報道発表

モンゴルの「第三次初等教育施設整備計画(第3期)」に対する無償資金協力について

平成18年7月3日
  1. 我が国政府は、モンゴル国政府に対し、「第三次初等教育施設整備計画(第3期)」(the project for Improvement of Primary Education Facilities (Phase III)) の実施に資することを目的として、8億8,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月3日(月曜日)、ウランバートルにおいて、我が方金田勝年外務副大臣とニャマー・エンフボルド外務大臣(His Excellency Mr. Nyamaa ENKHBOLD, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。
  2. モンゴルは、中期教育開発計画「モンゴル国教育セクター戦略2000-2005年」(1999年策定)において、教育施設不足の解消を主要項目の一つに掲げた。また、「経済成長支援及び貧困削減戦略(EGSPRS)」(2003年策定)においても、経済成長を通じた貧困削減実現のための短期優先目標として、教育の質の向上とアクセスの拡大及び2015年までに初等教育の完全普及を実現することを国家開発課題の一つに掲げている。しかしながら、1970年代から80年代に建設され、長期使用や厳しい気象条件にさらされてきたモンゴルの教育施設の多くは損壊や老朽化が著しく、大規模な改修や建て替えが必要な状態にある。また、ウランバートル市では、近年の地方からの人口流入による教育施設の著しい不足に対して3部制の実施や廊下・ロビーの教室への転用を余儀なくされているほか、居住区が周辺部に拡大したため学校施設のない地区も増えている。
     さらに、現在進められている教育制度改革の一環として、2005年度より基礎教育が10年制から11年制に拡大され、初等教育の開始年齢が8歳から7歳に引き下げられたため、就学人口は首都への人口流入と併せて今後さらに増加することが予想される。
     このような状況のもと、モンゴル政府は、ウランバートル市における教育環境の改善及び教育アクセスの向上を目的とする初等教育施設の建設に必要な資金につき、我が国に対して無償資金協力を要請してきたものである。
  3. 今回の書簡の交換は、4年計画の3期目の資金を供与するためのもので、これによりウランバートル市の既存4校及び新設1校に60教室が建設される。なお、4年間合計では既存12校及び新設5校の214教室において、年間約1万7,000人の生徒を新たに収容することが可能となる見込みである。これにより、既設校では3部制授業が緩和されるとともに、廊下等を間仕切りして教室に転用している学習環境が改善される。また、新設校ではこれまで近隣に学校がなく長時間通学を余儀なくされていた地域において、学校へのアクセスが改善されるとともに、それまで生徒が通っていた学校においても教室不足が緩和されるなど学習環境の大幅な改善が期待される。

(参考)
 モンゴルは、北東アジアに位置し、国土面積は156.7万平方キロ(日本の約4倍)、総人口約260万人(2005年)、一人当たりGDPが607ドル(2004年)の低所得国(世銀ランク)である。

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