
セントクリストファー・ネーヴィスの「零細漁業振興計画」に対する無償資金協力について
平成17年7月1日
- わが国政府は、セントクリストファー・ネーヴィス政府に対し、「零細漁業振興計画(the Project for Artisanal Fisheries Development)」の実施に資することを目的として、総額6億1,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月1日(金曜日)、オールド・ロードにおいて、わが方加藤重信駐トリニダード・トバゴ国大使と先方デンゼル・ダグラス首相(Dr. Denzil L. Douglas, Prime Minister)との間で行われた。
- セントクリストファー・ネーヴィス政府は、水産業を自国民への食料供給とこれまで観光者用ホテル・レストランで使用されてきた輸入水産物の代替を担う重要な産業と捉えている。しかしながら、現在同国にある水産基盤施設は、首都バセテールにある水産センターが唯一であり、それ以外の漁村では集約された水揚げ場が無く、漁獲物の水揚げ・販売は分散して行われているため、効果
的な流通の面で問題がある。
また、1)製氷施設はバセテールにしかないため、漁獲物の鮮度を保持するのに十分な量を確保することが難しい、2)荷捌き場が無く、商品の品質保持のための氷も不足している、ことから漁獲物の値段が安くなってしまい漁業者の収入は少なく、衛生的な食料供給の面でも問題を抱えている。
このような背景のもと、セントクリストファー・ネーヴィス政府は、地方漁業振興を目的とした水産基盤施設の建設を内容とする「水産開発計画」を策定し、わが国に対して無償資金協力を要請したものである。
- この計画の実施により、水揚げ場が集約されることによる漁獲物の効果的な流通の実施や、製氷施設から廉価な氷を購入できること、鮮度を保持した漁獲物を高値で販売できることにより零細漁業者の経営改善が図られるとともに一般消費者に対し衛生的な魚介類が供給されることが期待される。
(参考)
セントクリストファー・ネーヴィスは、カリブ共同体(カリコム)加盟国の一つであり、面積は260キロ平方メートル、人口は約4.6万人である。