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2009年11月現在
経済的な統合を中心に発展してきた欧州共同体(EC)を基礎に、経済通貨統合を進めるとともに、欧州連合条約に従い、共通外交・安全保障政策、警察・刑事司法協力等のより幅広い協力も進展する政治・経済統合体。
国家主権の一部を委譲して、域外に対する統一的な通商政策を実施する世界最大の単一市場を形成し、政治的にも「一つの声」で発言しつつある。
27か国:ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン、英国
434万平方キロメートル(日本の12倍)
4.9億人(日本の約3.9倍)
| 年月 | 略史 |
|---|---|
| 1952年 | 欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)設立(パリ条約発効)。 原加盟国:仏、独、伊、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク |
| 1958年 | 欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(EURATOM)設立(ローマ条約発効) |
| 1967年 | 3共同体の主要機関統合 |
| 1968年 | 関税同盟完成 |
| 1973年 | 英国、アイルランド、デンマーク加盟 |
| 1979年 | 欧州議会初の直接選挙実施、欧州通貨制度(EMS)導入 |
| 1981年 | ギリシャ加盟 |
| 1986年 | スペイン、ポルトガル加盟 |
| 1987年 | 「単一欧州議定書」発効 |
| 1992年末 | 域内市場統合完成 |
| 1993年11月 | マーストリヒト条約(欧州連合条約)発効 |
| 1994年1月 | 欧州経済領域(EEA)発足 |
| 1995年1月 | オーストリア、スウェーデン、フィンランド加盟 |
| 1999年1月 | 経済通貨同盟第3段階への移行(ユーロの導入) |
| 1999年5月 | アムステルダム条約(改正欧州連合条約)発効 |
| 2002年1月 | ユーロ紙幣・硬貨の流通開始 |
| 2002年7月 | ECSC条約の失効、ECSC解消 |
| 2003年2月 | ニース条約(改正欧州連合条約)発効 |
| 2004年5月 | 中東欧等10か国が加盟 |
| 2005年10月 | トルコ、クロアチア EU加盟交渉開始 |
| 2007年1月 | ブルガリア、ルーマニア EU加盟 |
12兆5,061億ユーロ(2008年)
25,500ユーロ(2008年)
| 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
|---|---|---|---|---|
| 実質GDP成長率 | 2.9% | 0.8% | ▲4.1% | 0.7% |
| インフレ率 | 2.4% | 3.7% | 1.0% | 1.3% |
| 失業率 | 7.1% | 7.0% | 9.1% | 10.3% |
| 財政赤字(対GDP比) | ▲0.8% | ▲2.3% | ▲6.9% | ▲7.5% |
(1)輸出 1兆3,091億ユーロ(2008年、EU域外)
(2)輸入 1兆5,584億ユーロ(2008年、EU域外)
(1)輸出 米国(19%)、ロシア(8%)、スイス(8%)、中国(6%)、トルコ(4%)、ノルウェー(3%)、日本(3%)
(2)輸入 中国(16%)、米国(12%)、ロシア(11%)、ノルウェー(6%)、スイス(5%)、日本(5%)、トルコ(3%)
1999年1月にEU加盟国中11か国で単一通貨ユーロを導入(ユーロ貨幣の流通は2002年1月から)。2001年1月にギリシャ、2007年1月にスロベニア、2008年1月にマルタ、キプロスが加わり、現在の参加国は15か国。2009年1月よりスロバキアが加わり、参加国は16か国に拡大の予定。
1ユーロ=1.58ドル=166.57円(2008年7月1日)
予算額(2008年度)約1,194億ユーロ
欧州経済は、最悪規模の不況を経験後、経済対策の効果もあって、経済金融情勢には改善の動きが見られ、2011年にかけて経済の緩やかな回復傾向が続く見通し。今次不況にあって民間消費が安定化要因であったが、家計のバランスシート悪化や厳しい雇用情勢が悪影響を与えると懸念される。労働市場は厳しい情勢が続き、2010年の終わりから2011年にかけて経済成長が確保された後に、ようやく徐々に安定化すると見込まれる。物価上昇率は落ち着いた状態が続く。財政赤字は1年で2008年の3倍(GDP比7%)に達し、2010年も悪化が続く。
1959年 在ベルギー大使を3共同体日本政府代表に任命
1974年 駐日欧州共同体委員会代表部の設置
1979年 欧州共同体日本政府代表部設置(1996年に欧州連合日本政府代表部に名称変更)
