(1)「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画(第3期)」
供与限度額 5億1,100万円
(2)「人材育成奨学計画」(平成18年度選考・19年度来日学生分)
供与限度額(国庫債務負担行為) 4億9,200万円
(平成18年度 4,500万円)
(平成19年度 2億1,700万円)
(平成20年度 1億3,400万円)
(平成21年度 9,600万円)
(3)「人材育成奨学計画」(平成16年度来日学生分)
供与限度額 3,500万円
(1)「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画(第3期)」
ベトナム政府は、ドイモイ(刷新)政策の下、経済改革に取り組んでおり、このために必要な人材育成を最重要課題の一つとして掲げ、「教育開発戦略計画2001-2010年」を策定し、初等教育の完全実施及び質的向上に取り組んでいる。
しかしながら、ベトナムの初等教育施設は、依然としてその多くが簡易な仮設校舎や老朽化した木造校舎であるなど、適切な学習環境が確保されていない状況にある。また、教室不足が全日制を実施する際の障害となっており、2部制での授業を余儀なくされている学校も多く、全日制生徒と2部制生徒の間に教育内容の質的・量的な差が生じ、教育機会の不均衡が生じている。
このような状況のもと、ベトナム政府は、同国の中でも少数民族が多く生活し貧しい地域である北部山岳地域を対象とした「第二次北部山岳地域初等教育施設整備計画」を策定し、そのための初等教育施設整備に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
このうち第3期では、トゥエンクワン省及びフートー省の17校において新たに140教室を建設するもので、教室数不足から2部制の授業実施を強いられていた対象校において全日制の授業実施が可能となる。また、過密授業が緩和されることとなり、生徒の学習環境が改善する。
(2)「人材育成奨学計画」
ベトナム政府は長期にわたり、旧ソ連及び東欧諸国へ多数の留学生を派遣してきたが、国内の大学院は十分に整備されておらず、また、政府職員、大学教授、国営企業経営者など指導的な立場にある人材の多くが旧ソ連、東欧諸国への留学経験者であることから、近年の近代化・市場経済化等のニーズに柔軟に対応できない状況にある。
このような状況のもと、ベトナム政府は、人材育成における留学制度の果たす重要な役割に鑑み、「人材育成奨学計画」を策定し、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、この計画は、ベトナムの将来を担う若手行政官等60名(新規選考35名、継続25名)を対象に、日本の大学院における学位取得を前提とした留学に対して経費を支援するものである。
この計画の実施により育成される人材が、将来各分野のリーダーとして、ベトナムの抱える諸問題の解決に貢献するとともに、今後の日・ベトナム両国間の友好関係の架け橋となることが期待される。
(参考)
ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、国土面積は33.2万平方キロ、総人口約8,420万人(2005年)、1人あたりGDPが約550ドル(2004年)の低所得国(世銀ランク)である。