外務省訓令第4号
「外務省外交史料館利用等規則」を次のとおり定める。
平成23年4月1日
外務大臣 松本剛明
第1条 この規則は、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号。以下「公文書管理法」という。)に基づき、外務省大臣官房総務課外交史料館(以下「館」という。)が保存する特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄について必要な事項を定めることを目的とする。
第2条 この規則において「特定歴史公文書等」とは、公文書管理法第2条第7項に規定する特定歴史公文書等のうち、館に移管され、又は寄贈され、若しくは寄託されたもの及び法の施行の際、現に館が保存する歴史公文書等(現用のものを除く。)をいう。
2 この規則において、「外務大臣」とは、公文書管理法第15条第1項に規定する国立公文書館等の長としての外務大臣をいう。ただし、本項は第11条第1項1号ハ及びニ、第14条第3項並びに第27条第1項には適用されない。
第3条 館は、外務省で保存する歴史公文書等(公文書管理法第2条第6項に定める歴史公文書等をいう。以下同じ。)として、保存期間が満了したときに館に移管する措置が設定されたものについて、保存期間が満了した日から可能な限り早い時期に受入れの日を設定し、当該歴史公文書等を受け入れるものとする。
2 館は、前項の規定に基づき受け入れた特定歴史公文書等について、次の各号に掲げる措置を施した上で、原則として受入れから1年以内に排架を行うものとする。
3 館は、特定歴史公文書等の利用が円滑に行われるようにするため、前項第3号に規定する事前審査の方針を定めるものとする。
第4条 館は、法人その他の団体(国及び独立行政法人等を除く。以下「法人等」という。)又は個人から特定の文書を寄贈又は寄託する旨の申出があった場合、当該文書が歴史公文書等に該当すると判断する場合には、当該文書を受け入れるものとする。
2 館は、前項に基づき受け入れた特定歴史公文書等について、寄贈又は寄託をした者の希望に応じ、利用の制限を行う範囲及びこれが適用される期間を定めた上で、次に掲げる措置を施し、原則として受入れから1年以内に排架を行うものとする。
第5条 館は、第3条及び第4条に基づき受け入れた特定歴史公文書等に著作物や実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(以下「著作物等」という。)が含まれている場合は、当該著作物等について、必要に応じて、予め著作者、著作権者、実演家又は著作隣接権者から著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権についての許諾や同意を得ること等により、当該特定歴史公文書等の円滑な利用に備えるものとする。
第6条 館は、特定歴史公文書等について、第29条の規定により廃棄されるに至る場合を除き、専用の書庫において永久に保存するものとする。
2 館は、前項に定める専用書庫について、温度、湿度、照度等を適切に管理するとともに、防犯、防災、防虫等のための適切な措置を講ずるものとする。
3 館は、特定歴史公文書等のうち電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)については、その種別を勘案し、当該特定歴史公文書等を利用できるようにするために媒体変換その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 館は、特定歴史公文書等について、管理を容易にするために必要な番号等(以下「管理番号」という。)を付する。
第7条 館は、特定歴史公文書等について、その保存及び利便性の向上のために、それぞれの特定歴史公文書等の内容、保存状態、時の経過、利用の状況等を踏まえた複製物作成計画を定めた上で、適切な記録媒体による複製物を作成する。
第8条 館は、特定歴史公文書等に個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)が記録されている場合には、公文書管理法第15条第3項に基づき、当該個人情報の漏えいの防止のため、以下の措置を講ずる。
第9条 館は、特定歴史公文書等に関して、次の各号に掲げる事項について1つのファイル等ごとに記載した目録を作成する。
2 館は、前項に規定する目録の記載に当たっては、公文書管理法第16条第1項第1号イからニまで若しくは第2号イ若しくはロに掲げる情報又は同項第3号の制限若しくは同項第4号の条件に係る情報は記載しないものとする。
3 館は、第1項に規定する目録を閲覧室に備えて付けておくとともに、インターネットの利用等により公表する。
第10条 外務大臣は、公文書管理法第16条の規定に基づき、特定歴史公文書等について利用の請求(以下「利用請求」という。)をしようとする者に対し、次の各号に掲げる事項を記載した利用請求書の提出を求めるものとする。
2 館は、利用請求の円滑化及び効率化を図るため、利用請求書の標準様式等を作成し、閲覧室に備えておくとともに、インターネットの利用等により公表する。
