年末からの鉱業生産の増大もあり,3.2%まで回復した。なお,伝統的に,金や銅を中心とした鉱物資源輸出(2014年の生産量では,銀が世界2位,銅,亜鉛が世界3位,金は同7位)に牽引される経済構造を有するが,アグロインダストリーを中心とした非伝統的産品の生産・輸出拡大に向けた動きも見られ,2014年,政府は「国家生産多角化計画」を策定した。

 2016年7月に発足したクチンスキー政権は,歴代政権の自由経済政策を踏襲する他,一般売上税減税等の税制改革を通じ,企業活動のフォーマル化や正規納税者の拡大を図り,より一層の財政健全化に努めるとともに,同時に行政手続きの歓送化等を実施することで更なる経済成長を目指している。この中で,空港・港湾,道路,鉄道等のインフラ整備や上下水道整備などに力を入れることとしている。

13 対外債務残高

746.5億ドル(2016年,ペルー中銀)

経済協力

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力(2014年度まで,E/Nベース) 4,439.38
  • (2)無償資金協力(2015年度まで,E/Nベース) 668.49
  • (3)技術協力実績(2015年度まで) 573.18

(単位:億円)

2 主要援助国

  • (1)米国(123.01)
  • (2)ドイツ(110.14)
  • (3)日本(84.59)
  • (4)カナダ(27.42)

(2014,OECD/DAC統計,支出額ベース,単位:百万ドル)

二国間関係

1 政治関係

 外交関係設立は1873年で中南米で最も早い。日本・ペルー関係は,第二次世界大戦期を除き常に良好に推移してきた。ガルシア政権下1989年に4月3日が「日秘友好の日」として公式に定められ,以来毎年,ペルー国会では友好の日を祝う式典を開催。2009年6月には移住110周年記念式典が常陸宮同妃両殿下の御臨席を得て開催された。2013~2014年には外交関係設立140周年を記念する諸行事が行われた。

 2000年以降,フジモリ元大統領の引渡問題により,トレド政権期に,二国間関係は停滞したが,2006年成立のガルシア政権,2011年成立のウマラ政権,2016年成立のクチンスキー政権において,二国間関係は非常に良好である。ガルシア大統領は2008年以降3年連続3度訪日。2008年,麻生総理が日本の総理として11年振りにペルーを訪問(APECサミット出席)。2012年5月,ウマラ大統領訪日。2013年4月,岸田外相がペルーを訪問。2014年1月秋篠宮同妃両殿下がペルーを御訪問。2016年11月,安倍総理が日本の総理として8年ぶりにペルーを公式訪問し,引き続きペルーAPEC首脳会議に参加。岸田外相及び世耕経産相も同年11月,ペルーAPEC閣僚会議に参加するためペルーを訪問した。2017年11月,ベトナムAPECダナン首脳会議の機会に,日ペルー首脳会談及び外相会談が実施された。

2 経済関係

(1)対日貿易
(ア)貿易額(2017年,財務省貿易統計)
輸出 2,049億円
輸入 794億円
(イ)主要品目
日本への輸出 銅,亜鉛,液化天然ガス,魚粉,亜鉛合金等
日本からの輸入 自動車,タイヤ,鉄鋼製品等
(2)日本からの直接投資
238.4百万米ドル(2015年末(ストック),ペルー投資促進庁)
(3)進出企業数 72社(2017年10月)

3 文化関係

 考古学,人類学等を中心に日本のアンデス社会研究の中心的対象国となっており文化交流も活発。また,約10万人の日系人の存在等もあり,日本語学習熱は高く,毎年日本文化週間が開催されている。

4 在留邦人数

3,408人(2016年10月) 日系人推定10万人(世界第3番目の規模)

5 在日当該国人数

47,875人(2016年6月,法務省入国管理局)

