談話・コメント

外務報道官談話

スーダンにおける南北包括和平合意(CPA)アビエ議定書履行の行程表に関する合意について

平成20年6月11日
  1. 我が国は、スーダンにおける南北包括和平合意(CPA)の中で、最も困難かつ重大な懸案事項であったアビエ議定書の履行に係る行程表(ロードマップ)が、北部国民会議党(NCP)、南部スーダン人民解放運動(SPLM)両政党により合意され、8日、これを承認する大統領令がバシール大統領により署名されたことを歓迎する。
  2. 我が国は、CPAの両当事者が、自らのイニシアティブによりアビエ問題の解決に取組み、ねばり強い対話の結果、かかる合意に到達したことを高く評価する。両当事者が、本件行程表における諸事項を着実に履行し、アビエ地域に平和と安定をもたらすことを引き続き強く期待する。
  3. 我が国は、アビエ議定書を含むCPAの履行促進を含め、スーダンにおける平和の定着を今後とも積極的に支援していく。

【参考】南北包括和平合意(CPA)及びアビエ議定書

(1)CPAは、20数年に及び、400万人を超える国内避難民が発生した南北スーダン内戦を終結させた和平合意。主な内容としては、1)自治権を有する南部スーダン政府の成立、2)南部スーダンの帰属を問う住民投票の実施(2011年実施予定)、3)南部の宗教的自由(イスラム法の不適用)、4)南部スーダンで産出される石油収入の南北原則均等配分などがある。

(2)スーダン中央部に位置するアビエ地域は、南北内戦時の激戦地の一つであり、また豊富な石油資源を埋蔵していること等から、南北双方が領有権を主張しており、帰属が決定していない。

(3)アビエ議定書は、CPAの一部をなし、行政機構の設立、住民投票による帰属問題の自決等の同地域に係る問題の解決に向けた重要事項について規定されているが、同議定書の履行についてはこれまで進展が見られなかった。

(4)アビエに関する今次合意には、南北両軍からなる合同統合部隊の展開による南北両軍の同地域からの再展開、国内避難民促進のための措置などが含まれている。

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