報道発表

「エジプトにおけるポリオ撲滅計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成17年8月29日
  1. わが国政府は、「エジプトにおけるポリオ撲滅計画」(the Project for the Eradication of Poliomyelitis in the Arab Republic of Egypt)に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、4億300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月29日(月曜日)、カイロにおいて、わが方槙田邦彦駐エジプト国大使と先方エルマ・マノンコート・ユニセフ・エジプト事務所代表(Dr. Erma Manoncourt, Representative, UNICEF Egypt)との間で行われた。
  2. エジプトの保健・医療指標は、5歳未満幼児の死亡率は1,000人当たり54人、乳幼児死亡率は1,000人当たり38人、妊産婦死亡率は10万人当たり84人と未だ劣悪な状態にあるが、その理由としては、栄養不足や感染症があげられる。感染症については、同国の広大な国土の大半が砂漠地域であるため、遠隔地の住民にまでワクチン投与が行き渡らないこと、人口が密集しており人と人との接触が多いといったエジプトの特殊事情がある。
     ユニセフは、ポリオの野生株が存在する国の中でも大きな人口を有する同国が、ポリオを撲滅しつつある近隣の中東・アフリカ諸国にとってポリオ「輸出国」として深刻な脅威となり得るとの認識の下、同国を重点国に指定してポリオワクチンの全国一斉投与体制を構築して積極的に貢献している。エジプト政府及びユニセフは、同国における早期のポリオ撲滅を図るため、2005年秋に実施を予定しているポリオ・ワクチンの全国一斉投与キャンペーンの準備にあわせて「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のために必要なポリオ・ワクチン、コールドチェーンおよびモニタリングに必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  3. この計画の実施により、エジプト国内の約1,100万人の子供がポリオ・ワクチンの予防接種を受けることが可能になり、同国におけるポリオ撲滅に貢献するとともに、子供の健康状態の改善を通じて同国の保健・医療事情の改善に貢献することが期待される。

(参考)
ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプトは、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する人口約6,900万人の国である。国土の大半が砂漠であるが、ナイル川沿いおよびナイル川デルタ地帯においては工業、農業が行われている。中東和平の推進やアフリカ開発問題等において積極的な役割を果たし、中東・アフリカを中心とした国際政治における重要な地位を占めている。

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