ASEAN(東南アジア諸国連合)

第18回ASEAN+3(日中韓)首脳会議

平成27年11月22日

英語版 (English)

 11月21日(土曜日)午後4時55分頃から午後6時5分頃まで(現地時刻),マレーシア・クアラルンプールにおいて第18回ASEAN+3(日中韓)首脳会議が開催され,日本から安倍総理が出席したところ,概要次のとおり(議長:ナジブ・マレーシア首相)。また,同会議において,「東アジア・ビジョン・グループ(EAVG)IIフォローアップに関する最終報告書」などが採択された。

1 会議冒頭(日中韓サミット)

 安倍総理から,先般,日中韓サミットが開催され,幅広い分野における協力,地域や国際社会の喫緊の課題について率直な意見交換を行った旨紹介し,日中韓協力プロセスの正常化がASEAN+3協力の一層の進展につながることに期待を表明した。
 これに対し,韓国・中国の首脳からも日中韓サミットの開催について報告があったほか,ほとんどのASEAN各国首脳から,日中韓サミットの開催を歓迎し,今後の三か国協力の進展を期待する旨の発言があった。

2 ASEAN+3協力のレビューと将来の方向性

(1)総論

 安倍総理から,今回の首脳会議で,民間有識者である東アジア・ビジョン・グループ(EAVG)IIの報告書をフォローアップする最終報告書が採択されることに歓迎の意を示した上で,日本として,特に高等教育や公衆衛生の分野で協力を深化させていく旨述べ,来年以降の一層の協力拡大に期待を示した。これに対し,各国首脳からEAVGIIフォローアップ最終報告書を歓迎するとともに,各国の重点分野について紹介があった。

(2)経済

 安倍総理から,アジアが21世紀においても世界経済をけん引し続けられるよう,アジア発のイノベーションを促進したい,その基礎となるのが人材とインフラ,日本は,今後3年間で4万人のアジアの若者の,技能の向上や知識の習得を支援していく,安全で環境負荷の低い,質の高いインフラの整備に積極的に関与するため,リスクマネーを供給し,オペレーションにも参画していく,円借款の手続きに要する期間を最大で1年半短縮する旨述べた。
 また,安倍総理から,国際金融市場の変動が今後高まるリスクを踏まえ,金融セーフティ・ネットの強化の重要性を指摘した上で,域内においてもASEAN+3マクロ経済調査事務所(AMRO)とチェンマイ・イニシアティヴの機能充実が重要な課題である旨述べ,日本として,引き続き地域の金融セーフティ・ネット強化に貢献していく旨表明した。
 さらに,東アジア地域包括的経済連携(RCEP)については,包括的,かつ,高いレベルの合意としたい,早期の交渉完了に向けて,各国が緊密に協力していきたい旨述べた。また,気候変動問題を経済成長や貧困撲滅と両立した形で解決する鍵は,イノベーションであり,日本はその促進に主導的な役割を果たしていく旨述べた。
 これに対し,ASEAN側から,質の高いインフラパートナーシップに対する言及があったほか,多くの首脳から,金融セーフティ・ネット強化やRCEP交渉の重要性について言及があった。

(3)食料安全保障

 安倍総理から,本年,日本が実施したフィリピン及びカンボジアに対する米支援を紹介した上で,フード・バリュー・チェーンの構築のための官民連携協力を更に拡大する意向を表明した。また,安倍総理から日本産食品に対する原発関連の輸入規制の緩和・撤廃に向け,規制を維持している国に科学的根拠に基づき速やかな規制撤廃を求めた。

(4)人と人との連結性

 安倍総理から,域内の学生交流の促進,アジアの未来を担う科学技術人材育成のために青少年の日本への招へい・交流事業に取り組んでいる旨述べた。また,安倍総理は,観光協力について,2016年のASEAN+3観光大臣会合で覚書を署名予定であることに触れ,この覚書が観光協力の促進に寄与することに期待を示した。

3 地域・国際情勢

(1)北朝鮮

 安倍総理から,北朝鮮が引き続き挑発行動を自制し,国連安保理決議等を遵守することの重要性を指摘した。また,拉致問題の早期解決に向けて引き続き各国の理解と協力を求めた。
 これに対し,北朝鮮が核兵器開発を放棄するよう訴えるとともに,国際社会の協力を求める旨の発言があった。

(2)海洋安全保障

 安倍総理から,南シナ海で大規模かつ急速な埋立てや拠点構築,その軍事目的の利用等,現状を変更し,緊張を高める一方的行為が今なお継続している点を指摘し,このような状況に深刻な懸念を表明した。その上で,安倍総理は,開かれた自由で平和な海を守るため,国際社会が連携していくことが重要である,また,「海における法の支配の3原則」((ア)国家は国際法に基づいた主張をなすべし,(イ)主張を通すために力や威圧を用いない,(ウ)紛争解決には平和的収拾を徹底すべし)を徹底すべき旨強調した。
 これに対して,複数の国から,海洋協力の重要性,南シナ海の問題についての国際法に基づく平和的解決,航海・飛行の自由,行動規範(COC)作成の重要性等について指摘があった。

4 その他

 最後に,安倍総理から,明年,日本は,日中韓側の「調整国」として議長国ラオスと協力し,ASEAN+3の強化に尽力していきたい旨述べた。また,首脳会議終了後,ASEAN+3首脳と東アジア・ビジネス・カウンシル(EABC)との対話が開催された。


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