報道発表

マラウイの「バラカ-サリマ間国道五号線橋梁架け替え計画」他1件に対する無償資金協力について

平成17年8月4日
  1. わが国政府は、マラウイ共和国政府に対し、「バラカ-サリマ間国道五号線橋梁架け替え計画」および「リロングウェイ西地区地下水開発計画」の実施に資することを目的として、総額9億9,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月4日(木曜日)、マラウイの首都リロングウェ市において、わが方宮下正明駐マラウイ国大使(ザンビアにて兼轄)とグドール・ゴンドウェ財務大臣との間で行われた。

    (1)「バラカ-サリマ間国道五号線橋梁架け替え計画」6億9,100万円
     (the Project for the Reconstruction of Mainroad5 Bridges between Balaka and Salima)

    (2)「リロングウェ西地区地下水開発計画」3億600万円
     (the Project for the Groundwater Development in Lilongwe West)

  2. (1)「バラカ-サリマ間国道五号線橋梁架け替え計画」
     本計画の対象となる国道5号線は、マラウイ国の南北を縦貫する幹線道路であり、北はタンザニアに向かう北部回廊を、南にはモザンビークのナカラ港への国際輸送回廊としての役割を果たしている。しかしながら国道5号線上の橋梁は20~30年以上も前に建設されたものであるため、現在は損傷が進み、またその多くは1車線であるため隘路となり、自動車の走行環境が悪く、洪水時には橋梁が冠水し橋梁が流出するケースも多発している。本計画は、国道5号線南部区間サリマ-バラカ間にある、洪水によって被災し損傷が激しく、技術的にも修復が難しい4橋の架け替えにつき、マラウイ国政府がわが国に無償資金協力を要請してきたものである。
     本計画の実施により、国道5号線南部地方の中核都市バラカ市と中部地方中核都市サリマ市を結ぶ延長158kmの区間において、円滑で安定的な交通が確保されることが見込まれ(直接裨益人口約110万人)、また輸送コストの低減や地域経済の活性化、ならびに物流の促進による社会経済の発展に対する寄与が期待される。

    (2)「リロングウェ西地区地下水開発計画(第1期)」
     マラウイ国では、国民の85%(約953万人)が地方に居住しているが、その約40%の住民が、河川、沢沼地、素掘りの浅井戸など、乾期に枯渇する可能性があり、衛生上も問題のある水源に依存している。そのため地方給水事業の拡大は、同国の「貧困削減戦略MPRS(2002)」における重要な政策とされており、2005年までに全国給水率を84%に向上させることを目標に、年間2,500本の深井戸新設や既設井戸の修復等を計画し、実施中である。しかしながら、政府およびドナー活動のこれまでの実績は目標を大きく下回っている上、国内の深井戸掘削能力の制約のために、水利地質条件やアクセス条件が悪い地方部では、未だに給水率30%以下の所が存在し、地域間格差が生じている。
     このような背景からマラウイ国政府は、23%という非常に低い給水率であるリロングウェ県西南部カロロ郡、コンゴニ郡を対象に、ハンドポンプ付き深井戸施設の建設、右の工事に必要な井戸掘削関連機材の調達、および同政府が進めるコミュニティベースの維持管理プログラムの技術指導につき、わが国に無償資金協力の要請を行ってきたものである。
     本計画の実施により、対象地域の住民約13万2,000人の住民に対し、恒常的に安全な水が供給され、また安全な水の給水率は今次案件実施後の2008年には、現況23%から48%に向上することが見込まれている。

  3. なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。

(参考)
マラウイは、総人口が1,210万人で、一人当たりGNIが170ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。

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