報道発表

コートジボワール、シエラレオネ、リベリアに対する国連開発計画を通じた無償資金協力「西アフリカ諸国経済共同体諸国の小型武器管理計画」に関する書簡の交換

平成20年2月18日
  1. 我が国政府は、国連開発計画(UNDP)等が行う「西アフリカ諸国経済共同体)諸国の小型武器管理計画(Economic Community of West African States (ECOWAS) Small Arms Control Programme)の実施のため、3億3,500万円の紛争予防・平和構築無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月16日(土曜日)(現地時間、15日)、ニューヨークの国連本部において、我が方高須幸雄駐国連代表部大使と先方ジルベール・ホンボUNDP総裁補、アフリカ局長(Mr. Gilbert Houngbo, Assistant Administrator and Director, Regional Bureau for Africa)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次の通りである。
  3. (1)本計画の内容

     ECOWAS諸国での小型武器の管理のため、UNDPが武器の登録や管理を行う各国国内委員会の設立、運営、また国境を越えた西アフリカ地域協力を行う計画の内、コートジボワール、シエラレオネ、リベリアでの事業を行うための資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

    • 西アフリカ地域では紛争が多発し、1960年代から90年の間に発生したクーデタによる政権転覆全72件のうち、37件が同地域で発生している。コートジボワールとリベリアには現在も国連平和維持部隊が展開し、シエラレオネが国連平和構築委員会(PBC)の国別対象国に選定されるなど、西アフリカ地域の平和と安定は国際社会の重大な関心事である。
    • 西アフリカ地域に蔓延する小型武器は800万以上(UNDPの推計)と言われ、各国政府の国境及び国内の管理能力の不足から、国境を越えた違法な流通が常態化している。政情が不安定な国の多い西アフリカ地域では、一国で紛争が終結した後、近隣国に小型武器が循環する「紛争の連鎖」が起きている。こうした紛争の連鎖を断ち切るためには、各国内の小型武器管理能力の強化と、地域的な協力体制の構築が不可欠である。
    • このような状況の下、ECOWAS諸国及びUNDPは、域内の各国内及び地域的な小型武器対策計画を策定した。本件は、同計画に基づき、我が国に対し紛争予防・平和構築無償資金協力の要請があったものである。

    (3)本計画の効果

     この計画の実施により、対象となる三国にて小型武器対策を担う政府組織が整備され、人口約2,700万人を対象とする一般市民に対する啓蒙活動が実施される。これにより、平和構築の過程にある西アフリカ地域における小型武器の蔓延状況を改善し、平和の定着を脅かす非合法な暴力の防止に寄与することが期待される。

    (参考)  コートジボワール共和国、シエラレオネ共和国、リベリア共和国はアフリカ西部に位置する。コートジボワールの国土は約32.2万平方キロメートル、人口は約1,850万人、一人当たりGNI(国民所得)は約870米ドル、シエラレオネは面積約7.1万平方キロメートル、人口約580万人、一人あたりGNIは約240米ドル、リベリアは面積約11.1万平方キロメートル、人口約350万人、一人あたりGNIは約140米ドルである。

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