報道発表

インドの「オリッサ州サダール・バルバイ・パテル小児医療大学院病院整備計画」に対する無償資金協力について

平成17年8月4日
  1. わが国政府は、インド国政府に対し、「オリッサ州サダール・バルバイ・パテル小児医療大学院病院整備計画(the project for the Improvement of Sardar Vallvbhai Patel Post Graduate Institute of Paediatrics in the State of Orissa)」の実施に資することを目的として、8億3,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月4日(木曜日)、ニューデリーにおいて、わが方榎泰邦駐インド国大使と先方ヴィヴェック・メホートラ大蔵省経済局担当次官補(Mr.Vivek Mehrotra, Additional Secretary in Department of Economic Affairs, Ministry of Finance)との間で行われた。
  2. インドの東に位置するオリッサ州は、5歳未満児死亡率104(対1,000人)、乳児死亡率90(対1,000人)とインド国内でも最も劣悪な母子保健指標であるとともに、近隣諸国と比べても劣悪な状況であることから、その改善が強く求められている。これを受け、オリッサ州保健省は、連邦政府が策定した「国家保健政策2002」での2010年までに乳児死亡率を30(対1,000人)、妊産婦死亡率を100(対100,000人)とするとの目標達成に向けて、感染症・非感染症対策、人材育成、施設整備等を進めている。サダール・バルバイ・パテル小児医療大学院病院(病床数200床)は、オリッサ州カタック郡唯一の公的トップレファラル病院として、貧困層の重症患者に対し安価な医療サービスを提供しているほか、州の医科大学院の学生の研修機関としての機能も果たしてきたところであるが、基本的な医療機材の不足、老朽化等により、医療活動に支障が生じている。また、内科病棟・外科病棟(手術室)として用いられている建物は、200年前に建築されかつて州総督が住居としていた建物を転用したものであり、元々病院としての機能がないために、衛生管理上の問題や患者移動における問題が発生している。
     このような状況の下、インド政府は、サダール・バルバイ・パテル小児医療大学院病院の医療機材を更新・整備するとともに、病院機能改善のための病棟建設を行うために必要な資金につき、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。
  3. 今回の協力により、病院の医療機能及び医師育成機能が整備され、インド・オリッサ州の母子保健指標が改善されることが期待される。

(参考)
インドは、南西アジアに位置し、人口10億2,700万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は約538ドルである。

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