4月11日(金曜日)、外務省飯倉別館において、日本側から佐々江賢一郎外務審議官、中島明彦防衛省大臣官房審議官他、ロシア側よりキスリャク露外務次官、ニキーシン国防省国際軍事協力総局国際条約局長代理他の参加を得て、日露安保協議が行われたところ、概要以下のとおり。
(1)日本側から、現在のアジア太平洋地域の安全保障環境について、依然として冷戦時代の残滓が存在しており、地域の不安定性につながる要因について我が方の考え方を説明した。また、ロシアがこの地域の関心を深めていることを歓迎し、日本としてはこの地域における安全保障環境の改善のため引き続きロシアと協力していきたい旨述べた。
(2)ロシア側は、冷戦思考はむしろ欧州地域に強い、アジア太平洋地域の最大の挑戦は、不拡散、テロ等「新たな脅威」に起因しており、これに対処するためにはこの地域においても、情報交換に加え、実務的協力を更に強化する必要がある旨述べた。
(1)北朝鮮
(イ)日本側から、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、日朝国交正常化を引き続き目指していく、ロシアの協力をお願いしたい旨述べた。
(ロ)ロシア側は、北朝鮮問題については、政治的、外交的努力で解決すべきであり、この問題の解決に向けた日本と中国の役割を評価する旨述べた。
(2)イランの核問題
(イ)日本側から、イランの核問題に対する懸念を表明しつつ、G8議長国としての立場、またイランとの伝統的な関係とチャネルを活かし、問題解決に尽力したい旨述べた。
(ロ)ロシア側は、イランは、安保理決議1803やEU3+3外相声明の発出後も引き続き多くの問題を抱えており、その解決は困難である、関係国が働きかけを続けていく必要がある旨述べた。
(1)日本側から、日・NATO関係の現状を説明しつつ、具体的な協力の例として対アフガニスタン無償資金協力について説明した。
(2)ロシア側からは、NATOとロシアとの関係の現状について、ロシアは独立のプレーヤーとしてNATOとの協力関係を構築しようとしているが、現状においては、特に、NATO拡大のプロセスが旧ソ連地域構成国を視野に入れつつあり、難しい問題を抱えているとの認識を表明した。
(3)また、ロシア側は、ソチで合意された米露間の戦略文書について、米露関係が、多面的な関係であることを示すとともに、困難な問題も存在していることを率直に認めた良い文書であると評価した。
ロシア側から、日米のMD協力の現状について照会があり、日本側から、日米共同研究・共同開発について説明するとともに、我が国のBMDは純粋に防御的なものであり、周辺諸国に脅威を与えるものではないこと、我が国自身の主体的判断に基づいて運用するものであること等を説明した。
G8サミットにおいても不拡散問題を取り上げていくことで一致し、原子力の平和利用と不拡散の両立について踏み込んだ議論が行われた。
双方は、本件協議を定期的に開催することが重要であるとの認識で一致し、今後調整していくこととなった。