
モンゴルの「東部幹線道路建設及び道路建設機材整備計画(第2期)」に対する無償資金協力について
平成18年5月30日
- わが国政府は、モンゴル国政府に対し、「東部幹線道路建設及び道路建設機材整備計画(第2期)」(the project for Construction of the Eastern Arterial Road and Improvement of the Related Equipments)の実施に資することを目的として、総額24億円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月30日(火曜日)、首都ウランバートルにおいて、わが方市橋康吉駐モンゴル国大使と先方ニャマー・エンフボルド外務大臣(H.E. Mr. Nyamaa ENKHBOLD, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。
供与限度額(国庫債務負担行為)24億円
(平成18年度 6億4,600万円)
(平成19年度 8億円)
(平成20年度 7億2,400万円)
(平成21年度 2億3,000万円)
- モンゴルでは、首都ウランバートルを経由しロシア・イルクーツクと中国・北京を結ぶ鉄道が南北輸送軸を形成しているのに対し、東西方向の輸送は道路交通に依存している状況である。しかしながら、モンゴル東部3県の国道は「轍道」であり、東西の物流および人々の移動が年間を通じて円滑かつ安全に行われていない状況が続いている。
モンゴル政府は、東西の道路網整備をめざし2000年に「ミレニアム道路計画」(全長約2,200キロメートル)を策定した。この計画のもと、モンゴル政府は2001年に、特に高い経済効果が期待できる「東部幹線道路」(エルデネ~ウンドゥルハーン間、全長約260キロメートル)の整備に着手した。
このうち、東部幹線道路上の交通ボトルネックとなっており国際基準を満たしていない4橋梁の改修を含む2区間(計58.2キロメートル)の整備については、技術的・資金的に独自で実施することが困難であることから、2区間の道路・橋梁の整備および道路維持管理用機材を調達するための資金につき、わが国政府に無償資金協力を要請してきたものである。
このうち本計画は、第1期での実施分を除く53.0キロメートルを整備するものである。
- この計画の実施により、東西方向への安定した物流が確保され、移動時間の短縮および大型車の橋梁重量制限が撤廃されることによる輸送コストの低減が図られる。また、市場・学校・病院等へのアクセスが容易となり、モンゴル東部3県の地域住民(約108万人)の生活レベルが向上するとともに、轍と粉塵による草原の破壊を防ぎ、環境を保全する効果も期待される。
(参考)
モンゴルは、北東アジアに位置し、国土面積は156万4,100平方キロメートル(日本の約4倍)、総人口約260万人、一人当たりGNI(国民総所得)が479ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。