(1)ニカラグアでは、内戦(1979年~1989年)終了後、着実な経済復興を見せているが、依然としてラテンアメリカ諸国内の最貧国の一つであり、米州保健機構の統計では全人口の約50%が貧困層、約19%が極貧困層にある。また、内戦終了後の人口増加率は、平均3.9%と高い状況にあるため、医療および保健水準が低い状況にある。
ニカラグア政府は、保健セクターにおいて「国家保健計画(2004~2015年)」を策定し、「保健医療サービスへのアクセス拡大・質の改善」および「大西洋側地域における保健改革」を掲げた。さらに保健省は、「国家保健5ヶ年計画(2005~2009年)」を策定し、医療保健インフラのうち、早急に整備が必要な第二次病院を7つを選択し、その中でボアコ病院が優先的に整備すべき病院施設となっている。
現在のボアコ病院は、1988年以前には、倉庫として使用されていた建物を応急に改修して使用したために、病院機能として不都合があるのみならず、施設自体も老朽化している。ニカラグア政府は、ボアコ県のみならず貧困度の高い北東部3県における中核病院としての位置づけて緊急に整備することとして病院新設のためのボアコ病院建設計画を策定し、わが国に対して無償資金協力を要請してきたものである。
(2)本件計画の実施により、新ボアコ病院が本来の機能を発揮し、ボアコ県および北東3県の中核病院となり、これらの県の住民に対して衛生的医療サービスが提供されることが期待される。
(参考)
ニカラグアは中米5カ国の一つであり、人口は560万人、農牧業を主要産業としている。一人あたりのGNI(国民総所得)は748ドル(2003年、世銀)。