演説

宇野外務大臣政務官演説

G8保健専門家会合レセプション
宇野治外務大臣政務官オープニング・スピーチ

平成20年2月14日
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(写真)

 外務大臣政務官の宇野でございます。本日はお忙しい中、お集まり頂きまして、誠にありがとうございます。

 皆様ご高承のとおり、本年我が国は第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)、北海道洞爺湖サミットという2つの大きな国際会議を主催します。現在これらの会議の成功に向けて精力的に取り組んでおります。両会議に共通する重要なテーマとして、「開発・アフリカ」がありますが、先のダボス会議で福田総理は「人間の安全保障」の観点からサミットで「『保健・水・教育』に焦点を当てたい」と述べられました。また、昨年11月に高村外務大臣が国際保健分野についての政策演説を行い、「国際社会共通の行動指針」の策定を提唱しています。

 今回のG8保健専門家会合では、G8諸国の代表の皆様のみならず、H8、AU、ノルウェーの方々のご参加も得て、保健分野における活発な議論を交えていらっしゃると伺っています。主要ドナー、保健関連機関、AUの方々が一堂に会し、協議されることは、大変画期的且つ意義深いことです。本日は、保健システム、母子保健の問題について議論され、明日は感染症の問題を取り上げる予定と伺っています。精力的に議論して頂き、本年のG8サミットの成功に貢献して頂くことを強く期待します。

 現在、世界を見渡すと、保健分野における状況は各国の努力によって、全体としての状況は改善しつつあるものの、サブサハラ・アフリカを中心に依然として厳しいものがあります。サブサハラ・アフリカでは、5歳児未満死亡率と妊産婦死亡率は依然として高いままです。この地域では、エイズ治療薬へのアクセスは拡大しましたが、エイズによる死亡者は増え続けていますし、結核についても、有病率が1990年の数値より悪化する等深刻な状況です。現場における保健従事者不足も大きな課題です。世界の他の地域、例えばアジアにおいても、エイズ、結核、新型インフルエンザの問題など、保健問題は地域の社会・経済発展を阻害しかねない要因として認識しています。

 我が国は、人類共通の課題である国際保健の諸問題に対して、これまで強い関心と意思を持って対処してまいりました。2000年の九州・沖縄サミットでは、「沖縄感染症対策イニシアティブ」を提唱し、これは後の世界基金の設立につながりました。また、2005年には「保健と開発に関するイニシアティブ」を発表し、5年間で50億ドルの包括的支援を行うことを表明し、着実に実施しています。

 MDGsの達成等、山積する国際保健の課題に対処するには、我が国は、個人や地域社会に支援が行き渡ることと同時に、それが効果的に活用できるように医療従事者の育成を含む能力強化が進むことが重要であると考えます。こうした考え方は、我が国が重視する「人間の安全保障」に通ずるものです。このような基本的考えに立ち、議論をより深く発展させていくためには、ここに集まっておられるG8をはじめとするドナー、保健関連機関、AU、NGO、有識者の方々皆様の優れた知見をぜひともお借りしたいと考えております。我が国としても、戦後、母子保健や結核対策などで多くの保健課題に取り組んできたこれまでの経験を活かしつつ、取り組んでまいります。

 それでは、僭越ではございますが、乾杯の音頭をとらせていただきます。ご唱和をお願いします。G8保健専門家会合の成功を祈念いたしまして「乾杯」!

 どうもありがとうございました。

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