(1)「第二次プノンペン市小学校建設計画」
(the Project for the Construction of Primary Schools in Phnom Penh, Phase II)
供与限度額 5億1,000万円
(2)「感染症対策計画」
(the Project for Infectious Disease Control)
供与限度額 2億7,800万円
(3)「バンティミエンチャイ州モンゴルボレイ病院整備計画」
(the Project for the Improvement of Mong Kul Borey Hospital in Banteay Meanchy Province)
供与限度額 6億8,300万円
(2)「感染症対策計画」
カンボジアは、麻疹やポリオなど予防可能な疾患を一因とする高い乳幼児死亡率(乳児千人当たり97人、5歳未満児千人当たり140人)、WHOより結核対策最重点国の指定を受けるほどに高い結核罹患率(人口10万人当たり540人)等、保健分野において深刻な問題を抱えている。
このため、同国政府は完全予防接種率80%の達成等の具体的目標を掲げて改善に取り組んでいるが、コールドチェーンの未整備や老朽化、ワクチンや関連資機材の不足等によって、独力ではこうした目標の達成が困難な状況にある。
このような背景の下、カンボジア政府よりワクチン、コールドチェーン機材、抗結核薬等の購入に係る無償資金協力の要請が行われたのを受けて、わが国はこれまでに平成15年度及び16年度の二期に亘って協力を行って来た。
第三期目の協力となる今次計画においては、各種ワクチンの調達によって、2006年に全国の5歳未満児(約146万人)を対象とする麻疹の予防接種キャンペーン、国境地帯や大都市の感染リスクが高い保健区の5歳未満児(約30万人)を対象とするポリオの予防接種キャンペーンおよび全国の新生児(約37万人)を対象とするB型肝炎の定期予防接種が実施可能となることが見込まれる。
また、コールドチェーン機材の増強によって、これらワクチンの保管条件が改善され、予防接種の効果・効率が向上することが期待される。さらに、抗結核薬の調達によって、全国の約3万9千人の成人患者およ約1,300人の小児患者に対する適切な治療が可能となることが見込まれる。
(3)「バンティミエンチャイ州モンゴルボレイ病院整備計画」
モンゴルボレイ病院は、タイと国境を接して物流の要衝に位置する一方で、最貧困地帯を多く含むバンティミエンチャイ州にあって、トップ・リファレル機能を担っており、同州において外科手術が可能な唯一の病院である。同病院は1964年にわが国の資金協力(戦後準賠償)によって建設された後、技術協力の対象ともなったことから、「日本病院」として親しまれている。しかし、同病院の施設は経年に伴って老朽化が顕著であり、また、医療機材も耐用年数超過ないし未整備の状態にあることから、適切な質・量の医療サービスを提供することが困難な状況にある。
このような背景の下、カンボジア政府よりわが国に対して、「モ」病院施設の建替・増築および医療機材の調達について無償資金協力の要請が行われたものである。
この計画の実施により、「モ」病院のうち特に重要な外科診療部門の施設(救急・放射線棟、手術棟、外科病棟、産婦人科棟)の建て替えを通じて、病院の構造や機能が改善されて院内の安全性が高まるとともに、病棟の間仕切り改善によって入院患者の精神的負担が緩和されることが見込まれる。また、関連医療機材の更新・拡充を通じて、同病院における医療サービスの質が向上するとともに、計画手術件数や診断件数が増加することが見込まれる。さらに、「モ」病院はバンティミエンチャイ州の中核病院であることから、同病院の外科部門系の整備を内容とする本計画の実施によって、州内のリファレル体制が改善されて、同州及び周辺地域の住民約77万人が裨益することが期待される。
(参考)
カンボジア王国は、東南アジアに位置し、人口1,450万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は321ドルである。