平成20年7月2日
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議長、
大臣閣下、大使、御列席の各国代表の皆様
まず、今次実質会期が成功裏に開催されたことに、経社理議長、副議長、事務局の皆様にお祝いを申し上げたいと思います。
我が国は、開発協力フォーラム(DCF)立ち上げを含め、経社理をより強化する努力を支持しています。我が国は財政的貢献に加え、DCFの様々な会合にパネリストを派遣して参りました。
議長、
国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及び我が国の共催により、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)は、アフリカ諸国、先進国、アジア諸国、国際機関、市民社会等の広範な参加を得て、5月、横浜で成功裏に開催されました。
私は、この機会に、TICAD IVに参加し、貢献をして下さった方々に深い感謝の意を示したいと思います。また、全てのTICADパートナーの助力を得て、会議の成果をフォローアップしていくとのコミットメントを表明いたします。
TICAD IVでは、「元気なアフリカを目指して」との基本メッセージの下、(1)成長の加速化、(2)MDGsの達成、平和の定着とグッドガバナンスを含む人間の安全保障の確立及び(3)環境・気候変動問題への対処について議論され、オーナーシップとパートナーシップ及び個人とコミュニティの保護と能力強化のための人間の安全保障の概念の重要性について、全ての参加者が認識を共有いたしました。
「持続可能な開発」及びミレニアム開発目標(MDGs)を達成する上で、アフリカは多くの課題に直面しており、気候変動・環境、紛争と平和の定着といったTICAD IVで議論された問題は世界全体にとっても優先して取り組むべき課題であると、我が国は信じています。
議長、
本日は、気候変動・環境、MDGs及び食料危機という、持続可能な開発の実現に向けた努力において鍵となり且つ相互に関連した課題を取り上げたいと思います。
まず、気候変動・環境の問題については、
気候変動の課題に如何に取り組んでいくかについては、様々な意見があるところです。しかし一つ確かなことは、我々は将来世代のために進展させる責任を負っているということです。
いまや、世界全体で「低炭素化社会」に向けて舵を切るべき時です。技術は低炭素化社会への鍵であり、適切なやり方で、知見を共有することが重要です。
我が国は、国連での交渉を後押しするような成果を目指して努力していくつもりです。
我が国は、100億ドル規模の資金を活用して途上国の気候変動対策を支援する「クール・アース・パートナーシップ」構想を発表いたしました。既に20カ国との間でこのメカニズムの実施について協議中であります。また、世銀に置かれる多国間基金にも最大12億ドルを拠出する用意があります。
さらに、我が国は、違法伐採対策を含む森林保全対策、第10回条約締約国会合を我が国が主催する生物多様性の保全、3R(Reduce, Reuse, Recycle)、持続可能な開発 (ESD)に積極的に取り組んでいきます。
第二に、MDGsについては、
本年は2015年のMDGs達成に向けた中間年であり、保健、水・衛生、教育は世界の人々の「人間の安全保障」に関わる問題として、我が国がG8プロセスで強調してきた課題であります。
第三に、食料価格高騰については、
我が国は、潘基文国連事務総長の下で、ブレトン・ウッズ機関と協力しつつ、「包括的行動枠組」を策定する作業が行われていることを歓迎します。
1ヶ月前にイタリアのローマで開催されたFAO主催「世界の食料安全保障に関するハイレベル会合」において、福田総理は、日本政府の保有する輸入米のうち、30万トン以上を放出する用意があり、貧困農民に対する食料増産支援として、さらに約5千万ドルを実施する旨述べました。私は、農業生産性の向上の重要性及び輸出規制に関する規律強化の必要性を強調したいと思います。
議長、
最後に、我が国は、TICAD IVや経社理で行われた議論を来週のG8北海道洞爺湖サミットに反映させるとともに、G8サミットの成果を国連への価値ある貢献として9月の国連ハイレベル会合へ繋げていく決意であります。
議長、ありがとうございました。