
アンゴラ共和国に対する無償資金協力(緊急港湾改修計画)に関する書簡の交換について
平成20年5月16日
- 我が国政府は、アンゴラ共和国政府に対し、「緊急港湾改修計画」(the project
for Emergency Rehabilitation of Port Facilities at the Port of Lobito and
the Port of Namibe )の実施に資することを目的として、39億3,200万円を限度額(2ヵ年に亘る国庫債務負担行為:平成20年度 7億7,600万円、平成21年度31億5,600万円)とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月16日(金)(現地時間、同日)、ルアンダ市において、我が方柴田進駐アンゴラ国大使と先方イレーネ・アレシャンドラ・ダ・シルバ・ネト外務副大臣(Ms.
Irene Alexandra da Silva Neto, Vice Minister of External Relations of the
Republic of Angola)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- アンゴラ交通省が、同国の主要港であるロビト港及びナミベ港の港湾施設のうち、特に使用頻度が高く、かつ損傷の大きく、緊急性が高い部分の改修及び整備を行う計画を実施するための資金を供与する。なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は本年1月15日に行われている。
(2)本計画の必要性
- アンゴラは、長年にわたる内戦の影響により港湾施設は劣悪な状況にあるが、同国では穀物や建築資材等の多くを国外からの輸入に頼っている中で、この状況は、同国が経済復興・開発を進める上で大きな妨げとなっている。このため、アンゴラ政府は、その復興計画である「優先復興プログラム」の中で、主要港湾等の交通インフラ整備を重要課題として位置づけている。
- 同計画に基づき、我が国はアンゴラの主要港の緊急復興計画策定のため開発調査「緊急港湾復興計画調査」(2005~2006年)を実施した。その結果、老朽化の著しいアンゴラ第2の規模を持つロビト港及びナミベ港の緊急的な復旧の必要性が確認された。
- しかし、アンゴラ政府は厳しい財政事情等により自ら対応できる部分は限られているため、両港の港湾施設のうち特に使用頻度が高くかつ損傷の大きい接岸部(バース)及び荷役場(ヤード)部分の改修計画のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 特に、ロビト港は内陸国であるコンゴ(民)、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナの4ヵ国の西の玄関として機能することからNEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)のインフラ整備計画に位置づけられるなど、両港の整備は南部アフリカ地域の開発にとって重要なものとされている。
(3)本計画の効果
- 本計画対象港湾施設の整備により、ロビト、ナミベ両港の荷役安全性が確保されるとともに、荷役作業の効率性が改善される。また、港湾施設としての機能回復により、物資輸送が確保され、物流コストが軽減されることにより、アンゴラの経済活動の活性化と、貧困の削減に寄与することが期待される。
(参考) アンゴラの面積は約124.7万平方キロメートル、人口は約1,640万人、一人当たりGNI(国民所得)は約1,980ドル(2006世銀統計)である。