報道発表

ベトナムに対する円借款の供与について

平成18年3月29日
  1. わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、同国の経済社会開発および市場経済化努力を支援するため、総額883億2,000万円を限度とする円借款を供与することとし、このための書簡の交換が、3月29日(水曜日)、ハノイにおいて、わが方服部則夫駐ベトナム国大使と先方ヴォー・ホン・フック計画投資大臣(H. E. Mr. Vo Hong PHUC, Minister of Planning and Investment of the Socialist Republic of Viet Nam)の間で行われた。

     対象案件および供与限度額

     (1)ニンビン火力発電所増設計画(第二期) 294億2,100万円
     (2)ニャッタン橋(日越友好橋)建設計画(第一期) 136億9,800万円
     (3)紅河橋建設計画(第四期) 137億1,100万円
     (4)第二期ハノイ水環境改善計画(第一期) 30億4,400万円
     (5)第二期ホーチミン市水環境改善計画(第一期) 15億5,700万円
     (6)高等教育支援計画(ITセクター) 54億2,200万円
     (7)ファンリー・ファンティエット灌漑計画 48億7,400万円
     (8)貧困地域小規模インフラ整備計画(第二期) 147億8,800万円
     (9)地方病院医療開発計画 18億0,500万円
      計 883億2,000万円

  2. 対象案件の概要

    (1)ニンビン火力発電所増設計画(第二期)
     ハノイの南方105kmに位置する既設ニンビン石炭火力発電所(既設:25MW×4基、1976年運転開始)の隣接地へ330MWの石炭火力発電所を建設するもの。

    (2)ニャッタン橋(日越友好橋)建設計画(第一期)
     ハノイ市を流れる紅河への橋梁を建設するとともに、環状2号線の一部分を形成する道路を整備するもの。

    (3)紅河橋建設計画(第四期)
     ハノイ市を流れる紅河への橋梁を建設するとともに、環状3号線の一部分を形成する道路(紅河橋、新ドュオン橋、ファップバン高架橋)を整備するもの。

    (4)第二期ハノイ水環境改善計画(第一期)
     ハノイ市の排水・下水施設の整備を行うもの。

    (5)第二期ホーチミン市水環境改善計画(第一期)
     ホーチミン市の排水・下水施設の整備を行うもの。

    (6)高等教育支援計画(ITセクター)
     ベトナムのIT(情報通信技術)分野の教育・研究活動に先導的役割を果たす大学におけるモデル教育プログラムの実施、およびハード面(設備・機材の整備・拡充)・ソフト面(教員の雇用・技術移転、教員候補の留学)の支援を実施するもの。

    (7)ファンリー・ファンティエット灌漑計画
     ベトナム中南部のドンナイ側流域のビントゥアン省ハクビン郡において、灌漑排水施設・農村インフラの整備、農業普及サービスの強化等の農業開発を行うもの。

    (8)貧困地域小規模インフラ整備計画(第二期)
     貧困地域において、道路、配電、上水、灌漑を含む小規模インフラを整備するもの。

    (9)地方病院医療開発計画
     ベトナム北部に位置するハティン省、タイグエン省およびランソン省の3地域において、中核病院への機材供与および関連のトレーニングを提供するもの。

  3. 供与条件

    対象案件:(1)、(3)、(6)の人材育成を除いた部分、(7)、(8)の上水を除いた部分、(9)
     (1)金利:年1.3%(一般条件)
     (2)償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
     (3)調達条件:一般アンタイド

    対象案件:(2)
     (1)金利:年0.4%(本邦技術活用条件)
     (2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
     (3)調達条件:日本タイド

    対象案件:(4)、(5)、(6)の人材育成部分、(8)の上水部分
     (1)金利:年0.75%(優先条件)
     (2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
     (3)調達条件:一般アンタイド

  4. これとは別途、本年度の対ベトナム円借款として「第四次貧困削減支援貸付」(供与限度額25億円)の供与のための書簡の交換を昨年11月30日に行っており、今回の書簡の交換により、平成17年度の対ベトナム円借款の供与限度総額は、908億2,000万円となる。また、これまでの累計では1兆982億1,300万円となる。
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