報道発表

モーリタニア・イスラム共和国に対する無償資金協力(ヌアクショット・ヌアディブ小中学校建設計画(第3期))に関する書簡の交換について

平成19年8月9日

(写真) (写真)

  1. 我が国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「ヌアクショット・ヌアディブ小中学校建設計画(第3期)」(projet de construction de salles de classe des enseignements fondamental et secondaire de base dans les villes de Nouakchott et Nouadhibou)の実施に資することを目的として、6億2,000万円を限度額とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月9日(木曜日)、東京において、我が方麻生太郎外務大臣と先方モハメド・サレック・ウルド・モハメド・レミン外務・協力大臣(S.E.M. Mohamed Saleck Ould Mohamed Lemine, Ministre des Affaires Etrangères et de la Coopération)との間で行われた。
     
  2. 本計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容

    モーリタニア・イスラム共和国の首都ヌアクショットと第二の都市ヌアディブの小学校45校292教室及び中学校6校57教室の合計51校349教室の建設並びに机・椅子等の整備に必要な資金を供与する。このうち、第3期では、ヌアディブの小学校10校50教室及び中学校1校9教室の建設並びに机・椅子等の整備に必要な資金を供与する。

     

    (2)本計画の必要性

    ・モーリタニアは、2000年に策定した「貧困削減戦略文書(PRSP)」(2000~2015年)において、「人的資源の開発と基礎的インフラ・サービスの普及」等の4つのテーマを定め、その中で教育を重点開発分野の1つと定めている。また、PRSPを基にした「教育セクター開発プログラム」(2001~2010年)では、初等教育及び前期中等教育(中学校)の教室の過密状態解消を重要課題として、教員1人あたりの生徒数の低減、教育へのアクセス改善等を目標としている。

    ・本計画の対象地域である首都ヌアクショットと第二の都市ヌアディブでは、地方からの人口流入が著しいため、急増する就学人口に教室建設が追いつかず、極めて過密な状態での授業を余儀なくされている。

    ・このような教育事情の下、モーリタニア政府は、教室の過密状態の緩和と教育へのアクセス改善を図り、学習環境を改善することを目的として、首都ヌアクショットと第二の都市ヌアディブの小中学校建設に必要な資金とともに学習機材等を調達するために必要な資金について、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

     

    (3)本計画の効果

    ・本計画の実施により、教室の極端な過密状態が緩和され(小学校では1教室当たり生徒数が83名から57名に、中学校では1教室当たり69名から57名に緩和)、学習環境が改善される。

    ・二部制・二校制(1つの学校施設を2つの学校で共用し、午前と午後で別の学校として授業を実施する制度)が全て解消され、正規の授業時間が確保されるとともに、学習効率が向上する。

    ・中学校の受け入れ能力が著しく低い地域において中学校の整備が行われることにより、進学希望を有する中学生のニーズに応えることができ、アクセスの改善が図られる(十数キロ離れた中学校へのバス通学から徒歩通学に改善される)。

 

 (参考)
モーリタニア・イスラム共和国は、大西洋に面するアフリカ西部に位置し、面積約103万平方キロメートル、人口320万人(2005年)、1人当たりのGNI(国民総所得)560米ドル(2005年)である。

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