
マラウイに対する無償資金協力(第二次ブワンジェバレー灌漑施設復旧計画)に関する書簡の交換について
平成20年6月18日
- 我が国政府は、マラウイ共和国政府に対し、「第二次ブワンジェバレー灌漑施設復旧計画」
(The Rehabilitation of the Bwanje Valley Irrigation System (Phase 2))の実施に資することを目的として、3,500万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月18日(水曜日)(現地時間、同日)、リロングウェ市において、我が方松本洋在マラウイ共和国臨時代理大使と先方チャールズ・ンチャチャ副財務大臣(Charles
T. Mchacha, Deputy Minister of Finance)との間で行われた。
- 本計画の概要は次の通りである。
(1)本計画の内容
- マラウイ農業食糧安全保障省が、「ブワンジェバレー灌漑施設復旧計画」において仮設建設した迂回水路で、大規模降雨により流出した土地の現状復帰の工事を行う計画の実施に必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- マラウイ政府は、貧困削減と食糧の安全保障を国の開発の重点分野とし、農業や灌漑開発の重要性を掲げている。特に、灌漑を通じた農業生産性の向上や、灌漑施設の復旧、建設等を農業分野の優先課題としている。
- マラウイ中部に位置するブワンジェバレー地域は、首都リロングウェから約80kmの距離にあり、本件計画の水源であるナミコクウェ川の利用により、農地活用の潜在性が高い地域である。しかし、2001年以降数年にわたり繰り返された洪水の結果、取水口や幹線用水路など、灌漑施設の基本的な施設が損傷を受け、灌漑機能が著しく低下した。このため、灌漑施設の復旧と、洪水に対する防災機能強化が課題となっており、マラウイ政府は自助努力での対応が困難であるため、我が国に対して無償資金協力を要請したものである。我が国は、同要請に応え、平成17年~19年度の無償資金協力事業として「ブワンジェバレー灌漑施設復旧計画」を実施した。
- 同計画による灌漑施設復旧はほぼ竣工したが、仮設施設として建設した迂回水路に於いて、昨平成19年12月の大降雨のために河岸が浸食され、原状復帰には追加的な工事が必要となった。マラウイ政府は、厳しい財政事情と、技術的に自力による本件工事の実施が困難であるため、我が国に対して無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- ブワンジェバレー灌漑施設復旧計画の完成により、約590ヘクタールの農地に所在する農家約2,000戸に安定的な灌漑用水が供給される。
- 灌漑施設の防災能力が強化されることにより、今後の洪水被災の危険性が軽減される。
(参考) マラウイは約12万平方キロメートルの国土を有し、人口は約1,320万人、一人当たりGNI(国民所得)は約170ドルである。