この計画は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号。以下「国民保護法」という。)第33条第1項及び第182条第2項の規定に基づき、外務省の所掌事務に関し次に掲げる事項を定め、もって武力攻撃事態等における国民の保護のための措置(以下「国民保護措置」という。)及び緊急対処事態における緊急対処保護措置の的確かつ迅速な実施に資することを目的とする。
外務省は、適時この計画の内容につき検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとし、変更に当たっては、関係する指定行政機関の意見を聴くなど広く関係者の意見を求めるよう努めるものとする。
(1)総合外交政策局人権人道課(以下「人権人道課」という。)は、次に掲げる事項に関し外務省内における必要な連絡調整を行う。
(2)国民保護に関する連絡調整体制その他必要な事項は別に定める。
武力攻撃事態等において国民保護措置を実施するための参集要員及び参集要員への連絡体制については、別に定める。
人権人道課は、外務省の関係職員に対して、措置実施マニュアルの作成、講習会の実施等を通じ、国民保護措置に関して必要な以下に例示する知識等の周知徹底を図る。
外務省は、武力攻撃事態等における実効的な体制を維持し、強化するため、独自に、又は指定行政機関等と共同して、必要な訓練を行う。この場合においては、防災訓練との有機的な連携を図り効率的な訓練の実施を期する。
(1)外務大臣は、政府に武力攻撃事態等対策本部(以下「対策本部」という。)が設置された場合には、直ちに、本省に外務大臣を長とする外務省武力攻撃事態等対策本部(以下「省対策本部」という。)を設置する。省対策本部は、武力攻撃事態等を終結させるための外交上の措置等に関する外務省内の総合調整その他必要な業務を行うほか、次の業務を行う。
(2)上記に定めるもののほか、国民保護措置に関する省対策本部の組織その他必要な事項は別に定める。
(1)国民保護法第29条第3項の規定により都道府県対策本部長から職員の派遣の求めがあったときは、速やかに外務大臣の指名する職員を派遣するものとする。
(2)国民保護法第151条第1項の規定により地方公共団体の長等から職員の派遣の要請があったとき又は第152条第1項の規定により職員の派遣のあっせんのあったときは、その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣するものとする。
外務省は、武力攻撃事態等において、国民保護法その他の法令、国民の保護に関する基本指針(平成17年3月25日閣議決定)及びこの計画に基づき、国民の協力を得つつ、他の機関と連携協力し、その所掌事務に関する国民保護措置の的確かつ迅速な実施に万全を期するものとする。
(1)省対策本部及び関係部局は、外務省の所掌に係る国民保護措置の実施状況について、記者発表やインターネット等により、正確な情報を適時かつ適切に提供する。また、在日外交使節団等へも速やかに警報や避難措置の指示などの国民保護措置に関する情報の提供を行うとともに、在日外交使節団等から関連する要望が寄せられる場合は、必要に応じ、速やかに対策本部と協議する等の対応を行う。
(2)外国に滞在する邦人に対しては、在外公館に提出された在留届等に基づき、警報や避難措置の指示など、情報の提供に努める。
(3)平素から、外国に滞在する邦人に対し国民保護措置に関して周知に努めるとともに、国内に在住する外国人に対しても周知が図られるよう、在日外交使節団等に対して要請する。
外務省は、地方公共団体の長が行う安否確認の情報収集に協力するため、在日外交使節団等から外国人の安否情報等を入手した場合は、速やかに地方公共団体の長に提供する。
(1)米軍施設・区域の周辺地域における住民の避難については、それらの施設・区域は防衛に係る諸活動の拠点となる等の特性があることから、外務省は、国民保護措置に関し、他の関係省庁及び地方公共団体と平素から密接な連携を図るものとする。
