報道発表

モンゴルの「東部幹線道路建設及び道路建設機材整備計画(第1期)及び(第2期の詳細設計)」に対する無償資金協力について

平成17年6月27日
  1. わが国政府は、モンゴル国政府に対し、「東部幹線道路建設及び道路建設機材整備計画(第1期)及び(第2期の詳細設計)」(the project for Construction of the Eastern Arterial Road and Improvement of the Related Equipments)の実施に資することを目的として、総額5億4,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月27日(月曜日)、ウランバートルにおいて、わが方當田達夫駐モンゴル国大使と先方ツェンディーン・ムンフオルギル外務大臣(H.E. Mr. Tsend MUNH-ORGIL, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。
     供与限度額   5億4,400万円
     (第1期   5億100万円)
     (第2期の詳細設計   4,300万円)
  2. モンゴルでは、首都ウランバートルを経由し、ロシア・イルクーツクと中国・北京を結ぶ鉄道が南北輸送軸を形成しているのに対し、東西方向の輸送に関しては道路交通に依存するしかない状況であるが、モンゴル東部3県の国道は「轍道」であり、東西の物流および人の移動が年間を通じて円滑で安全に行われない状況が続いている。
     モンゴル政府は、東西の道路網が整備されていない各県を結び、輸送効率、工業・サービスの促進、更に地域開発による地方の生活向上を目指し、2000年に「ミレニアム道路計画」(全長約2,200km)を策定した。この国家計画の下、モンゴル政府の要請に基づきわが国が実施した開発調査「東部幹線道路建設整備調査」(2001年)の結果、道路整備によって特に高い経済効果が期待できるモンゴル東部の全長約260km(エルデネ~ウンドゥルハーン間、全6区間)の整備を、モンゴル政府は2001年に最優先プロジェクトと認定し事業化に着手した。
     この6区間のうち、モンゴル政府は自己資金により区間1(2002年完成)及び区間3~区間5(2003~2005年完成予定)の整備を行ってきたが、幹線道路上の交通ボトルネックとなっており国際基準を満たさない4橋梁の整備を含む区間2(バガヌール~ヘルレン間、30.1km)及び区間6(ムルン西~ウンドゥルハーン間、28.1km)については、独自の実施が技術的・資金的に困難であることから、両区間の道路・橋梁等の整備および道路維持管理用機材の調達のための資金につき、わが国政府に無償資金協力を要請してきたものである。
     このうち本計画は、第1期の道路新設(区間2のうち一部)および第2期(4ヶ年事業)の詳細設計を、併せて実施するものである。
  3. この計画の実施により、物資の東西方向への安定供給が確保され、移動時間の短縮と大型車の橋梁重量制限が撤廃されることによる輸送コストの低減が図られる。また、市場・学校・病院等へのアクセスが容易となり、モンゴル東部3県の地域住民(約108万人)の生活レベルが向上するばかりでなく、轍と粉塵による草原消失を防ぎ、脆弱な環境を保全することも期待される。

(参考)
モンゴルは、北東アジアに位置し、国土面積は156万4,100平方キロ(日本の約4倍)、総人口約250万人、一人当たりGNI(国民総所得)が477ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。

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