報道発表

「インドにおけるポリオ撲滅計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成18年6月9日
  1. わが国政府は、「インドにおけるポリオ撲滅計画」(the Project for the Eradication of Poliomyelitis in India)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し、4億5,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月9日(金曜日)、ニューデリーにおいて、わが方榎泰邦駐インド国大使と先方アドルナ在インド・ユニセフ代表(Mr. Cecilio Adorna, Representative, UNICEF India office)との間で行われた。
  2. インド政府は子供の健康を改善することを目的にワクチン接種拡大プログラム(EPI: Expanded Program on Immunization)をWHO、UNICEF等の協力を得て実施してきており、この結果、5歳未満児死亡率(1,000人あたり)は、1960年から2004年までに236人から85人に減少したものの、世界的にみるとインドの数値はまだ高い状況である。
     ポリオについては、インド政府は、1995年より各国ドナーの協力を得てポリオ・ワクチンの全国一斉投与(NID: National Immunization Days)および追加一斉投与(SNID:Sub-National Immunization Days)を実施し、ポリオ根絶に向け取り組んできている。この結果、1994年には5,881件であったポリオ報告例が2005年には66件に減少してきている。しかしながら、依然として未撲滅国16カ国の中でも特に対策が必要とされている6カ国(インド、ナイジェリア、イエメン、インドネシア、ソマリア、パキスタン)の一つとなっており、WHOが中心となって進めているポリオ根絶計画において最大のターゲット国となっている。
     また、インドは人口約10億人の大国であり、5歳以下の児童を対象とした本計画には膨大なワクチン量が必要となるため、インド政府独自のみで投与を継続していくことは困難な状況である。
     このような状況にかんがみ、ユニセフおよびインド政府は、同国北東部に位置する9州(西ベンガル州、アッサム州等)における追加一斉投与に必要なポリオ・ワクチンの供与につき、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。
  3. この計画の実施により、インドにおけるワクチン全国一斉投与の実施が可能となり、インドのポリオ撲滅に資する上、周辺国への感染防止に資することが期待される。

(参考)
 インドは、南西アジアに位置し、人口10億2,874万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は約620ドルである。

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