(1)対日貿易
(2)直接投資(2008年、国際収支統計)
日・EUの文脈での、セミナー、シンポジウム等の知的交流(国際交流基金による助成も行われている)等、様々な交流事業が実施されている。「日欧協力の10年」の中間の年にあたる2005年は「日・EU市民交流年」として日本、EU加盟25か国(当時)で計1900件(日本約450件、EU各国約1450件)の各種イベントを実施。
170,994人(2007年10月現在)
| 年月 | 要人名 |
|---|---|
| 1991年7月 | 第1回日・EC定期首脳協議(海部総理、ハーグ) |
| 1992年7月 | 第2回日・EC定期首脳協議(宮沢総理、ロンドン) |
| 1993年1月 | 渡辺副総理欧州委訪問 |
| 1993年9月 | 天皇皇后両陛下御訪欧(イタリア、ベルギー、ドイツ) |
| 1994年5月 | 羽田総理欧州委訪問 |
| 1995年6月 | 第4回日・EU定期首脳協議(村山総理、パリ) |
| 1997年6月 | 第6回日・EU定期首脳協議(橋本総理、ハーグ) |
| 1999年6月 | 第8回日・EU定期首脳協議(小渕総理、ボン) |
| 2000年5月 | 森総理・プローディ欧州委員会委員長会談(ローマ) |
| 2001年12月 | 第10回日・EU定期首脳協議(小泉総理、ブリュッセル) |
| 2003年5月 | 第12回日・EU定期首脳協議(小泉総理、アテネ) |
| 2005年5月 | 第14回日・EU定期首脳協議(小泉総理、ルクセンブルク) |
| 2006年5月 | 麻生外務大臣・バローゾ欧州委員長表敬(ブリュッセル) |
| 2007年1月 | 安倍総理・バローゾ欧州委員長会談(ブリュッセル) |
| 2007年6月 | 第16回日・EU定期首脳協議(安倍総理、ベルリン) |
| 2009年5月 | 第18回日・EU定期首脳協議(麻生総理、プラハ) |
| 年月 | 要人名 |
|---|---|
| 1993年7月 | クリストファーセン副委員長(委員長代行)訪日、第3回日・EC定期首脳協議 |
| 1993年10月 | ヴァン・ミールト副委員長訪日 |
| 1993年11月 | ブリタン副委員長訪日 |
| 1995年6月・9月 | ブリタン副委員長訪日 |
| 1996年4月・5月 | ブリタン副委員長訪日 |
| 1996年9-10月 | ブルートン・アイルランド首相、サンテール委員長訪日、第5回日・EU定期首脳協議 |
| 1996年12月 | ヘンシュ欧州議会議長訪日 |
| 1997年9月 | ブリタン副委員長訪日(ASEM経済閣僚会議) |
| 1998年1月 | ブレア英首相、サンテール委員長訪日・第7回日・EU定期首脳協議 |
| 1998年10月 | ブリタン副委員長他訪日(日・EU閣僚会議) |
| 2000年7月 | シラク仏大統領、プローディ委員長来日、第9回日・EU定期首脳協議 |
| 2002年4月 | プローディ委員長訪日(公式実務訪問賓客) |
| 2002年7月 | ラスムセン・デンマーク首相、プローディ委員長訪日、第11回日・EU定期首脳協議 |
| 2004年6月 | アハーン・アイルランド首相、プローディ委員長訪日、第13回日・EU定期首脳協議 |
| 2006年4月 | シュッセル・オーストリア首相、バローゾ委員長訪日、第15回日・EU定期首脳協議 |
| 2008年2月 | ぺテリング欧州議会議長訪日 |
| 2008年4月 | ヤンシャ・スロベニア首相、バローゾ委員長訪日、第17回日・EU定期首脳協議 |
1974年 欧州共同体委員会の代表部設置・特権免除協定
1989年 欧州原子力共同体との制御核融合協力協定
2001年 相互承認に関する日本国と欧州共同体との間の協定(MRA)
2003年 反競争的行為に係る協力に関する日本国政府と欧州共同体との間の協定
2006年 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定
2007年 日・欧州原子力共同体核融合エネルギー協定
2008年 税関に係る事項における協力及び相互行政支援に関する日本国政府と欧州共同体との間の協定
EU各国首脳及び欧州委員会委員長により構成(理事会議長国首脳が議長を務め通常年4回開催)。欧州連合の発展に必要な原動力を与え一般的政治指針を策定する。共通外交安全保障政策の共通戦略を決定。議長国は半年交替の輪番制(2009年後半スウェーデン、2010年前半スペイン)。
EU各国の閣僚級代表により構成されるEUの主たる決定機関(総務・対外関係理事会、経済・財務相理事会等分野毎に開催される)。議長国は欧州理事会と同様。
加盟国の合意に基づき欧州議会の承認を受けた委員で構成(各国1名の計27名、任期5年)。省庁に相当する「総局」にわかれ、政策、法案を提案、EU諸規則の適用を監督、理事会決定等を執行(共同体事項につき対外的にEUを代表)。
