報道発表

シエラレオネ共和国に対する無償資金協力「フリータウン電力供給システム 緊急改善計画(第2期)(詳細設計)」に関する書簡の交換について

平成20年1月15日
  1. 我が国政府は、シエラレオネ共和国政府に対し、「フリータウン電力供給システム緊急改善計画(第2期)(詳細設計)」(the project for Urgent Improvement of Electric Power Supply System in Freetown)の実施に資することを目的として、1,800万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月15日(火曜日)(現地時間、同日)、ガーナの首都アクラにおいて、我が方石川正紀駐シエラレオネ国大使(ガーナにて兼轄)と先方ナスラサ・バキー・レモエ=ドハーティ在ガーナ シエラレオネ臨時代理大使(Mrs. Nasratha Bakie REMOE-DOHERTY, Charge d’Affaires a.i. of the High Commission)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容

    • シエラレオネ共和国エネルギー電力省が同国の首都フリータウン市及び周辺地域に安定した電力供給を行うため、キングトム発電所発電設備増設(ディーゼル発電機5MW、2台)及び同発電所発電建屋建設を実施するための資金を供与する。今回の書簡の交換は、本計画のうち詳細設計に係る部分について行われる。

    (2)本計画の必要性

    • シエラレオネ共和国は、1991年より2002年の内戦終結宣言に至るまで断続的に続いた内戦により、鉱物・農産物の荒廃や経済の破綻を招き、国民の多くが難民及び国内避難民となった。電力供給設備も壊滅的な打撃を受け、首都フリータウン市及び周辺地域へ電力供給を行っているキングトム発電所の設備は老朽化と頻発する故障により、現在運転可能な電力設備は7台のうち2台のみであり、発電可能容量は僅か約7MW程度、また、配電設備の損傷、老朽化等により配電損失が約40%以上となっている。
    • このような電力事情は、フリータウン市及び周辺地域の電力需要を賄うには発電容量及び配電容量とも極めて脆弱な状態であり、計画停電の日常化と一般家庭ではほとんど電力供給を受けられない状態(1週間に1日、数時間程度の電力供給)が続いている。
    • 同国では2003年に策定した国家長期計画「VISION 2025」のエネルギー分野において、「シエラレオネ電力公社(NPA)の電力供給設備・系統の維持管理及び修復」を定めて計画達成を目指している。同計画に基づき、シエラレオネ政府はフリータウンの首都機能の維持及び周辺地域に対して安定した電力供給を行うために必要な施設整備及び増強について、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    • 本計画(第2期)の実施により、キングトム発電所の発電設備容量が10MW増加する。
    • フリータウンに対する総電力供給力がピーク時の負荷(45MW)を上回り、現在の停電状況が改善する。
    • フリータウンに安定した電力が供給可能となり、経済・産業活動等の活性化が図られる。

(参考)  シエラレオネ共和国は、大西洋に面するアフリカ西部に位置し、面積約7.17万平方キロメートル、人口約580万人(2007年)、1人あたりのGNI(国民総所得)約240米ドル(2006年)である。

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