報道発表

ボスニア・ヘルツェゴビナの「第三次一次医療施設医療機材整備計画(第2期)」に対する無償資金協力について

平成17年12月21日
  1. わが国政府は、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府に対し、「第三次一次医療施設医療機材整備計画(第2期)」(the Project for Improvement of Medical Equipment in Primary Health Care Institutions(Phase III))の実施に資することを目的として、6億800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月21日(水曜日)、サラエボにおいて、わが方罍二夫駐ボスニア・ヘルツェゴビナ臨時代理大使と先方ムラデン・イヴァニッチ外務大臣(H.E. Dr. Mladen Ivanic, Minister of Foreign Affairs of Bosnia and Herzegovina)との間で行われた。
  2. ボスニア・ヘルツェゴビナでは、1992年から1995年まで続いた紛争のため、一次医療施設の30%が影響を受けたことに加え、紛争の影響で医療機材市場のサービス体制が崩壊した。また、医療施設が保有する医療機材の老朽化が進む一方で、保有機材の更新を実施できなかったため、医療施設としての機能を十分に発揮することが出来ない状態になっている。
     同国の一次医療サービスは、各行政区単位毎におけるドム・ズドラヴリャ(DZ)と呼ばれる医療施設が担っているが、医療機材の老朽化によりその機能を十分に発揮できなかったため、過去2回、無償資金協力により、一次医療施設に対して、医療機材の供与を行い、機能回復を図ってきた(平成9年度に27サイト、平成10年度に25サイト)。今回は、同国より、未だ機材の更新が行われずに機能回復がなされていない一次医療施設(33サイト)に対して、医療機材を整備し、機能回復を図るために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、昨年度から2期に分けて実施されている。
  3. この計画の実施により、同国の一次医療施設において、精度の高い検査、正確な診断が可能となり、各医療施設の診断機能が向上することから、二次、三次医療施設への負荷が軽減され、レファラル体制(適切な患者紹介・搬送システム)の確立に寄与し、効率的な医療体制が構築されることが期待できる。
     また、本件の対象施設が裨益対象として想定できる人口は約147万人にのぼり、同国の人口の約36%に当たる。

(参考)

ボスニア・ヘルツェゴビナは、中東欧に位置し、人口は約420万人、一人当たりGNI(国民総所得)は1,682ドルの国である。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る