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人権・人道

B.第3条(児童の最善の利益)

(a)「児童の最善の利益」の原則の憲法及び関連国内法、規則への反映

102.児童福祉法第1条は、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、育成されるよう努めなければならない」と規定されているほか、同法第2条、3条及び母子保健法第3条等の法律等において各々児童の最善の利益を考慮することが前提とされている。
 また、1997年の児童福祉法の改正においては、下記のような改正が行われ、行政府が児童の最善の利益を一層考慮することとなった。

(1)児童相談所が施設入所などの措置を行う場合の専門性と客観性を高めるため、児童本人の意向を聴くことを明確化した。

(2)児童若しくはその保護者の意向が児童相談所の措置方針と一致しないとき、又は児童相談所が必要と認めるときには、医療や法律などの専門家からなる審議会の意見を聴くこととした。

(3)保育に関する情報の提供に基づき、保護者が希望する保育所を選択できる仕組みに改めた。
 さらに、児童福祉法においては、児童の最善の利益を確保するため、都道府県は家庭裁判所の承認を得て、児童を児童養護施設等へ入所させることができること、児童相談所長は、家庭裁判所に対し、親権者の親権を喪失させるよう請求できることが規定されている。

103.児童買春・児童ポルノ法1条は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利の擁護に資することを目的とする」と規定するとともに、同法は、捜査及び公判における配慮、児童に係る記事等の掲載等の禁止、心身に有害な影響を受けた児童の保護の規定等を設けている。

(b)「児童の最善の利益」の原則への考慮

児童福祉施設

104.児童福祉施設の設備及び運営についての基準については、厚生労働大臣が定める「児童福祉施設最低基準」(省令)により規定されており、児童福祉法に基づき、児童福祉施設の設置者はこれを遵守しなければならないこととなっている。
 児童福祉施設最低基準では、第1章総則で、児童福祉施設の構造設備の一般原則、非常災害、職員の一般的要件、衛生管理、給食、入所した者及び職員の健康診断等を規定するとともに、第2章から第11章までのそれぞれの児童福祉施設ごとに設備の基準、職員の数、資格等につき詳細に規定している。
 更に、都道府県知事は、最低基準を維持するため児童福祉施設の長に対して必要な報告を求め、定期的に施設に立ち入り、設備・運営等を検査でき、必要な改善を勧告し命令することができ、また、事業の停止を命令することができることとなっている。

新エンゼルプラン

105.パラグラフ34.参照。

家事審判

106.家事審判法1条及び家事審判規則1条は、各々児童の最善の利益を考慮することが前提とされている。家事審判は、これらの規定にしたがって行われており、児童の最善の利益が考慮されているといえる。

少年審判

107.少年法1条及び少年審判規則1条は、各々児童の最善の利益を考慮することが前提とされている。少年審判は、これらの規定にしたがって行われており、児童の最善の利益が考慮されているといえる。

矯正施設

108.上記のとおり、少年法第1条において児童の最善の利益を考慮することが前提とされている。矯正施設について詳細に述べれば以下のとおりである。
 少年鑑別所においては、少年を明るく静かな環境に置いて少年が安んじて審判を受けられるようにすることとされており(少年鑑別所処遇規則第2条)、少年院においては、少年の心身の発達程度を考慮して、明るい環境のもとに、心身ともに健全な少年の育成を期して処遇を行わなければならないとされており(少年院処遇規則第1条)、また、行刑施設では少年の心身の発達程度に応じて教育、職業訓練等を実施し、健全な少年の育成を図ることに配慮しており、それぞれの施設に収容された少年の処遇の目的に照らして少年にとって何を行うことが最も利益となるかを考慮しながら処遇を行っている。

養子縁組

109.我が国においては、未成年者を養子とする養子縁組としては、民法に基づく普通養子縁組及び特別養子縁組とがある。
 普通養子縁組は、養親と養子との間に嫡出子としての法定親子関係を生ぜしめる行為であるが、養子となるべき者が未成年者であるときは、原則として家庭裁判所の許可が縁組成立の要件とされ、養子となるべき未成年者が満15歳以上であれば,未成年者自身が当事者となり、満15歳未満であるときは、法定代理人が当事者となるが、家庭裁判所は、職権で、未成年者の意見を聴取することができる。この許可に当たっては、家庭裁判所は、養子縁組が未成年者の福祉に合致するかどうかという基準により判断している。
 また、特別養子縁組は、養親と養子との合意ではなく、養親となる者の請求に基づき、家庭裁判所の審判により成立することとされており、子となる者は原則として請求時に6歳未満の者に限り、特別養子縁組によって、養子と実方の父母及びその血族との親族関係が終了する。このことから、特別養子縁組の成立には、実父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であること等の事情があって、子の利益のために特に必要があると認められることを要し、また、父母が意思を表示することができない場合又は父母による虐待等、養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合を除いては、実父母の同意が要件とされる。
 以上のように、養子縁組に当たっては、養子となるべき未成年者の利益に最大限の考慮が払われている。

政策の立案・決定に際しての調査

110.国内の各種政策の立案・決定に当たり、児童の育成という施策分野の特質ゆえに、無作為抽出対照実験のような調査を行うことはできない場合が多いが、児童及び親や教師などの関係者の意識・生活の動向等について常に調査研究が行われ、また、人口、世帯、社会基盤など児童に密接にかかわる統計や指標も整備されていることから、これらが各種政策の立案・決定に積極的に活用されているものと理解している。
 なお、各種施策の立案・決定に当たっては、多くの場合、事前に審議会や研究会などにおいて、行政官以外の様々な分野の専門家が、豊富な統計・調査データ等を基に多角的な検討を行っており、こうした過程を通じて、施策対象となる児童の最善の利益が予め考慮されていると考える。

(c)児童の保護・養護の確保

111.第1回政府報告書パラグラフ55参照。

112.児童福祉法に基づき、保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を発見した者は、児童相談所等へ通告しなければならないこととなっている。児童相談所では、児童福祉法に基づき、保護者たる親権者又は後見人が著しくその監護を怠るなど、保護者に監護させることが著しく児童の福祉を害する場合には、当該児童を乳児院や児童養護施設等に入所させる等の措置をとることができる。なお、施設への入所措置等が保護者の意に反する場合は、家庭裁判所の承認を得た上でかかる措置をとることができることとされている。

113.児童相談所への児童虐待に係る相談件数が急増するなど、児童虐待に関する問題が深刻化していることから、児童虐待の防止等に関する法律が2000年11月に施行された。この法律に基づき児童虐待の早期発見・早期対応及び被虐待児童の保護等を促進する施策を一層推進している。

(d)第3条の3に基づきとられた措置

114.第1回政府報告書パラグラフ56参照。
 パラグラフ104.参照。

(e)「児童の最善の利益」の原則に係わる専門家に対する研修

115.パラグラフ44.から52.参照。

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