報道発表

ウクライナに対する無償資金協力「小児病院医療機材整備計画(2/2)」に関する書簡の交換ついて

平成20年2月12日
  1. 我が国政府は、ウクライナ政府に対し、「小児病院医療機材整備計画(2/2)」(The Project for Improvement of Medical Equipment for Children’s Hospitals )の実施に資することを目的として、4億8,500万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が2月12日(火曜日)(現地時間、同日)、同国の首都キエフ市において、我が方馬渕睦夫駐ウクライナ国大使と先方ボフダン・ダニリシン経済大臣(H.E. Mr.Bohdan DANYLYSHYN, Minister of Economy of Ukraine)との間で行われた。
  2. 計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容

    • ウクライナ保健省が、同国中東部の5州(ハリコフ、ドネプロペトロフスク、クロヴォグラード、ドネツク、ルガンスク)に位置する各州立小児病院の保健医療サービス機能回復のための医療機材(手術台、保育器、X線診断装置、患者監視装置、超音波診断装置等)を整備するための資金を供与する。第2期では、ハリコフ州立小児病院、ドネプロペトロフスク州立小児病院、ドネツク州立小児病院を対象としている。

    (2)本計画の必要性

    • ウクライナ政府は、乳幼児の健康確保を同国の保健医療及び社会経済上の重要課題としており、小児医療を強化する方針を示している。同国政府は、まず旧ソ連時代のシステムから脱却すべく、組織や人員の合理化や業務の効率化等により運営体制の改善を進めつつも、医療機材や施設の整備など多額の予算を必要とするハード面の取組は遅れており、保健医療サービスの低下が著しい。
    • 特に、医療機材については、長年に亘り更新や補充が行われておらず、旧ソ連時代に製造されてから10年から30年以上が経過し、耐用年数をはるかに越えた機材や他国からの中古機材にて診断・治療活動を続けている状況にある。近年、現有機材の老朽化、損傷や不足が顕著で一般的になっており、病院の診断・治療能力は低下し、老朽化した現有機材の修理等の財政負担も増えている。特に各州内のトップレファラル小児病院と位置づけられる州立小児病院においては、現有機材では州内の下位の小児医療施設からの転送患者への対応が困難となっており、そのため小児患者が周辺の成人病院や首都まで1日がかりで転送され、患者への負担や転送先の病院の負担が大きくなっている。
    • このような状況の下、同国政府は、同国中東部の5州(ハリコフ、ドネプロペトロフスク、クロヴォグラード、ドネツク、ルガンスク)の州立小児病院の保健医療サービス機能回復のための医療機材を整備するために必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    • 本計画の実施により、各州内のトップレファラルである小児医療サービスの機能が回復し、より正確な診断と適切な治療が可能となり、各州における小児医療サービスが質・量ともに向上する。

(参考) ウクライナは、東欧に位置し、ロシアおよびポーランド等と国境を接し、人口は約4,660万人(2006年:世銀)、一人当たりGNI(国民所得)は約1,950米ドル(2006年:世銀)の国である。

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