
シエラレオネ共和国に対するユニセフ(国連児童基金)を通じた無償資金協力(シエラレオネ共和国における感染症予防計画)に関する書簡の交換について
平成19年11月28日
- 我が国政府は、「シエラレオネ共和国における感染症予防計画」(the project
for Infectious Diseases Prevention in the Republic of Sierra Leone)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し、2億5,800万円を供与額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、11月28日(水曜日)(現地時間、同日)、同国の首都フリータウンにおいて、我が方石川正紀駐シエラレオネ国大使(ガーナにて兼轄)と先方ゲールト・カッペラエレ、ユニセフ・シエラレオネ事務所代表(Mr.
Geert Cappelaere, UNICEF Representative to Sierra Leone)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- シエラレオネ保健衛生省がユニセフと協力して、マラリアや急性呼吸器疾患等の感染症予防対策を実施するための資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- シエラレオネでは、1991年より2002年の内戦終結宣言に至るまで断続的に続いた内戦により、保健システムは深刻な影響を受けた。このため、保健衛生指標は著しく悪く、乳幼児死亡率1,000人中158人、5歳未満児の死亡率1,000人中267人は世界で最も高く、妊産婦死亡率も10万人中1,077人の状況である。また、マラリア、下痢、急性呼吸器疾患、はしか及び新生児破傷風等のワクチン予防可能疾患は5歳未満児の罹患率及び死亡率の主な原因となっている。
- 同国は、子どもと母親の死亡率低下に高いプライオリティを置いており、感染症を克服するため他ドナーや国際機関の支援を受けて子どもの生存と発達に関し国家戦略計画を策定している。
- このような状況から、シエラレオネ政府はユニセフと共同で、内戦により深刻なダメージを受けた内陸部の国境に位置する6県(ボンバリ、コナイドゥグ、コノ、カイフラン、ケネマ及びプジェフン)を対象として、1歳未満児と妊産婦に対して長期残効型殺虫剤処理蚊帳の配布、5歳未満児及び妊産婦に対して抗マラリア薬の投与、並びに全国の1歳未満児を対象として結核予防ワクチンの接種を実施するために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 本計画の実施により、シエラレオネ全国の1歳未満児の80%(17万2,929人)に対して結核予防ワクチンの接種が可能となり、対象6県の1歳未満児の75%(6万8,214人)及び妊産婦の90%(10万2,322人)に対して長期残効型殺虫剤処理蚊帳の配布が可能となる。
- なお、今回の協力は、アフリカにおけるマラリア対策のために我が国が表明した1,000万張の蚊帳の供与の一環として実施するものである。また、昨年5月にエチオピアのAU本部において小泉純一郎総理大臣(当時)がアフリカ政策演説において表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。
(参考) シエラレオネ国は、面積約7.17万平方キロメートル、人口580万人(平成19年)、人口1人当たりのGNI約240米ドル(平成18年)である。