アジア

平成25年11月22日
 9月18日,ラオスの首都ビエンチャンにて標記会議が開催され,我が国を代表し古屋圭司国家公安委員会委員長が出席し,事前の各高級実務者準備会合には石兼公博ASEAN代表部大使が出席しました。

1.第1回日・ASEAN 国境を越える犯罪に関する閣僚会議(AMMTC+日本)

  • (1)2003年以降,我が国とASEANとの間では,国境を越える犯罪に関する高級実務者会合(SOMTC+日本)が毎年開催されてきているところ,本年,日・ASEAN友好協力40周年を迎えるにあたり,我が国からの閣僚会議開催提案へのASEAN各国の賛同により,今次会議が初めて開催されることとなりました。
  • (2)我が国及びカンボジアが共同議長を務め,ASEAN事務次長,ASEAN10か国及び我が国から治安担当閣僚等が出席しました。会議では,共同議長であるカンボジアから,事前の高級実務者準備会合の結果について報告がなされ,ASEAN事務局から,日・ASEAN間の協力の状況につき報告があり,日・ASEAN統合基金(JAIF)による日・ASEANテロ対策対話の開催及びテロ対策関連プロジェクトの実施について我が国への謝意が表明されました。
  • (3)続いて,テロ対策,サイバー犯罪及びその他各国関心事項について意見交換が行われ,古屋国家公安委員会委員長から,警察庁等が実施している具体的施策に言及しつつ,サイバー犯罪対策,国際テロ対策といったASEAN域内を取り巻く深刻な課題への対処能力向上及び国際協力の必要性を強調し,日本として,引き続き,地域の平和と安定に貢献していく意志を表明しました。また,拉致問題についてブリーフィングを行い,各国の理解,解決のために国際社会が連携していくことの重要性等について説明しました。
  • (4)ASEAN各国からは,シンガポールが,2014年における日・ASEANテロ対策対話の実施予定につき述べ,また,サイバー犯罪に関するワークショップ開催計画に関し発言しました。また,マレーシアが,JAIFを活用したプロジェクトである海上捜索救助に関するセミナー実施計画に関し述べました。
  • (5)最後に,今次第1回会議に関する共同声明(英語原文(PDF)PDF和訳文(PDF)PDF)を採択しました。同声明においては,テロ対策における更なる対話と知見の共有の必要性,新たな挑戦であるサイバー犯罪対策における能力構築の重要性を認識し,国際社会の懸念である拉致問題の解決の重要性を強調しました。今次会議の成果については,本年12月に開催予定の日・ASEAN特別首脳会議において首脳間で確認されることとなりました。次回第2回会議は2015年にマレーシアにおいて開催されることとなりました。

2.第6回ASEAN+日中韓国境を越える犯罪に関する閣僚会議(AMMTC+3)

  • (1)本枠組みは,国境を越える犯罪(重点8分野:テロ,不正薬物取引,人身取引,マネー・ロンダリング,海賊,武器密輸,国際経済犯罪,サイバー犯罪)対策におけるASEAN+3協力を推進するものであり,2004年から閣僚会議(AMMTC+3)を隔年毎,2003年から高級実務者会合(SOMTC+3)を毎年開催してきています。今次第6回会議は主催国ラオスが議長を務め,ASEAN事務次長,ASEAN10か国及び我が国,中国,韓国から治安担当閣僚等が出席しました。
  • (2)会議では,日中韓各国代表がステートメントを行い,古屋国家公安委員会委員長は,サイバー犯罪対策,国際テロ対策,薬物取引といったASEAN域内を取り巻く深刻な課題への対処能力向上及び国際協力の必要性を強調するとともに,引き続き,地域の平和と安定に貢献していく意志を表明しました。また,拉致問題への理解,解決のために国際社会が連携していくことの重要性等について発言しました。
  • (3)ASEAN各国からは,サイバー犯罪対策のリード・シェパードであるシンガポールが,サイバー犯罪対策作業部会の設立につき報告し,対処能力向上のための官民での知見の共有等を内容とするワークショップへの協力を依頼しました。
  • (4)その後,特別会合(リトリート)が行われ,国際テロ,サイバー犯罪,薬物問題,人身取引,武器密輸といった課題に関する意見交換が行われ,協力強化の重要性が確認されるとともに,今後,ASEAN+3の枠組みにおける協力状況についてレビューが行われることとなりました。
  • (5)終わりに,国境を越える犯罪対策においてASEAN+3の枠組みでの協力強化を確認する旨の共同声明(PDF)PDFを採択しました。次回第7回会議は,2015年にマレーシアで開催されることとなりました。
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