(1)「第三次ルサカ市道路網整備計画」6億7,900万円
(the Project for the Improvement and Maintenance pf Lusaka City Roads, Phase III)
(2)「第二次ルサカ市小中学校建設計画」6億3,600万円
(the Project for Construction of Basic Schools in Lusaka, Phase II)
(3)「北部州地下水開発計画」2億8,600万円
(the Project for Groundwater Development and Sanitation Improvement in the Northen Province)
(1)「第三次ルサカ市道路網整備計画」
ザンビアの首都ルサカ市の市内道路は、総延長1,600キロメートルのうち、53%の約850キロメートルが30年前に建設された瀝青簡易舗装であり、老朽化の進行が著しい。このためわが国は、1996年から第一次及び第二次ルサカ市道路網整備計画を実施し、無償資金協力による約116キロメートルの道路改修工事を実施してきた。しかしながら依然として比較的貧しい市民が生活する未計画居住区(コンパウンド)と市内幹線道路を結ぶアクセス道路を中心として、約630キロメートルの改修が必要とされている。
このような状況に対し、ザンビア政府は、わが国政府に対し無償資金協力による道路改修を要請してきた。本計画は、人口密度の高い未計画居住区(コンパウンド)の生活環境の改善を目的として、コンパウンド地区へのアクセス道路4路線の舗装、排水施設及び路肩等の整備を実施するものである。
本計画の実施により、対象地域で平均83日あった雨期の通行不能期間が解消され、通年通行が可能となる。またバスルートが改善されることで、市内の病院や学校等の社会サービスへの接近性が向上し、排水路整備により、マラリアなどの伝染病の発生抑制に寄与することも期待される。
(2)「第二次ルサカ市小中学校建設計画(第2期)」
ザンビア政府は、1996年に国家教育政策「Education Our Future」を策定し、従来の高等教育重視から基礎教育重視へと政策転換を図り、2005年までに初等教育(第1~7年)、2015年までに基礎教育(第1~9年)の完全普及を目標に掲げている。
しかし、高い人口増加率および財政悪化による学校施設の不足のため、小学校就学年齢である全7歳児人口の約3割は、どの学校にも入学できずにいる等思うように進んでいない状況である。特に、首都ルサカ市では、地方から都市部への人口流入が止まらず、人口増加率が他に比べても高く、著しく教室数が不足しており、就学率は66.4%と全国平均の77.9%を大きく下回っているとともに、依然として2部、3部制の授業が行われている。
このような状況に対し、ザンビア国政府は、ルサカ市において12校の新設小中学校を整備するための資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。本計画の実施により、ルサカ市に12校の新設小中学校が建設され、新たに約4,000人の児童生徒の就学が可能となり、就学率および中学校の進学率の上昇と児童の学習環境の向上が期待される。
(3)「北部州地下水開発計画(第2期)」
ザンビアにおける給水・衛生サービスの普及率は依然として低く、特に農村部の普及率は30%程度に留まっている。十分な給水施設のない多くの村落では、生活用水を浅井戸や村落から数キロメートル離れた涸れ川のたまり水等の不衛生な水に依存しており、水因性疾患の増加、婦女子の水汲み労働負担の増大、住民の経済活動、教育、健康等に深刻な影響を与えている。給水及び衛生状況の改善は、同国の「貧困削減戦略ペーパー」においても、重要な施策の一つとして位置づけられている。しかしながら対象地域である北部州は、現在大多数の住民が劣悪な環境で非衛生な飲料水を日常的に摂取しており、高い水因性疾患の発生率や衛生環境の改善が急務の課題となっている。
このような状況の下、ザンビア国政府は、北部州の中でも給水及び衛生状況が劣悪で他ドナーによる支援が行われていない、もしくは不充分な7郡を対象に、給水施設の建設及び井戸掘削機材の調達等のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。本計画の実施により、安全な水が安定的に一日一人当たり30リットル利用可能となり、これによる水因性疾患の減少や婦女子の水汲み労働の軽減が期待される。
(参考)
ザンビアは、総人口が1,090万人(国連人口基金,2004)で、一人当たり国民総所得が380ドル(世界銀行,2003年)の低所得国である。