報道発表

パラグアイの「アスンシオン大学病院移転及び整備計画」に対する無償資金協力について

平成18年6月22日
  1. 我が国政府は、パラグアイ共和国政府に対し、「アスンシオン大学病院移転及び整備計画(el Proyecto del Traslado y del Fortalecimiento del Hospital de Clínicas de la Universidad Nacional de Asunción)」の実施に資することを目的として、13億7,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月22日(現地時間6月21日)、アスンシオンにおいて、我が方飯野建郎駐パラグアイ共和国大使と先方レイラ・ラチドパラグアイ共和国外務大臣(Leila Rachid,Ministra de Relaciones Exteriores de la Republica de Paraguay)との間で行われた。
  2. (1)パラグアイ政府は、2003年に「2003~08年国家開発計画」を発表し、(イ)行政機構の近代化、(ロ)投資に関する経済環境整備、(ハ)持続的経済成長の推進、(ニ)貧困、汚職の撲滅と治安対策を掲げており、(ニ)の中で、「保健医療システムの確立」、及び「保健医療サービスの向上」を進めている。また、「2003~08年国家保健計画」を策定し、保健医療分野での社会的保護の拡大及び公正化という総合目的を立て、(a)保健医療サービスにおけるケアの改善、(b)貧困層に対する質の高いサービスの提供を特定目標とし、優先的取り組み事項として、(i)レファラルシステムの強化、(ii)国立病院の整備、(iii)保健従事者の研修・育成を掲げている。

    (2)国立アスンシオン大学病院は、教育病院であるとともに、第4次レファラル病院としての機能も果たしている病院であるが、その施設は115年を越える建物で、施設・機材は老朽化しており、その機能を十分果たせない状況となっている。
     このような状況を受け、パラグアイ政府は、1996年に現在の市内中心部のサホニア地区から新市街のサン・ロレンソ地区に移転及び整備することを決定した。まず、第1弾として、母子センター部分が我が国の無償資金協力の支援を受け建設され、産婦人科及び小児科部分が移転した。

    (3)その後も、アスンシオン大学の移転計画は継続されており、パラグアイ側も病棟、リハビリテーション部門建設等の努力しているところであるが、資金が十分でないこともあり、「アスンシオン大学病院移転及び整備計画」を策定し、我が国に無償資金協力を要請したきたものである。

    (4)本計画では、同大学病院の管理・外来診療棟、検査・画像診断棟、救急診療・ICU棟、機械棟の建設及び各施設への医療機材の供与(内視鏡、透視撮影X線機材、滅菌器等)を行うものである。

    (5)本計画の実施により、パラグアイ国民に対する医療サービスの向上が期待される。

(参考)
 パラグアイは南米中央部に位置する国であり、人口は607万人。農牧業が経済の根幹となっている。南米南部共同市場(メルコスール)には、1995年に加盟している。一人あたりのGNI(国民総所得)は1,233ドル(2004年、世銀)。

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