
スリランカの「マナンピティア新幹線道路橋梁建設計画」に対する無償資金協力について
平成17年5月27日
- わが国政府は、スリランカ民主社会主義共和国政府に対し、「マナンピティヤ新幹線道路橋梁建設計画」(the project for the Construction of a New Highway Bridge at Manampitiya)の実施に資することを目的として、総額10億4,300万円(平成17年度:1億3,000万円、平成18年度:6億5,900万円、平成19年度:2億5,400万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月27日(金曜日)、コロンボにおいて、わが方須田明夫駐スリランカ国大使と先方ジャヤスンダラ財務計画省次官(Dr. P. B. Jayasundera, Secretary, Ministry of Finance and Planning)との間で行われた。
- スリランカの交通は、プランテーション農業の発展とともに、農産物の輸送を行うための内陸交通網が発達してきており、特に道路輸送は同国の全旅客輸送量の94%、全貨物輸送量の98%を占めている。幹線道路上には、英領土時代に建設された古い橋梁が数多く存在しているが、これらは老朽化や幅員不足、取り付け道路の線形不良等の問題を抱えているだけでなく、現交通量への対応も困難になっているものも多く、市民生活や経済活動の妨げになっており、道路交通の安全性の確保および輸送力の増強が課題となっている。
マナンピティヤ橋は、地域経済発展の拠点都市としてスリランカ政府により早期開発促進都市(9都市)に位置づけられているポロンナルワとバティカロアを結ぶ基線道路(国道11号線)に位置しているが、現在、鉄道・車両の併用橋となっており、道路通行車両の衝突による局部的な損傷や道路との併用によって列車通過時には道路車両通行規制を余儀なくされており、周辺地域、特にポロンナルワとバティカロアの経済発展における大きな制限要素となっている。
このような状況の下、スリランカ政府は、道路専用のマナンピティヤ橋を建設することを目的とした「マナンピティヤ新幹線道路橋梁建設計画」を策定し、橋梁および取付道路の建設等に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
- 本計画の実施の結果、道路専門橋の建設によりボトルネックが解消され、またポロンナルワとバティカロア間の通年交通の確保と人の移動・物流が改善され、同地域の経済開発に資するとともに、スリランカ有数の穀倉地帯であるシステムC地区から西部地域への輸送ルートが改善されることで、同地域の社会経済の発展にも寄与する。
- なお、この無償資金協力は、平成15年6月の「スリランカ復興開発に関する東京会議」において、わが国が表明した今後3年間で10億ドルを上限とする対スリランカ支援の一環として実施されるものである。
(参考)スリランカは、インド洋に位置し、人口は約1901万人、一人当たりGDPは872米ドルの国である。