
アンゴラ共和国に対するユニセフ(国際連合児童基金)を通じた無償資金協力「アンゴラ共和国における小児感染症予防計画」に関する書簡の交換について
平成20年6月6日
- 我が国政府は、ユニセフ(国際連合児童基金)を通じた無償資金協力「アンゴラ共和国における小児感染症予防計画」(the
project for Infectious Diseases Prevention for Children in Angola)の実施に必要な資金として、4億4,900万円を供与額とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月6日(金曜日)(現地時間、同日)、同国の首都ルアンダにおいて、我が方柴田進駐アンゴラ国大使と先方ジェフリー・マーティン・ウィフィン国際連合児童基金アンゴラ事務所代表代理(Mr.
Geoffrey Martin Wiffin, Officer in Charge, United Nations Children's Fund
Angola)との間で行われた。
- 2.本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- アンゴラ保健省と協力しつつユニセフが行う、アンゴラ共和国における小児感染症予防計画の実施に必要な蚊帳及びポリオワクチン等の調達等のために必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- アンゴラは、長年にわたる内戦の影響により、保健医療事情がサブサハラ・アフリカの中でも劣悪な状況にあり、保健指標は乳児死亡率154/1,000出生、5歳未満児の死亡率260/1,000出生と、世界でも最悪な国の一つである。中でもマラリアは、主要疾患及び死亡の最大の原因となっており、また、近年はポリオの再発生も報告されている。
- このような状況に対応するため、アンゴラ国保健省は「国家マラリア戦略(2005-2010)」を作成し、年間112万件のマラリア罹患者数の引き下げのため、5歳未満の乳幼児及び妊産婦の80%が、殺虫剤塗布済みの蚊帳で安眠できること等の目標を掲げている。
- ポリオについては、2003年まで発生はゼロであったが、2005年には、インドからの野生株輸入とみられる9件、2006年には2件、2007年には10件のポリオ発生が報告されている。このため、アンゴラ政府は、ポリオ・ワクチンの全国一斉投与(NID)を実施している。
- しかしながら、アンゴラ政府がマラリア、ポリオ対策を負担できる部分は同国財政事情等により限られており、WHOやユニセフ等諸ドナーの援助に頼らざるを得ない状況となっている。このような状況のもと、アンゴラ政府は、マラリア対策のために必要な蚊帳、ポリオ・ワクチン等に必要な資金につき、ユニセフを通じてわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- ポリオ根絶に向けて、全国約610万人の児童への経口ポリオ・ワクチンの供与が可能となる。
- 大規模なマラリア流行の発生の恐れのある南部の州を対象として、妊産婦及び5歳未満の幼児を中心に約10万5千帳の蚊帳が供与されることにより、マラリアの発生、死亡率が低下することが期待される。
(参考) アンゴラの面積は約124.7万平方キロメートル、人口は約1,640万人、一人当たりGNI(国民所得)は約1,980ドル(2006世銀統計)である。