6 要人往来

(1)往(1958年以降)
年月要人名
1958年三笠宮同妃殿下
1959年岸首相
1967年皇太子同妃両殿下
1979年園田外務大臣
1982年鈴木総理大臣
1989年近藤鉄雄衆議院議員(移住90周年祭)
1990年土屋参院議長
粕谷特派大使(衆議院議員)
1995年7月江藤隆美衆議院議員(特派大使)
1996年8月橋本総理大臣
1996年12月池田外務大臣
1997年3月高村外務政務次官
1997年4月池田外務大臣
1997年5月橋本総理大臣
1999年5月清子内親王殿下(移住100周年)
2000年7月三塚博衆議院議員(特派大使)
2001年7月遠山文部科学大臣(特派大使)
2006年7月山中外務大臣政務官(特派大使)
2008年6月新藤経済産業副大臣,宇野外務大臣政務官(APEC貿易担当大臣会合)
2008年8月松村経済産業大臣政務官(APEC中小企業大臣会合)
2008年11月中曽根外務大臣及び二階経済産業大臣(APEC閣僚会議)
麻生総理大臣(公式訪問及びAPEC首脳会議)
2009年6月常陸宮同妃両殿下(移住110周年記念式典出席)
2009年9月原口総務大臣
2010年3月吉良外務大臣政務官
2011年6月山花外務大臣政務官
2011年7月鳩山由紀夫衆議院議員(特派大使)
2013年4月岸田外務大臣
2013年8月西村内閣府副大臣(外交関係設立140周年)
2014年1月秋篠宮同妃両殿下(外交関係設立140周年)
2014年7月松島経済産業副大臣
2014年12月望月環境大臣(COP20)
2015年4月山本文科大臣政務官
2015年5月宇都外務大臣政務官
2015年10月麻生副総理兼財務大臣(IMF・世銀リマ総会)
2016年5月鈴木経済産業副大臣及び山田外務大臣政務官(APEC貿易担当大事会合)
2016年6月高木内閣府大臣政務官(APEC女性と経済フォーラム)
2016年7月二階衆議院議員(大統領就任式特派大使)
2016年8月古屋厚生労働副大臣(APEC保健と経済ハイレベル会合)
2016年8月あかま総務副大臣
2016年9月井原経済産業大臣政務官(APEC中小企業大臣会合)
大野国土交通大臣政務官
礒崎農林水産副大臣(APEC食料安全保障大臣会合)
2016年10月水落文部科学副大臣(APEC教育大臣会合)
木原財務副大臣(APEC財務大臣会合)
2016年11月安倍総理大臣(公式訪問及びペルー首脳会議)
岸田外務大臣(APEC閣僚会議)
世耕経済産業大臣(APEC閣僚会議)
2017年1月薗浦外務副大臣
2017年7月田中国土交通副大臣
2017年8月高村日ペルー友好議員連盟会長
2017年12月野中農林水産大臣政務官
2018年1月坂井総務副大臣
(2)来(1990年以降)
年月要人名
1990年フジモリ次期大統領
1991年フジモリ大統領(IDB総会)
1992年3月フジモリ大統領(国賓)
1993年6月フジモリ大統領(非公式)
デ・ラ・プエンテ首相兼外相
1993年11月セルパ最高裁長官
1993年11月ヨシヤマ民主制憲議会議長(衆議院議長招待)
1994年2月ゴールデンベルグ首相兼外相
1994年6月フジモリ大統領(非公式)
1995年8月チャベス国会議長(衆議院議長招待)
1995年9月フジモリ大統領(立ち寄り)
1996年11月フジモリ大統領(立ち寄り)
1997年4月ホイ・ワイ国会議長
1997年7月フジモリ大統領(橋本総理大臣招待)
1998年6月フジモリ大統領(IDB・輸銀共催シンポジウム出席)
1998年11月フジモリ大統領(立ち寄り,2回)
1999年5月フジモリ大統領(公式実務)
2000年6月ブスタマンテ首相(小渕前総理大臣葬儀)
2000年11月フジモリ大統領(立ち寄り)
2006年04月レモール生産相(海外漁業協力財団招待)
2006年11月ガルシア・ベラウンデ外相
2007年10月レイ生産相(海外漁業協力財団招待)
2008年3月ガルシア大統領(公式実務訪問,5閣僚随行)
2009年2月ガルシア・ベラウンデ外相(外務省賓客),アラオス通商観光相
2009年5月ブラック環境相(オピニオン・リーダー招待)
2009年8月コルネホ運輸通信相(総務省招待)
2009年11月ガルシア大統領(実務訪問,2閣僚随行)
2010年6月ペレス通商観光相(APEC貿易担当大臣会合)
2010年10月ブラック環境相(COP10出席)
2010年11月ガルシア大統領(APEC首脳会議,ガルシア・ベラウンデ外相同行),フェレイロス通商観光相(APEC閣僚会議)
2011年5月フェレイロス通商観光相(EPA署名)
2011年6月ジャンピエトリ第一副大統領
2012年3月ペイラーノ文化相
2012年5月ウマラ大統領夫妻(公式実務訪問,ロンカリオロ外相,カスティーヤ経済財政相,シルバ通商観光相随行)
2012年10月カスティーヤ経済財政相,ベラルデ中銀総裁(IMF・世銀東京総会)
2013年3月メリノ・エネルギー鉱山相
2013年6月フォンヘッセ農業灌漑相
2014年1月オタロラ国会議長
2014年4月サラサール国会生産委員長
2015年9月ベラルデ中銀総裁
2017年2月ビスカラ第一副大統領兼運輸通信相

7 二国間条約・取極

  • 1961年 通商協定
  • 1972年 査証免除取極(1971年12月締結,1972年2月発効)
  • 1979年 青年海外協力隊派遣取極
  • 1980年 技術協力基本協定
  • 1985年 文化協定
  • 2009年 投資協定(2008年11月署名,2009年12月発効)
  • 2012年 経済連携協定(2011年5月署名,2012年3月発効)
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