報道発表

ラオスの「郡病院改善計画」(第1期)に対する無償資金協力について

平成18年2月10日
  1. わが国政府は、ラオス人民民主共和国に対し、「郡病院改善計画(第1期)」(the Project for the Improvement of District Hospitals)の実施に資することを目的として、総額1億5,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が2月10日(金曜日)、ビエンチャンにおいて、わが方桂誠駐ラオス国大使と先方ソムサワート・レンサワット副首相兼外務大臣(H.E. Mr.Somsavat Lengsavad,Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)の間で行われた。
  2. ラオスの保健指標はアジア諸国の中でも低位にあり、特に人口の8割が居住する地方農村部ではインフラ整備が遅れているために、保健医療サービスへのアクセス機会の地域間格差が課題となっている。この状況下、全国民の健康改善を実現するには、地方保健医療のサービス強化が不可欠であり、特にプライマリーヘルスケアと母子保健の改善が急務とされている。
     現行の地方医療システムは5地域病院、13県病院、134郡病院で構成されているが、何れの施設も荒廃し基本的な医療機材も不足しており、地方住民は基本的な保健医療サービスの提供を受けられない状況にある。保健省では地方医療レファラル体制(適切な患者搬送システム)を整備するために、交通の要所にある郡病院を中核郡病院として優先的に拡充整備し、その周辺の2~3の郡病院は地方郡病院として機能の強化を計画しているが、資金難等のため必要となる施設・機材の整備が十分に進んでいない。
     このような状況下、ラオスは世界銀行や他のドナーの支援を受けて、地方医療施設の整備と人材育成を急いでいるが、わが国に対しても10郡病院に対する無償資金協力による施設・機材整備の要請があり、本計画では10郡病院への基本的医療機材の整備を行うものである。
  3. 本件計画実施により、従来は県病院まで搬送するか治療を諦めざるを得なかった患者が、郡病院で医療サービスを受けられるようになるなど、地方保健医療サービスを実施する郡病院の診療環境が改善されることが期待される。

(参考)
ラオス人民民主共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、人口560.9万人(2005年3月)、国民一人あたりのGDP(国内総生産)は339ドル(2003年)である。

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