中東

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中東和平についての日本の立場

平成22年11月24日

(英語版はこちら)

1.(基本的立場)

 我が国は,イスラエルと将来の独立したパレスチナ国家が平和かつ安全に共存する二国家解決を支持し,イスラエル及びパレスチナ自治政府双方に対して,二国家解決を可能な限り早期に実現するため,互いの信頼関係の構築に努め,直接交渉の前進を図るべく一層努力するよう呼びかける。イスラエル・パレスチナ間の紛争は,関連する安保理諸決議,マドリード会議での諸原則,ロードマップ,当事者による過去の合意及びアラブ和平イニシアティブに基づいて,交渉によってのみ解決されるべきものであり,暴力は固く拒絶されなければならないことを強調する。

 我が国は,米国及びカルテット,また,中東諸国の和平努力を高く評価し,上述のような基本的立場から二国家解決に向けた交渉の前進に最大限に貢献するため,関係者との政治対話と当事者間の信頼醸成を進めていく考えである。また,パレスチナ人への経済的支援を継続するとともに,彼らの国づくり努力に引き続き貢献する考えである。さらに,多国間協議が開催される場合には,これに積極的に協力する用意がある。

 我が国は,包括的中東和平に向けた前進は,中東地域に存在する軍事的,政治的緊張を緩和し,地域的繁栄への可能性を向上させるものと確信し,早期に,公正で永続的且つ包括的な和平が実現することを期待する。我が国は,イスラエル,レバノン及びシリアに対し,それぞれの和平交渉を出来る限り早期に開始し,他の中東諸国も中東和平実現に協力するよう呼びかける。我が国は,アラブ和平イニシアティブを支持しており,イスラエルが同イニシアティブを真剣に検討すること,及びアラブが呼応する形で同イニシアティブを実施するための具体的ステップをとることを呼びかける。

2.(パレスチナ・トラックに関する現状と立場)

 我が国は,イスラエル及びパレスチナ自治政府双方が行った交渉再開の勇気ある決定を高く評価する一方で,同直接交渉が現在中断されていることを憂慮するとともに,即時に同交渉が再開されることを強く期待している。

 我が国は,最終的な解決を予断するような一方的な変更は,いずれの当事者によるものであっても,承認できないとの立場に立っている。我が国は,東エルサレムを含むヨルダン川西岸においてイスラエルの入植活動は完全に凍結されるべきとの立場を再確認し,改めて,イスラエルに対して,入植活動の完全凍結を求める。

 我が国は,西岸におけるパレスチナ自治政府の現在の改善された治安状況をもたらした努力を評価しつつ,全ての当事者に対し,暴力と煽動を停止するよう求める。

 我が国は,二国家解決にあたり,その境界は,交渉を通じ,相互に合意された領域の交換を伴いつつ1967年の境界を基礎として,自立可能なパレスチナ国家と,安全かつ承認された国境を有するイスラエルが平和裡に共存を実現する形で,画定されるべきであるとの考えを支持する。このような二国家解決を通じ,パレスチナ人は,独立国家樹立の権利を実現し,イスラエルは大きく改善された安全保障環境を享受し,両者は相互の繁栄のための全面的協力を開始できる。

 エルサレムの最終的地位については,将来の首都に関する両者の立場を調整する形で,交渉により決定されるべきである。我が国としては,イスラエルによる東エルサレムの併合を含め,エルサレムの最終的地位を予断するいかなる行為も決して是認しないことを強調し,パレスチナ人の住居破壊等東エルサレムの現状変更について深い憂慮を表明する。

 難民問題は,最終的地位問題の重要な一つの要素として,当事者間の交渉により公正に解決されるべきであると考えている。

 我が国は,イスラエルがガザの封鎖を緩和したことを歓迎する一方で,ガザが依然厳しい人道状況下にあることを憂慮している。ガザ地区への武器流入阻止が確保されるとともに,封鎖の更なる緩和が図られることが重要と考える。

 我が国は,イスラエルによるヨルダン川西岸における移動・アクセス制限の緩和が,パレスチナ経済の発展に寄与していることを歓迎し,イスラエルが,このような制限の緩和をさらに進めることを期待している。

3.(パレスチナ支援)

 我が国は,オスロ合意以降これまで,中東和平達成に資する環境作りのため,パレスチナ支援に力を入れてきており,11億ドルを超える支援を行ってきている。パレスチナ人の困難を緩和し,経済発展に協力すると同時に,我が国は「自由への最終段階」と称される最終年次の行動計画を含むPA大綱を支持することにより,今後とも,積極的に将来の,独立し,自立可能なパレスチナ国家建設のための「制度づくり・人づくり」を支援していく決意である。また,東アジア諸国とも協力して,そのような支援を強化していきたい。

 特に,我が国は,パレスチナ自治政府,イスラエル及びヨルダンと協力し,地域協力のためのビジネスモデルの確立を狙いとした「平和と繁栄の回廊」構想を引続き推進し,投資を誘致し,雇用を創出し,国際市場に産品を輸出するジェリコ農産業団地を2012年中に立ち上げるべく努力を加速する。

 我が国は,ガザ住民に裨益する支援を強化していく。中断していた国際機関経由の案件は速やかに実施されるべきである。

 パレスチナ難民の経済・社会生活を向上させる国際的取り組みに貢献するため,我が国は,UNRWAを通じたパレスチナ難民支援に引き続き努力していきたい。

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