
外務報道官談話
イスラエル政府による入植地における住宅建設計画について
平成20年3月12日
- 我が国は、最近イスラエル政府がエルサレム近郊のギヴアット・ゼエヴ入植地における750戸の住宅建設計画の再開を承認したことを憂慮している。同国政府に対し、和平プロセスに悪影響を及ぼしかねないような同建設計画を直ちに見直すよう求める。
- 特に、昨年11月のアナポリス会議により始まったイスラエル及びパレスチナ間の和平交渉が、最近のガザ地区及びイスラエル南部の情勢やエルサレムでの銃撃テロ事件により困難な状況にある中、昨年12月に続き、入植地における住宅建設に係る一方的措置が発表されたことは、和平への機運を更に阻害するのみであって、両者間の信頼醸成に何ら寄与するものではない。
- 我が国は、イスラエルとパレスチナの間に早期に和平合意が達成され、両者の共存共栄が実現することを希望しており、事態の悪化をもたらさないよう、イスラエルに対しロードマップの義務を履行し、最大限の自制と誠意をもって今後の二者間交渉に取り組むことを強く期待する。
【参考1】イスラエルによるギヴアット・ゼエヴ入植地住宅建設計画
現地時間9日、オルメルト・イスラエル首相は、エルサレム近郊のギヴアット・ゼエヴ入植地(エルサレムとラマッラの間に位置)における750戸の住宅建設計画再開を承認。
首相府報道官は、本建設計画は以前の政権の時に既に承認されており、オルメルト首相は政府の政策に一致しているとして同計画の再開を承認した、入植地ブロック以外における建設は凍結されていると述べている。
【参考2】各国の反応
(1)ライス米国務長官
アナポリスのために良い雰囲気を作り上げるために全てのことを行うことが重要である。入植地建設はプロセスの促進に貢献しない。
(2)潘基文国連事務総長
いかなる入植地の拡大もロードマップ及び国際法に対するイスラエルの義務に反する。
(3)ソラナCFSP上級代表
イスラエルの発表を遺憾に思う。現実に起こったこと(エルサレムでの銃撃テロ)に対するこのような反応は正当化されない。