3 第1項の提出の方法は、次のいずれかによるものとする。この場合、第2号の方法において必要な郵送料は、利用請求をする者が負担するものとする。
4 前項第2号及び第3号に定める方法による利用請求については、利用請求書が館に到達した時点で請求がなされたものとみなす。
5 外務大臣は、利用請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用請求をした者(以下「利用請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
第11条 外務大臣は、特定歴史公文書等について前条に定める利用請求があった場合には、次に掲げる場合を除き、これを利用に供するものとする。
2 外務大臣は、利用請求に係る特定歴史公文書等が前項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が行政文書として作成又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史公文書等に公文書管理法第8条第3項の規定による意見が付されている場合には、当該意見を参酌する。
3 外務大臣は、前項において時の経過を考慮するに当たっては、利用制限は原則として作成又は取得されてから30年を超えないものとする考え方を踏まえるものとする。
第12条 外務大臣は、前条第1項第1号又は第2号に掲げる場合であっても、前条第1項第1号に掲げる情報又は同項第2号の条件に係る情報(以下この条において「利用制限情報」という。)が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求者に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
2 前項に規定する区分の方法は、次の各号に掲げる特定歴史公文書等の種類に応じ、当該各号に掲げる方法とする。
第13条 外務大臣は、第11条第1項第1号イに掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において、次の各号のいずれかに掲げる書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該特定歴史公文書等につき当該情報が記録されている部分についても、利用に供するものとする。
2 第10条第3項第2号又は第3号に定める方法により利用請求をする場合には、当該利用請求をする者は、前項の規定にかかわらず、前項第1号及び第2号に掲げる書類のいずれかを複写機により複写したもの及びその者の住民票の写し又は外国人登録原票の写しその他の館が適当と認める書類(利用請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)を館に提出すれば足りるものとする。
第14条 外務大臣は、利用請求に係る特定歴史公文書等に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び利用請求をした者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合には、当該特定歴史公文書等を利用させるか否かについての決定をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、次の各号に掲げる事項を通知して、公文書管理法第18条第1項に基づく意見書を提出する機会を与えることができる。
2 外務大臣は、第三者に関する情報が記録されている特定歴史公文書等の利用をさせようとする場合であって、当該情報が行政機関情報公開法第5条第1号ロ若しくは第2号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは、利用させる旨の決定に先立ち、当該第三者に対し、次の各号に掲げる事項を書面により通知して、公文書管理法第18条第2項に基づく意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
3 外務大臣(公文書管理法第15条第1項に規定する国立公文書館等の長としての外務大臣をいう。)は、特定歴史公文書等であって第16条第1項第1号ハ又はニに該当するものとして同法第8条第3項の規定により意見を付されたものを利用させる旨の決定をする場合には、あらかじめ、当該特定歴史公文書等を移管した行政機関の長としての外務大臣に対し、次の各号に掲げる事項を書面により通知して、公文書管理法第18条第3項に基づく意見書を提出する機会を与えなければならない。
4 外務大臣は、第1項又は第2項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、当該特定歴史公文書等を利用させる旨の決定をするときは、その決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、外務大臣は、その決定後直ちに、当該意見書(第21条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、公文書管理法第18条第4項に基づき利用させる旨の決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面により通知しなければならない。