諮問的機関から出発し次第に権限を強化、特定分野の立法における理事会との共同決定権、EU予算の承認権、新任欧州委員の一括承認権等を有する。定員は736名、各国を一つの選挙区とする直接選挙(定員は各国の人口に配慮し配分、選挙方式は国により異なる)により選出。(前回選挙:2009年6月)。議長はブゼク氏(Jerzy BUZEK)(ポーランド人)。
EU法体系の解釈を行う欧州連合の最高裁。憲法裁判所、国際裁判所、行政裁判所、労働・普通裁判所としての機能を併せ持つ。加盟国の合意により任命される27名の裁判官と8名の法務官(いずれも任期6年)により構成。加盟国の国内裁判所で提起されたEU法上の問題について「先行判決」を下す制度を有する。第一審裁判所もある。
欧州中央銀行、欧州会計検査院、経済社会評議会、地域評議会、欧州オンブズマン、欧州投資銀行等が存在。
(1) 関税同盟と共通農業政策(CAP)
欧州共同体条約に基づく経済統合の2つの柱。加盟国間の貿易に対する関税・数量制限を撤廃し、域外に対する共通関税率と共通通商政策を適用。農業分野では域外との貿易に対する輸出補助金、域内での市場介入等を通じ農産品の域内価格を安定。農家への直接所得補償を導入。
2003年6月の中間見直しにおいて、生産高とリンクした補助金の支払いを原則やめ、過去の受領額に応じた「デカップリング」を導入した単一直接支払いを導入。また、農村開発政策を強化した。CAPの実効性を再評価する「ヘルス・チェック」のための立法提案が2008年5月に行われた。
(2) 域内市場統合の完成
域内市場統合白書(1985年)と単一欧州議定書(1987年)に基づき、人・モノ・サービス・資本の移動が自由な単一市場を完成させるため、1992年末までに物理的・技術的・財政的障害の除去を目的とした約270項目の自由化・共通化のためのEU法令を採択。
(3) 経済通貨統合(EMU)
加盟国間の外国為替相場の変動率を一定の幅に抑えるため1979年より実施されていた欧州通貨制度(EMS)をさらに一歩進め、各通貨間の相場の固定と単一通貨の導入を行ったもの。欧州連合条約に盛り込まれた手続に従い、1994年に後の欧州中央銀行(ECB)の前身である欧州通貨機構(EMI)を設立、各国の経済・財政政策の収斂を図り、物価の変動率や財政赤字のGDPに対する比率等に関する基準を満たした11か国が1999年1月1日より単一通貨ユーロを導入した。ユーロ貨幣の流通が開始されたのは2002年1月1日。2001年1月にギリシャ、2007年1月にスロベニア、2008年1月にマルタ、キプロス、2009年1月よりスロバキアがユーロを導入し、現在、ユーロ圏は16か国。
1993年に発効した欧州連合条約(マーストリヒト条約)に将来の防衛分野での協力も視野に入れた共通外交・安全保障政策(CFSP)、加盟国国民に共通の市民としての基本的な権利(地方自治体選挙権等)を認める欧州市民権の導入、司法・内務分野の協力等が盛り込まれた。これに基づき、主要な国際問題に関する共通の行動や、移民、国境管理、テロ・麻薬対策などに関する協力を行っている。特に、1999年のアムステルダム条約発効以降、CFSPが強化され、上級代表ポスト(現在ソラナ上級代表)が設置されたほか、安全保障分野についても、緊急展開可能なバトルグループ(BG)が13個グループ創設され、2007年より運用開始した。
従来から政府間協力の枠組みで実施されてきた司法・内務分野における協力がマーストリヒト条約においてEUの活動の第3の柱として取り入れられ、1999年のアムステルダム条約発効に伴い警察・刑事司法協力と改称された。2001年9月11日の米国における同時多発テロ発生以降、同分野での協力が急速に進展している。
1958年(EC) 現加盟国:独、仏、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク
1973年(EC) 第1次拡大:英国、アイルランド、デンマーク
1981年(EC) 第2次拡大:ギリシャ
1986年(EC) 第3次拡大:スペイン、ポルトガル
1995年(EU) 第4次拡大:オーストリア、スウェーデン、フィンランド
2004年(EU) 第5次拡大:ポーランド、チェコ、ハンガリー、エストニア、ラトビアリトアニア、マルタ、キプロス、スロバキア、スロベニア
2007年(EU) 第5次拡大:ブルガリア、ルーマニア
2004年及び2007年の拡大の結果、加盟国が27か国になったEUをより効率的・機能的にするため、EU関連条約の見直しが行われ、2007年12月に開かれた欧州理事会にて「リスボン条約」が署名された。同条約が発効すれば、常任の欧州理事会議長の任命、EU外務・安全保障政策上級代表の任命、欧州対外活動庁の創設等機構改革及び共通外交・安全保障政策実施体制の強化、欧州議会・各国議会の権限強化等が図られることとなっている。2009年11月、27全加盟国による批准が終了した。条約の規定上、「最後の批准文書が寄託された月の翌月一日に発効する」とされている。