(1)本計画の内容
ガーナ保健省がユニセフの支援のもと、マラリア対策の実施に必要な蚊帳(約13万5,000帳)等のための資金を供与する。
(2)本計画の必要性
現在、ガーナにおいて、最上位計画として2020年を目途に中所得国入りを目指す「Vision 2020」が策定されており、人材開発、経済発展、地方開発等が重点項目となっている。「Vision 2020」の中では、人材開発の一環として保健医療分野が重点分野にあげられている。保健分野での「5ヵ年計画(2002~2006)」では、HIV/AIDSへの取り組み、施設主体のサービスから地域中心のサービスへの転換、予防接種・母子保健サービスの増強、マラリア・結核対策等を重点項目に掲げている。更に、保健セクターにおいてセクタープログラムを推進し、地方分権化を前提に、保健サービスの改善に取り組んでいる。
マラリアに関しては、ガーナ政府は2000年に「国家マラリア対策計画」を策定しており、保健システムを強化することで、効果的な予防・治療をより多くの人に供給することを目的としている。また、2010年までに、マラリアの感染数を半減させることを目標とし、小目標としては、LLITNs(長期残効薬型防虫蚊帳)を使用する妊産婦と5歳未満児の割合を、70%に増加することなどを掲げている。ガーナ政府は上記目標を達成すべく、ドナーの支援を仰ぎつつ長期残効薬型の蚊帳の普及を含むマラリア対策に取り組んでいるが、依然としてマラリアは子どもの死亡原因の第1位(死亡原因の約2割)であり、必要量の蚊帳も確保できている状況にはない。特に、本計画要請の4州(中央、北部、北東部、北西部州)は、ガーナにおいても5歳未満児死亡率、発育不全児数が高い州であり、緊急の対応が求められている。
このような状況のもと、ガーナ政府及びガーナUNICEF事務所は、小児感染症予防計画を策定し、当計画に必要な資金につき、我が国に対して、無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
5歳未満児死亡率の高い4州(中央、北部、北東部、北西部州)において、蚊帳約13万5千帳の供与を行うことにより、蚊帳の下で眠ることの出来る5歳未満児や妊産婦の割合が、現在の30%から40%に向上する。
(参考) ガーナ共和国は、日本の約3分の2の面積(238,537k㎡)、人口は約2,260万人、一人当たりGNI(国民所得)は約450ドルである。