第15条 外務大臣は、利用請求があった場合は速やかに、これに係る処分についての決定(以下「利用決定」という。)をしなければならない。ただし、利用制限事由の存否に係る確認作業が必要な場合その他の時間を要する事情がある場合は、利用請求があった日から30日以内に利用決定をするものとする。この場合において、館が第10条第5項の規定により補正を求めたときは、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 利用決定においては、利用請求のあった特定歴史公文書等ごとに、次の各号に掲げる処分のいずれかを決定するものとする。
3 外務大臣は、利用決定に関し、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、第1項の規定に関わらず、第1項ただし書に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、外務大臣は、利用請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を通知するものとする。
4 外務大臣は、利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量であるため、利用請求があった日から60日以内にそのすべてについて利用決定をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、第1項及び第3項の規定に関わらず、利用請求に係る特定歴史公文書等のうちの相当の部分につき当該期間内に利用決定をし、残りの部分については相当の期間内に利用決定をすることができる。この場合において、外務大臣は、利用請求があった日の翌日から30日以内(第10条第5項の規定により補正に要した日数を除く。)に、利用請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
第16条 外務大臣は、利用決定をした場合、当該特定歴史公文書等の利用請求者に対して、以下の事項について記載した通知書(以下「利用決定通知書」という。)により決定の内容を通知しなければならない。
2 利用決定通知書には、利用請求者が利用の方法を申し出るための書類(以下「利用の方法申出書」という。)を添付しなければならない。
3 通知は、閲覧室で行うほか、利用請求者の求めに応じ、次の各号に掲げる方法により行うこともできる。この場合、第1号の方法において必要な郵送料は、利用請求者が負担するものとする。
第17条 特定歴史公文書等の利用は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付の方法により、電磁的記録については次の各号に掲げる方法により行う。
2 前項に規定する電磁的記録の利用の方法は、情報化の進展状況等を勘案して、利用者が利用しやすいものとする。
3 利用の方法は、利用請求者が利用請求書又は利用の方法申出書に利用の方法を記載し、館に提出することにより指定するものとする。
4 利用の方法申出書は、利用決定の通知があった日から30日以内での提出を求めるものとする。ただし、利用請求者において、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
5 利用の方法申出書の提出の方法については、第10条第3項の規定を準用する。
第18条 特定歴史公文書等の閲覧は、閲覧室で行うものとする。
2 閲覧室における特定歴史公文書等の利用に関しては、別に定めるところによる。
第19条 特定歴史公文書等の写しの交付は、当該特定歴史公文書等の全部について行うほか、その一部についても行うことができる。この場合において、館は、利用請求者に対し、具体的な範囲の特定を求めるものとする。
2 写しの交付は、次の各号に掲げる特定歴史公文書等の媒体について、当該各号に定めるものの中から館が指定した方法のうち、利用請求者の希望するものについて、利用請求者から部数の指定を受けた上で実施するものとする。
3 館は、利用請求者より、写しの交付を行う範囲、方法及び部数の指定を受けた場合は速やかに料金表(別表)に基づき手数料額を算定し、当該料金を利用請求者に通知するものとする。
4 館は、次条に定める手数料の納付が確認されたのち、速やかに写しの交付を行うものとする。
5 写しの交付は、館において行うほか、利用請求者の求めに応じ、利用請求者に郵送する方法により行うこともできる。この場合、必要な郵送料は、利用請求者が負担するものとする。
第20条 館は、利用請求者が写しの交付を受ける場合には、別表に基づき算出した手数料の納入を、次の各号に定める方法により受け取るものとする。
2 前項第3号の手続に必要な費用は、利用請求者が負担するものとする。
3 館は、料金表を閲覧室に常時備え付けるとともに、インターネットの利用等により公表する。
第21条 外務大臣は、公文書管理法第21条に基づく異議申立てがあった時は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、公文書管理委員会に諮問する。
