報道発表

コンゴ民主共和国に対する無償資金協力(小児感染症予防計画)に関する書簡の交換について

平成19年6月4日

  1. 我が国政府は、コンゴ民主共和国政府に対し、「小児感染症予防計画」 (The Project for Infectious Diseases Prevention for Children in the Democratic Republic of the Congo)の実施に資することを目的として、1億5,100万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月4日(月曜日)(現地時間、同日)、同国の首都キンシャサにおいて、我が方柳谷俊範駐コンゴ民主共和国大使と先方アンソニー・ブルームベルグ在コンゴ民主共和国・国連児童基金代表(Mr. Anthony Bloomberg, Representative of the United Nations Children’s Fund (UNICEF) in the Democratic Republic of the Congo)との間で行われた。

  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

    ・コンゴ民主共和国政府保健省が、ユニセフと協力し、同国赤道州の5歳未満児225万人を対象にポリオ・ワクチンを接種し、またマラリア対策のため同国東キブ州の5才未満児や妊産婦に防虫蚊帳9万張を供与するための資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

    ・熱帯気候に属するコンゴ民主共和国では、紛争、経済の疲弊などから保健医療事情は深刻な状況にあり、5才未満児の死亡率は1,000人当たり205人、乳幼児(1才未満児)死亡率は同129人と世界でも最も高い水準にある。同国は、かつてポリオの多数発生国だったが、ポリオ・ワクチンの全国一斉投与計画を実施し、2000年以降ポリオ野生株が見られなかった。しかし2006年から2007年に再度発生し、対策強化の必要性が明らかとなった。また、マラリア、麻疹等の小児感染症が多発し、特にマラリアは死亡原因の第一位であり、年間約2万人の5才未満児が犠牲となっている。

    ・このような状況から、コンゴ民主共和国政府及びユニセフは、ミレニアム開発目標の一つである5才未満児の死亡率削減について、2015年までに3分の2の減少を目指し、予防接種の実施や、マラリア防止のための防虫蚊帳配布事業を推進している。しかし、同国の財政事情は厳しく、我が国に対しポリオ・ワクチン及びマラリア対策の防虫蚊帳の調達に必要な資金につき、無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    ・本計画の実施により、同国赤道州の5歳未満児を中心とする約225万人の児童にポリオのワクチン接種を行い、同州のポリオ発生が防止され、また防虫蚊帳の供与により、同国東キブ州の5才未満児や妊産婦が生活する約9万世帯でマラリア感染の予防が見込まれている。

 

(参考)コンゴ民主共和国はアフリカ中央部に位置し、面積は約234.5万平方キロ(日本の約6倍)、人口は約5,750万人、一人当たりGNI(国民所得)は約120米ドルである。

 

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