談話・コメント

外務報道官談話

大湖地域における安全、安定及び開発に関する協定の採択について

平成18年12月16日

  1. 12月14~15日、ナイロビにて、第2回大湖地域首脳会議が開催され、「大湖地域における安全、安定及び開発に関する協定」が採択された。わが国は、大湖地域フレンズ国の一員として、これを、アフリカ自身のオーナーシップに基づく、「平和の定着」進展に向けた重要な一歩として歓迎する。
  2. わが国は、TICADプロセスの主要な柱の一つであるアフリカの「平和の定着」を支援する観点から、アフリカ全体の平和と安定にとっても極めて重要な大湖地域における持続的和平の達成に向け、これまで様々な支援を着実に実施しており、今後も右支援を継続していく所存である。

(参考)大湖地域首脳会議

  1. 経緯
     長年にわたり紛争の連鎖の中にあったアフリカ大湖地域において、和平実現に向けた前向きな流れが出てきたことを背景に、国連及びアフリカ連合(AU)のイニシアティブにより始まった国際会議プロセス。市民レベル、国家レベル、地域首脳レベルで地域協力・善隣外交を促進することを目指す。主要議題は、1)平和と安全保障、2)民主主義とガヴァナンス、3)地域統合と経済開発、4)人道と社会問題。
  2. 共催者
     国連(ファル大湖地域事務総長特別代表(元セネガル外相)が調整役)とAU(ワルビダ大湖地域AU特使(元ザンビア外相)が調整役)の共催
  3. 首脳会議の日程

    (1)第1回大湖地域首脳会議
     2004年11月19日~20日にタンザニアのダルエスサラームにおいて開催され、大湖地域関係国首脳11名が大湖地域の和平実現に向けた取組にコミットする「ダルエスサラーム宣言」に署名した。

    (2)第2回大湖地域首脳会議
     2006年12月14~15日にケニアのナイロビにおいて開催され、ダルエスサラーム宣言を具体化する「大湖地域における安全、安定及び開発に関する協定」が採択された。右協定では、加盟国間の領土不可侵及び相互防衛、民主主義とグット・ガバナンスの促進、犯罪人引き渡し等司法協力、ジェノサイド・戦争犯罪・人道への犯罪及びあらゆる形態の差別の禁止、天然資源の不法搾取の禁止、復興開発ゾーンの設置、女性及び子供に対する性暴力の禁止、国内避難民の保護と支援、帰還民の財産権の保護等を内容としている。また、右協定は、各分野での行動計画を定めるとともに、フォローアップメカニズムとして、最高意思決定機関となる大湖地域首脳会合(2年に1度開催)、地域閣僚会議(RIMC :年に2回)、各種アドホック専門家委員会及び常設の事務局を設置することを規定している。

  4. 大湖地域国際会議プロセスのアクター
    • コアメンバー:コンゴ民主共和国、ルワンダ、ブルンジ、ウガンダ、ケニア、タンザニア、ザンビア、アンゴラ、中央アフリカ、コンゴ共和国、スーダン
    • 準メンバー:ジンバブエ、マラウィ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、南アフリカ、エチオピア
  5. 国際社会のサポート

     大湖地域国際会議プロセスを政治的・外交的・財政的に支援するため、オランダ及びカナダのイニシアティブにより、フレンズ国グループが設立された(フレンズ国メンバーは以下のとおり)。我が国も参加。

    • 大湖地域フレンズ国・機関:加及び蘭(共同議長)、オーストリア、白、デンマーク、フィンランド、仏、独、ギリシャ、アイルランド、伊、ルクセンブルク、ノルウェー、葡、西、スウェーデン、スイス、英、米、中、露、南ア、ナイジェリア、ガボン、日本、欧州委員会、国連、AU、IMF、世銀、BAD
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