
ラオスの「ビエンチャン1号線整備計画」(第2期)に対する無償資金協力について
平成18年6月6日
- わが国政府は、ラオス人民民主共和国に対し、「ビエンチャン1号線整備計画(第2期)」(the Project for the Improvement of the Vientiane No.1 Road)の実施に資することを目的として、総額25億5,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月6日(火曜日)、ビエンチャンにおいて、わが方桂誠駐ラオス国大使と先方ソムサワート・レンサワット副首相兼外務大臣(His Excellency Mr. Somsavat Lengsavad, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)の間で行われた。
- ビエンチャン1号線は、ビエンチャン市における都市内道路網の骨格幹線であるばかりでなく、市中心部とラオスの2大玄関口であるワッタイ国際空港およびタイ国境のメコン河に架かる橋を結ぶ道路である(ラオス来訪者の6割は右のメコン架橋から、1割強はワッタイ国際空港から入国する)。
しかし、ビエンチャン1号線の道路状況は主要道路としては非常に悪く、路面の劣化進行と各種車両の混在とが相まって、安全かつ円滑な交通の確保、社会経済活動や日常生活行動等に支障を来している。加えて道路排水施設が不十分であるため、雨期には道路上および沿線において頻繁に洪水被害が発生し、舗装をさらに劣化させる原因となっており、道路整備が緊急課題となっている。このような状況に対応すべく、ラオス政府は本件を最重要プロジェクトとして位置づけ、その早期実施のために必要な資金につきわが国に無償資金協力を要請してきたものである。本計画では対象区間(シカイ交差点~タナレン保税倉庫間(約28.9キロメートル)のうち、13.2キロメートル分の道路改良及び道路排水施設整備を実施する。
- 本件実施の結果、(1)歩道、バス停、駐車帯、横断歩道、信号機、街路灯、標識等の附帯設備が整備されることによる、安全な交通の確保、生活道路としての機能向上、(2)走行性の改善、低速車線又は混合車線の設置による交通整流による都心部(シカイ~チナイモ間12.3km)の通過所要時間短縮、幹線道路としての機能向上、(3)冠水日数・時間の減少による人および物の流通の改善、(4)幹線道路としての機能向上による物的・人的交通の促進、社会・経済活動の活性化、(5)冠水減少による沿道の保健・衛生環境の改善等が期待される。
(参考)
ラオス人民民主共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、人口560.9万人(2005年現在)、国民一人あたりのGDP(国内総生産)は491ドル(2005年現在)である。