
スーダン共和国に対するユニセフ(国際連合児童基金)を通じた無償資金協力(スーダン共和国における「小児感染症予防計画」)に関する署名の交換について
平成19年8月28日
- 我が国政府は、スーダン政府に対し、ユニセフ(国際連合児童基金)を通じ、5億9,600万円を供与額とするスーダン共和国における「小児感染症予防計画」に対する無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月28日(火曜日)(現地時間、同日)、ハルツーム市において、我が方石井祐一駐スーダン国大使と先方エドワード・チャイバン国際連合児童基金スーダン事務所代表(Mr.
Edward Chaiban, Representative, the United Nations Children's Fund in the
Republic of the Sudan)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- スーダン保健省が、ユニセフの支援のもと、マラリア対策の実施に必要な蚊帳(約33.5万帳)、及びマラリア治療薬(約30万回分)、並びに感染症対策の実施に必要な予防接種用ワクチン(破傷風、BCG、3種混合、ポリオ、麻疹)、及び一次医療キットを調達するため資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- スーダンは2005年1月に内戦の終結を迎えたものの、20年にわたる内戦は、経済状況の悪化を招き、住民の基礎生活に大きな影響を及ぼした。特に、保健・医療分野は重要と認識されつつも、予算及び機材等の不足により、十分なサービスを提供できる状況にない。更に、内戦の結果、国民の約7分の1にあたる460万人以上が国内避難民として劣悪な環境下での生活を強いられており、避難キャンプでは都市部と比較して更に悲惨な衛生状況にある。
- さらに、スーダン西部のダルフール地域では、アラブ系遊牧民とアフリカ系定住農耕民との間の部族紛争が拡大しており、アラブ系民兵組織(ジャンジャウィード)が地域住民等に非人道的行為を繰り返し、現在までに約20万人が殺害され、難民・国内避難民が約200~250万人発生しているといわれ、人道上の危機が懸念されている。
- このため、スーダンの保健指標は劣悪であり、乳幼児死亡率は深刻な状況である。このような状況のもと、スーダン政府とユニセフは、マラリア対策に必要な蚊帳や、予防接種体制の充実させるためのワクチン及び機材等の調達に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 対象地域の5歳未満児517,500人に対するポリオワクチンの供与により、スーダン全土におけるポリオ感染ゼロを維持する。
- 5歳未満児乳幼児及び妊産婦に対する通常予防接種のサービスを実施する。
- 北部1州、南部6州に対し、長期残効性蚊帳を配布することにより、67万人の子供及び33.5万人の妊婦をマラリアのリスクから守る。
- 北スーダンの390万人(子供100万人、妊産婦20万を含む)に対し、プライマリー・ヘルスケアへのアクセスを改善する。