
キリバス共和国の「南タラワ水産業関連道路整備計画」に対する無償資金協力について
平成19年1月24日
- 我が国政府は、キリバス政府に対し、「南タラワ水産業関連道路整備計画」(the project for Improvement of Fisheries-related Roads in South Tarawa)」の実施に資することを目的として、総額12億8,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月24日(水曜日)、タラワにおいて、我が方滑川雅士駐キリバス大使(フィジーにて兼轄)と先方エリオット・アリ外務次官(Hon. Elliot Ali, The Secretary for Foreign Affairs and Immigration)との間で行われた。
- キリバス南タラワにおいては、全世帯のおよそ75%が漁業活動を行っており、水産業は重要な産業である他、水産物は重要な動物性タンパク質を供給していることからも、水産業は同国経済及び国民生活に密接な関係を有している。同地区の道路交通インフラについては、同国に鉄道等の移動手段もないことから、島民の生活や一般の経済活動はもちろん、ベシオ港に隣接する総合水産会社から大口消費施設(学校、病院等)への漁獲物の配送等、水産物流通や漁業者の移動に重要な役割を果たしている。他方、南タラワの道路は1960~1970年代に整備されたため、老朽化が進んでいるとともに、大型車交通が年平均10%強の割合で増加していることにより損傷が拡大している。さらに、排水構造物が敷設されていないため、降雨時の冠水等により道路の基盤が痛んでいる状況である。このため、路面状況が悪いことから走行性が低下し、水産物の荷痛みや輸送時間の増加・交通事故の発生などの問題が生じている。
このような背景のもと、キリバス政府は、南タラワの交通・流通が活性化されることによる水産業の振興を目的として、同国ベシオ地区・バイリキ地区・ビケニベウ地区の一部の道路(合計約10.6キロメートル)の改修(舗装補修、排水施設整備等)、機材供与を内容とした「南タラワ水産業関連道路整備計画」を策定し、我が国に対し無償資金協力を要請したものである。
- この計画の実施により、主要道路の走行性が改善されることによる移動時間短縮、道路の改修及び歩道設置による歩行者や路肩で販売する漁民との接触事故の減少、魚の輸送効率が向上し鮮度低下による商品価値の減少が無くなることが期待される。
(参考)キリバス共和国は赤道と日付変更線の交点を中心に、ギルバート、フェニックス、ラインの各諸島からなる島嶼国で、面積は約730平方キロメートル(対馬程度)、人口は約9万人である。