(2)武力攻撃事態等において、住民の避難等の国民保護措置との関係で合衆国軍隊との連絡調整の必要がある場合には、省対策本部は、対策本部及び関係省庁とともに、日米防衛協力のための指針に基づく調整メカニズム等を通じるなどにより、合衆国政府との間で必要な連絡調整を行う。
(1)NBC攻撃災害への対処に関する措置の実施
1)省対策本部は、対策本部を通じ、当該事象に係る事実関係を把握する。
2)省対策本部は、さらに、対策本部を通じ、被害の発生状況、原因物質、治療、予防策及び海外への影響等を掌握する。
3)省対策本部は、在日外交使節団等を通じ、在日外国人に対し、適時かつ適切に1)及び2)の情報を伝達する。
(2)武力攻撃原子力災害への対処に関する措置の実施
1)武力攻撃原子力災害発生時には、省対策本部は、国民の保護に関する基本指針にいう、関係省庁との連絡方法、初期動作等を定めた「関係省庁マニュアル」等により、関係省庁と緊密に連絡を取り、発生した災害の事実関係につき、在日外交使節団等に情報提供等を行う。
2)状況に応じ、我が国が締結している原子力事故早期通報条約に基づき、国際原子力機関(以下「IAEA」という。)に対し通報する。
(3)武力攻撃に伴う原子力艦の原子力災害への対処に関する措置の実施
省対策本部は、武力攻撃に伴う原子力艦の原子力災害に関する通報を受けた場合、国の防災基本計画(原子力災害対策編)の定めと同様に、対策本部、関係指定行政機関及び関係地方公共団体に連絡するとともに、関係指定行政機関と協議の上、関係国政府に対し、情報提供及び適切な措置を講ずるよう要請するものとする。
(1)海外から支援の申入れがあった場合
1)外交ルートにて海外から支援の申入れがあった場合には、省対策本部は、対策本部にその種類、規模、到着予定日時、場所等を報告する。
2)対策本部が海外からの支援の申入れの受入れを決定した場合には、省対策本部は、その内容を支援を申し入れた国又は国際機関に示す。
(2)海外への支援の申入れを行う場合
1)対策本部が海外への支援の申入れを決定した場合には、省対策本部は、その支援が円滑に実施されるべく、その内容を関係国及び関係国際機関等に申し入れる。
2)武力攻撃原子力災害発生時には、必要に応じて、我が国が締結している原子力事故援助条約に基づき、省対策本部は、IAEA等の国際機関に対し援助の要請を行う。
(1)人権人道課は、赤十字標章等及び特殊標章等に係る事務の運用に関するガイドラインの適切な実施を通じて、ジュネーヴ諸条約及び同第一追加議定書上の義務が履行されるよう確保する。特に、同ガイドラインを変更する必要が生じた場合には、ジュネーヴ諸条約及び同第一追加議定書の関連規定と整合的であることを確保する。
(2)人権人道課は、関係省庁及び地方公共団体等と協力しつつ、ジュネーヴ諸条約及び同第一追加議定書に基づく武力攻撃事態等における標章等の使用の意義等について様々な機会を通じて啓発に努める。
(3)外務省は、外務省の職員で国民保護措置に係る職務を行う者等に対し、特殊標章又は身分証明書を交付し、又は使用させることについて、別に定める。
自らの庁舎を含め、外務省が管理する施設及び設備のうち国民保護措置の実施上重要なもの等について、被害が発生した場合には、安全の確保に配慮した上で、応急の復旧のために必要な措置を講ずる。
(1)外務大臣は、政府に緊急対処事態対策本部が設置された場合等、緊急対処事態に緊急に対処する必要があると認めるときには、直ちに、本省に外務大臣を長とする外務省緊急対処事態対策本部(仮称:以下「省緊急対処事態対策本部」という。)を設置する。
(2)省緊急対処事態対策本部の組織その他必要な事項は別に定める。
緊急対処保護措置の実施体制並びに措置の内容及び実施方法については、本計画第1章及び第2章の定めに順じて適宜行うこととする。