
ボリビアに対する無償資金協力について
平成19年1月17日
- 我が国政府は、ボリビア共和国政府に対し、「地方道路拡充機材整備計画(proyecto de Equipamiento para la Ampliación de los Caminos Locales)」の実施に資することを目的として、9億円を限度とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月16日(火曜日)、ボリビアの首都ラパスにおいて、白川光徳駐ボリビア大使とダビッド・チョケワンカ・セスペデス外務・宗務大臣(David Choquehuanca Céspedes, Ministro de Relaciones Exteriores y Cultos de la República de Bolivia)との間で行われた。
- ボリビアは南米における最貧国であり、起伏の激しい地形的制約のため、道路の総距離は、約6万キロメートルに過ぎず、道路密度は平方キロメートル当たり0.054キロメートルと近隣諸国と比較しても道路整備が極めて遅れている。特に地方の農村部においては、雨季には道路がぬかるみ、車両通行が不能となるため、各村落は孤立し、農畜産物の輸送ができなくなるのみならず、学校や保健センターへの社会サービス等のアクセスが困難となり、人々の社会生活に支障を来たしている。
ボリビア政府は、2001年に貧困削減戦略文書を策定し、零細農民の収益拡大、生活レベルの向上を狙いとして、地方農村の道路整備を重点施策として位置づけ、地方道路の整備に努めている。
特に、ボリビアの中で人口が多く貧困率が多いラパス、サンタクルス、ポトシ県において、地方道路整備3ヵ年計画(2008~2010年で新道建設75.0キロメートル、拡幅1317.5キロメートル、砂利道舗装への改良487.6キロメートル、簡易アスファルト舗装への改良138.0キロメートルを行うもの)を策定し地方道路の整備を行うこととしているが、道路建設機材の不足により十分な整備が進められない状況となっている。
このような状況の下、ボリビア政府は、上記計画を実施するために必要な道路建設機材のうち、現有機材では不足しているものを整備するために必要な資金につき、我が国に無償資金協力を要請したものである。
- 本計画の実施により、道路建設機材が整備されることにより、現有機材と併せて2008年から3年間で地方道路整備3ヵ年計画が実施されることにより、ラパス、サンタクルス、ポトシ県内の合計2,018キロメートルの地方道路が新設されたり、砂利道舗装道路等に改良される。また、これらの道路により、農民が生産物を効率良く、安定して消費地に輸送可能となり、雨季であっても学校、保健センター等へのアクセスが可能となることから、住民の生活レベルの向上が図られる。
(参考)
ボリビアは、南米国の最貧国であり、人口は900万人。鉱業、農業を主要産業としている。1人当たりの国民所得は、960米ドル。