パスポート

米国査証(ビザ)制度の変更について

 2004年7月から、米国の非移民用査証(ビザ)申請・更新制度の一部が変更されました。つきましては、ビザを取得して米国に渡航することを予定されている方、米国滞在中であって近々ビザの更新を予定されている方は、以下に御留意の上、渡航・帰国などを計画されることをお勧めします。

 米国の出入国管理制度については、今後も種々の変更・改廃が見込まれます。同制度については、外務省としても必要な情報の提供に努めますが、何分にも米国の制度ですので、米国への渡航に際しては、米国大使館のウェブサイト(http://japanese.japan.usembassy.gov/ja/visas.html他のサイトヘ)、米国国務省のウェブサイト(http://www.state.gov/travel/他のサイトヘ)、又は米国国土安全保障省のウェブサイト(http://www.dhs.gov/index.shtm他のサイトヘ)等で常に最新情報を御確認ください。

 また、US-VISITプログラムにつきましては、同じく外務省ホームページ内のhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/us_visit.htmlにも情報が掲載されています。併せて御活用ください。

1.ビザ申請に伴う面接の対象の拡大と生体情報収集の開始

<措置概要>

◎2004年7月から、「公用(A)ビザ又は国際機関(G)ビザの申請者」及び「80歳以上又は13歳以下の申請者」を除くすべてのビザ申請者には、面接及び指紋情報の読み取りが義務づけられています。

新たに面接が必要になったのは、専門職(H-1b)及び企業内転勤(L)ビザ申請者、日本又は米国籍航空機の乗務員(D)ビザ申請者、ビザ更新希望者14歳~16歳及び60歳~79歳の申請者です。

(1)背景

(イ)面接対象の拡大:2003年8月1日以降、一部を除くすべての米国ビザ申請者は、米国大使館(東京)又は総領事館(大阪、那覇)において面接を義務づけられており、2004年7月には、この面接義務づけの対象がさらに拡大されました。

(ロ)ビザ申請者からの生体情報読み取り:米国国内法は、2004年10月26日以降に発給される米国ビザは生体情報を搭載しなければならないと規定しています。これに従って、在日米国公館(大使館、総領事館)においても、生体情報読み取り措置が開始されました

(2)面接及び生体情報読み取り措置の内容

(イ)ビザ申請者は、申請書類提出時に、在日米国公館の領事担当官により、本人確認や米国渡航目的等に関する面接を受けます。併せて、その際、申請者は、10本指の指紋をスキャナーで電子的に読み取られます(インクは使用しない)。(米国政府の説明によれば、この読み取りの所要時間は申請者1人につき30秒程度とのことです)。

(ロ)ビザ申請者の生体情報は、米国のデータベースに保管され、米国入国時の本人確認に使用されています。日本政府より、これらの個人情報の厳格な管理をたび重ねて求めてきたのに対し、米国政府は、これらの情報は「法律により機密扱いとされ、法執行機関(警察等)によるアクセス要求には厳しい法的規制が適用される」としています

(ハ)なお、日本に所在する米国の在外公館は、2004年2月から、インターネットでの面接予約システムを提供しています。このシステム上で予約すれば、ビザ申請者は、その居住地域を問わず、東京(大使館)又は大阪(総領事館)のいずれか希望する方で面接を受けることができます。また、併せて、以前は徴収していた面接予約手数料(以前は1,050円)が無料になりました。

(3)関連情報

 US-VISITプログラムは、2004年9月30日にその適用対象が拡大された結果、現在では、ビザを持って入国する者のみならず、短期観光客等ビザを免除されている入国者も含む原則すべての米国入国者が、米国入国時に指紋情報読み取りと顔写真撮影を行われています

2.米国内におけるビザ更新手続の中止

<措置概要>

◎2004年7月16日から、これまで行われていた「米国国務省へのパスポート郵送によるビザ更新手続」が中止されました。この結果、ビザ更新希望者は、いずれかの形でいったん米国外に出て更新手続をとらなければならなくなりました

(1)背景

(イ)米国政府は、すでに2002年9月1日に、在京米国大使館へのパスポート郵送によるビザ更新手続制度を中止しました。その結果、在米邦人がビザを更新する手続としては、国務省にパスポートを郵送するか、米国在外公館に出向いて更新するかのいずれかとなっていました。

(ロ)しかしながら、上記1.のとおり、ビザ更新申請者も面接及び生体情報読み取りを義務づけられることになりました。米国政府は、米国国内での面接及び生体情報読み取りは困難であるため、これを行わない方針としており、その結果、現在、ビザ更新申請者はいったん米国を出国し、米国在外公館で手続(面接と生体情報読み取りを含む)を行わなければならなくなっています。

(2)今回国務省での更新ができなくなるビザ

 通過(C)、商用(E)、一般労働者(H)、報道関係者(I)、企業内転勤(L)、専門家(O)、文化・芸能専門家(P)

(3)今後のビザ更新手続き

 現在米国に滞在中であり、今後ビザ更新を希望される方については、米国政府は、(a)大前提としていったん日本に帰国して日本に所在する米国在外公館で申請するか、その代替として(b)隣国(カナダ又はメキシコ)に赴いて隣国所在の米国在外公館において申請する、との選択肢を示しています(米国政府によれば、これら隣国公館もインターネットによる面接予約システムを導入済みとのことです)。ただし、米国政府は、すべての申請者がそれぞれの母国にいったん帰国した上で更新を申請することを推奨しています。

(4)日本政府の対応

 日本政府は、当措置が在米日本企業駐在員に与える影響を懸念しており、米国政府に対し、米国国務省でのビザ更新手続の復活を要望していく考えです。

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