2 外務大臣は、前項の諮問をした場合は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知する。
3 第14条第4項の規定は、次の各号のいずれかに該当する決定をする場合について準用する。
4 外務大臣は、公文書管理委員会から第1項の諮問に対する答申を受けた場合は、当該答申を踏まえ、速やかに決定を行うものとする。
第22条 館は、公文書管理法第16条において利用が認められている特定歴史公文書等について、第1節に定める方法のほか、あらかじめ手続を定めた上で、簡便な方法(次項に定めるものを除く。)により利用に供するものとする。
2 館は、特定歴史公文書等のデジタル画像等の情報をインターネットの利用により公開すること等の方法により、積極的に一般の利用に供するものとする。
第23条 館は、年度ごとに計画を定めた上で、展示会の開催、館内の見学会その他の取組を行い、歴史公文書等の利用の促進に努めなければならない。
第24条 館は、他の機関から学術研究、社会教育等の公共的目的を有する行事等において利用するために特定歴史公文書等の貸出しの申込みがあった場合、別に定めるところにより、当該特定歴史公文書等を貸し出すことができる。
第25条 館は、原本の利用を認めるとその保存に支障を生ずるおそれがある特定歴史公文書等について、複製物によっては利用目的を果たすことができない場合等原本による利用が必要と認められる場合は、別に定めるところにより、特に慎重な取扱いを確保した上で、利用者に対し特別に原本を利用に供することができる。
第26条 館は、特定歴史公文書等の効果的な利用を確保するため、次に掲げるレファレンスを行う。ただし、鑑定の依頼、文書の解読・翻訳等、館の業務として情報提供することが適当でないと認められる場合はこの限りでない。
2 レファレンスは、閲覧室の開室時間中は随時、口頭、電話、書面その他の方法により、申し込むことができるものとする。
第27条 館は、特定歴史公文書等を移管した行政機関の長である外務大臣が、公文書管理法第24条に定める利用の特例の適用を求める場合は、身分証の提示及び移管文書利用申込書の提出を求めるものとする。
2 外務省職員が前項の移管文書利用申込書の提出により特定歴史公文書等を利用するに当たり、館の外での閲覧を希望した場合、館は、第18条の規定に関わらず、1ヶ月を限度として、その閲覧を認めることができる。
第28条 館は、利用に関する業務を実施するため、次に掲げる日を除き、毎日開館する。
2 館は、前項の規定にかかわらず、特に必要がある場合には、臨時に開館し又は休館することができる。この場合には、館は、原則として開館又は休館の2週間前までにその旨及び理由を公表しなければならない。
3 館の利用時間は午前10時から午後5時30分までとする。ただし、特に必要がある場合には、臨時に変更することができる。この場合には、館は、事前にその旨及び理由を公表しなければならない。
第29条 館は、特定歴史公文書等として保存している文書について、劣化が極限まで進展して判読及び修復が不可能で利用できなくなり、歴史資料として重要でなくなったと認める場合には、内閣総理大臣に協議し、その同意を得て、当該特定歴史公文書等を廃棄することができる。
2 館は、前項の規定に基づき特定歴史公文書等の廃棄を行った場合には、廃棄に関する記録を作成し、公表するものとする。
第30条 館は、その職員に対し、歴史公文書等を適切に保存し利用に供するために必要な専門的知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行うものとする。
2 館は、前項の他に、外務省職員に対し、歴史公文書等の適切な保存及び移管を確保するために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行うものとする。
3 館は、第1項及び前項の研修の実施に当たっては、その必要性を把握し、その結果に基づいて研修の計画を立てなければならない。
4 館は、第1項及び第2項の研修を実施したときは、研修計画の改善その他歴史公文書等の適切な保存及び移管の改善に資するため、その効果の把握に努めるものとする。
第31条 館は、特定歴史公文書等の保存及び利用の状況について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。
2 館は、前項に規定する報告のため、必要に応じて調査を実施するものとする。
第32条 館は、本規則について、閲覧室に常時備え付けるほか、インターネットの利用等により公表するものとする。
第33条 この規則に定めるもののほか、この規則を実施するために必要な事項は官房長が定める。
著作権法の改正により、特定歴史公文書等に関する著作権の調整規定が置かれた場合、第5条の規定は、次のとおりとする。
第5条 館は、第3条及び第4条に基づき受け入れた特定歴史公文書等に著作物が含まれている場合は、当該著作物について、必要に応じて、著作者と著作権の調整を行うこと等により、当該著作物の円滑な利用に備えるものとする。
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