報道発表

カメルーンに対する「第四次地方給水計画(第1期)」ほか1件に対する無償資金協力について

平成18年6月20日
  1. 我が国政府は、カメルーン共和国政府に対し、「第四次地方給水計画(第1期)」及び「第三次小学校建設計画(第3期)」の実施を目的として、総額14億4,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月20日(火曜日)、カメルーン共和国のヤウンデにおいて、我が方國枝昌樹駐カメルーン国大使と先方ポリカルプ・アバ・アバ経済・財務大臣(Polycarpe ABAH ABAH, Ministre de l' Economie et des Finances)との間で行われた。

    (1)「第四次地方給水計画(第1期)」
     (Le projet d'hydraulique rurale (Phase IV))
    供与限度額:5億1,500万円  (515,000,000円)

    (2)「第三次小学校建設計画(第3期)」
     (Le projet de construction d'écoles primaires(Phase III))
    供与限度額:9億3,200万円  (932,000,000円)

  2. (1)「第四次地方給水計画(第1期)」

     カメルーンは、カカオや綿花等の農産物輸出が国家経済の基盤を作ってきたが、1980年代末以降は主要輸出産品の国際市場価格下落により国家経済が低迷し、地方レベルの生活基盤整備に十分な予算が行き渡らず、2002年時点での都市部の給水率約86%に対し農村部は約31%となっており、地方村落の生活環境は都市部に比べて大きく遅れたままとなっている。このような状況から、カメルーン政府は、貧困削減戦略文書(2003年)の中で、2015年を目標年度として地方部の給水率を75%まで改善することを掲げ、地方における給水施設整備事業を進めるよう努力しているが、財政難により依然として事業が進んでおらず、その大半をドナーの支援に頼っている。
     同国中南部は降雨量が年間1,500ミリメートルと多く、河川や池等の地表水資源が豊富な地域で、村落住民はこれらの水源を飲料水として利用しているが、そのほとんどが細菌類に汚染されているために、村民の間には下痢などの水因性疾病が蔓延し、また、乾季にあたる2~3月以降は水涸れが生じるなど、安全で安定した水を供給できる施設の整備が喫緊の課題となっている。
     このような状況の下、カメルーン政府は、同国中南部の給水状況を改善するために、アダマウア州、海岸州、南部州及び中部州の4州を対象として、深井戸給水施設の建設等を行う「第四次地方給水計画」を策定し、右計画の実施に必要な資金につき、我が国政府に無償資金協力を要請してきたものである。この計画の実施により、対象4州の給水人口が、3,600人(2005年)から82,800人(2008年)に増加する。第1期目は、アダマウア州、海岸州及び中部州を対象に実施する。

    (2)「第三次小学校建設計画(第3期)」

     カメルーンは、約10年続いた経済危機の間の貧困拡大と教育に対する投資の減少等により、初等教育の総就学率が1995/1996年度に74.7%に落ち込んだものの、経済の回復や学費撤廃により2002/2003年度には99.6%まで回復した。しかしながら、施設整備が長期間停滞したために、生徒数の増加に対する教室の不足および過密状況が深刻化している。また、同時に既存施設の老朽化が進んでおり、教育環境の悪化が著しくなっている。
     このような状況の下、カメルーン政府は、中央、南部、南西、最北、北部州の中で特に過密状態や施設老朽化による教室不足が著しい10都市における教室及び付属施設の建設並びに家具・教育用機材の整備等を目的とする「第三次小学校建設計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。この計画の実施により、対象サイトで学んでいる約67,000人の就学環境が改善され、学習効果の向上に貢献することが期待される。第3期目は、最北州および北部州の10サイト138教室の建設及び教育機材の調達等を行う。

  3. なお、本支援は、2005年4月に開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。

(参考)
 カメルーンは、アフリカ中部に位置し、総人口が1,630万人(2004年)で、一人当たりGNI(国民総所得)は774米ドル(2003年)である。

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