報道発表

人間の安全保障基金による「ロキチョキオ、カクマ、ダダーブにおけるホスト・コミュニティ・プロジェクト」支援について

平成19年7月20日
  1. 我が国政府及び国連は、7月20日(金曜日)、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)及び国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がケニア共和国において実施する「ロキチョキオ、カクマ、ダダーブにおけるホスト・コミュニティ・プロジェクト」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、207万3200.48ドル(約2億4,049万円)の支援を行うことを決定した。
     
  2. 1990年代初頭よりソマリア、エチオピア、スーダンにおける内戦により多数の難民がケニアに流入し、最近のソマリアからの難民流入も含めるとその数は3万2,000にも上るといわれている。ケニア北西部(ロキチョキオ、カクマ)及び北東部(ダダーブ)の受入地域は、難民の流入に加え、貧困の広がり、厳しい気候条件、小型武器の流入及び教育機会の欠如等の慢性的な課題に直面してきた。また、生活水準の格差の顕在化は受入地域と難民の間の緊張を高めてきた。本プロジェクトは、カクマ、ロキチョキオ、ダダーブ地区のコミュニティにいる脆弱な人々の生活環境の改善と、緊張関係の緩和を目指すものである。主な活動は以下の通り。

    (1)衛星ラジオ番組や啓発活動の導入により平和を定着させるためのコミュニティ内のパートナーシップと能力強化の推進。
  3. (2)貯水池建設や家畜の水飲み場の設置による清潔、安全且つ持続的な家庭や学校向けの水供給システムの利用の増進。

    (3)学校給食の提供、巡回教室、女児教育に関する意識喚起による女児の就学率の促進。

    (4)食糧及び水資源の供給を確保するために環境保全、水資源の保全及び管理、衛生状態の改善を伴う統合化された農業活動の推進を図ること。

  1. 本プロジェクトの実施により、上記のケニアの対象コミュニティにおいて、受入地域と難民の間の平和的な共存と発展のためのパートナーシップが確立されることが期待される。

 

 (参考)

人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の170件以上のプロジェクトを支援してきている。

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