報道発表

モザンビークの「ベイラ港浚渫能力増強計画」に対する無償資金協力について

平成17年5月30日
  1. わが国政府は、モザンビーク共和国政府に対し、「ベイラ港浚渫能力増強計画」の実施に資することを目的として、総額21億6,600万円(平成17年度5.72億円、平成18年度10.63億円、平成19年度5.31億円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月30日(月曜日)、マプトにおいて、わが方津嶋冠治駐モザンビーク国大使と先方アントニオ・フランシスコ・ムンガンベ運輸通信大臣(Mr. Antonio Francisco Munguambe, Minister of Transport and Communication)との間で行われた。
  2. ベイラ港は、モザンビークの中部に位置し、モザンビークにおける重要な港の一つである。また、その地理的な位置からジンバブエ、マラウイ、ザンビア等の内陸諸国のインド洋への玄関口となっており、特に、ザンビア~ジンバブエ~ベイラを結ぶベイラ回廊は、南部アフリカ地域の最も重要な国際ルートの一つである。
     一方、同港は、土砂の堆積が非常に多く、船の航路の維持のため、常時浚渫が必要となっているが、近年は、入港する船舶の大型化が進み、出入港時の喫水が在来船より深くなったことに加えて、航路に砂礫が多く含まれるようになり既存の浚渫船では十分な浚渫作業が行えない状況となっている。このため、入出港船舶の待ち時間や座礁の増加、大型船の入港の制限等が問題となっている。このような状況のもと、モザンビーク政府は、ベイラ港について、現在の大型船の入港に対応するため、出入港時の航路を変更し水深8mを維持する計画を策定したが、その実施のためにはベイラ港で稼働する浚渫船の能力を増強することが必要であることから、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  3. この計画の実施により、新しい航路の水深を8mに維持することが可能となり、入出港船舶の入港時間(潮待ち時間)が短縮され、座礁などが減少する。ベイラ港に寄港する船舶の大型化、船舶数および取り扱い貨物の増加により、モザンビークの物流および経済の活性化をもたらすことが期待される。また、南部アフリカの重要路線の一つであるベイラ回廊の物流が増大し、ジンバブエ、マラウイ、ザンビア等の内陸諸国の活性化が期待される。
  4. なお、今回の協力は、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。

(参考)
 モザンビークは、アフリカ南部に位置し、総人口が1,890万人で、一人当たりGNI(国民総所得)が210ドルの低所得国である。

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